「飲食業界ホワイト度ランキング」のトップ25が発表され、第1位にびっくりドンキーを展開するアレフ、2位にスターバックスコーヒー、3位にJR東日本系列の日本レストランエンタプライズがランクインしている。

ランキングは、企業リサーチサイト「Vorkers」が2015年以降に投稿された企業の社員・元社員による会社評価レポート(残業時間、有給消化率、待遇満足度)から「ホワイト度」を数値化している。次のランキングで★はクチコミ総合評価とあわせて見ていこう。

飲食業界「ホワイト度」ランキング トップ25

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(写真=PIXTA)

25位 オリジン東秀 ★2.59 (50.82)
24位 日本ケンタッキー・フライド・チキン ★3.22 (50.83)
23位 モスフードサービス ★2.88 (51.98)
22位 あきんどスシロー ★3.11 (52.74)
21位 壱番屋 ★3.26 (52.94)
20位 グローバルダイニング ★3.40 (53.17)
19位 ロッテリア ★3.02 (53.18)
18位 フォーシーズ ★3.00 (53.68)
17位 吉野家 ★3.66 (53.96)
16位 すかいらーく ★2.87 (54.06)
15位 ユーシーシーフードサービスシステムズ ★3.05 (54.07)
14位 エスエルディー ★3.17 (54.17)
13位 スガキコシステムズ ★2.88 (54.24)
12位 王将フードサービス ★2.67 (54.56)
11位 鳥貴族 ★3.69 (54.63)
10位 セブン&アイ・フードシステムズ ★2.75 (54.87)
9位 日本マクドナルド ★3.18 (55.80)
8位 物語コーポレーション ★3.54 (57.87)
7位 シャノアール ★2.99 (59.33)
6位 ジェイアール東日本フードビジネス ★2.98 (60.07)
5位 ジェイアール東海パッセンジャーズ ★2.59 (60・32)
4位 松屋フーズ ★2.92 (61.27)
3位 日本レストランエンタプライズ ★2.75 (63.56)
2位 スターバックスコーヒージャパン ★4.12 (63.58)
1位 アレフ ★3.28 (73.28)

法令遵守意識の高いびっくりドンキー

言わずと知れた世界的コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーは、2位にランクインした。待遇の満足度2.76(10位)、月の平均残業時間29.4時間(6位)、有給消化率50.3%(4位)と、業界平均を大きく上回る。

運営会社であるスターバックスコーヒージャパンは「従業員が満足していない限り、顧客を満足させるのは難しい」として、従業員満足度の向上に努めている。

そのスターバックスを押さえて1位にランクインしたのが、「びっくりドンキー」をはじめとするレストランを全国展開するアレフだ。待遇の満足度3.40(1位)、月の平均残業時間18.3時間(2位)、有給消化率50.3%(1位)と、ダントツのホワイト度を誇る。

Vorkersに寄せられたアレフ社員のコメントには法令遵守意識の高さを評価するものが多く、法令遵守意識が残業代の支払いや福利厚生など待遇の満足度にもつながっていることが伺える。

飲食業界の「ホワイト度」は深刻な人手不足を解消し得るか?

厚生労働省の調査によると、日本の民間企業における有給休暇の平均取得率は、平成28年の調査時点で48.7%となっている。

さらに、Vorkersが投稿された約6万8000件の評価レポートから残業時間のデータを集計したところ、月の平均残業時間は20時間〜40時間が全体の41.2%を占めている。

飲食業界のホワイト度のトップに位置する企業は、いずれも残業時間は平均かそれ以下、有給消化率も平均を上回っている。

そうであるにもかかわらず、飲食業界と聞くといまだに「キツイ」「休みが少ない」「ブラック企業が多い」というイメージが先行するのではないだろうか?メディアの報道などでも、飲食業界のニュースと言えば過酷な労働環境などマイナス面がクローズアップされることが多い。

ことほどさように、飲食業界の人手不足は他業界と比べて深刻だ。キャリタス就活2018による「就職希望企業ランキング:総合編」でも、人気企業トップ100のなかに飲食業は見当たらず、先行きが不安な状況は続く。

この一般的なイメージと実態の乖離は、今後飲食業界が解決すべき課題と言えよう。もちろんホワイト度にランク入りした企業にも、いま以上に従業員満足度の向上を顧みる必要がある。(ZUU online編集部)