昨日の海外時間では、トルコ円が28.269円(当社レート)を示現するなど、歴史的低水準まで下落しました。海外時間では、トルコ中銀が、過去最安値を更新したトルコリラの下落に歯止めをかかけるため、実質的な上限金利である後期流動性貸出金利(12.25%)以外の資金供給を停止すると発表しました。一時的に下落に歯止めはかかったものの、引き続き軟調な推移は継続しており、本日の東京時間も28.30円付近での推移になっています。

昨日の海外市場

(写真=PIXTA)

金利動向に左右されやすい状況にあるドル円は、昨日の海外市場では、2.35-36%台で細かくもみ合っていた米10年国債利回りが、NY市場の午前中盤にかけて2.33%台半ばに低下しました。23日のNY市場はサンクスギビングで休場となり、24日のブラック・フライデーを含めて実質的に4連休となるため、持ち高調整の買いが入った可能性があります。ドル円は米長期金利の低下につれて112.18円まで下落したものの、米10年国債利回りはその後2.37%前半に切り返す場面があり、2日連続で示現していた111円台を回避しました。FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約80%に上昇しています。

今日の予定

本日は、米・10月耐久財受注、米・新規失業保険申請件数、米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、米FOMC議事録公表が予定されています。

今後の見通し

明日23日が米国の祝日に加え、本邦も祝日に当たるため、持ち高調整のマーケットになる可能性があります。祝日の影響で米国経済指標が集中して発表され、10月31日と今月1日に開かれたFOMCの議事要旨が公表されることに加え、メイ・英首相の下院党首討論会やハモンド・英財務相の秋季予算演説なども予定されており、比較的ポンド主導でのマーケットになる見通しです。

トルコリラ下げ止まりならロングに希望あり

トルコ中銀の介入に加え、前日は実質的な利上げを行うもトルコリラへの影響は限定的でした。リスクとして捉えられていたジンバブエのムガベ大統領が辞任したとの報道、「北米自由貿易協定(NAFTA)で特定セクターにおいて合意に近い」との報道でメキシコペソの反発、そしてトルコ大統領顧問であるイイート・ブルト氏が、「ドル/リラは3.70-3.75リラのレンジを越えれば投機的」との発言を行っており、エマージング通貨、特にトルコリラが反発する材料が整いつつあります。28.00円割れを損切り水準と想定し、28.20円台のロングに妙味ありと考えています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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