FXのトップスキャルパーが解説! 急落場面のスキャルピングではこう動け!

急落場面,スキャルピング
2017/11/9 13:00過ぎのドル円1分足(画像提供:ぶせな氏。以下、本記事中の画像はすべて同氏提供による)

2017年11月9日 13:30頃、突如として下がり始めた日経平均に伴うかたちで、外為市場では円に買いが入り1ドル=114円近辺から113円45銭近辺まで動きました。

FXトレーダーがこうした状況でうまく勝つにはどうすればよかったのでしょうか。スキャルピングを用いる億トレとして名高く、このたび『最強のFX 1分足スキャルピング』を著したぶせな氏に、どの場面でエントリーし、利益を重ねていけばよかったのかを解説していただきました。

下落の渦中、トップスキャルパーは何を考えていたか

2017年11月9日、日経平均株価が2万3千円台にのせ、バブル崩壊後の戻り高値更新して25年ぶりの水準に到達。しかし、後場には売りが殺到して800円以上も急落する場面もあった。この時、株価の乱高下による影響のため為替も動いた。どのような値動きだったのか、そしてスキャルピングでどんなトレードができたか、ドル円で考察してみよう。

次のチャートは、11月9日13時過ぎのドル円1分足。Aのポイントが、ドル円が下落し始めたポイントだ。

急落場面,スキャルピング
ドル円1分足(表示しているインジケータは移動平均線とエンベロープ

実際にどこまで下落するかが分からないなか、スキャルピングを行なうのは難しいだろう。順張りショートしても、下落が続くかは分からない。結果的に下落してはいるが、その渦中でショートできるかはまったく別の話。エントリーした途端、急騰する恐怖が付きまとう。下落が続くなど、どうやって判断できよう。

これがトレードの難しさだ。そこで、逆張りはどうだろうか。

逆張りの大敵は、待ちきれずにトレンドに逆らってエントリーすること。たとえば、価格が下げ始めたとき、どこまで進むか分からない中でエントリーするから損切りに合う。Aの箇所で安易にロングしていたら、損切りの連続だろう。

手探り状態での逆張りは最も危険だ。トレンドに逆らっては絶対に勝てない。そうではなく、反転するポイントでエントリーすることが非常に重要だ。この判断、実はそんなに難しいことではない。次の2つを守れば驚くほど勝ちトレードが増える。

1.オーバーシュートするのを待つこと
2.反転する価格帯を見つけておくこと

オーバーシュートについて

オーバーシュートしたか判断するには、視覚的に判断できるようにすべきだ。決して、感覚に頼ってはいけない。そろそろ反転するのではないか、という勘で勝ち続けるのは不可能だろう。

では、視覚的にどうするか。チャートのようにエンベロープを使うと非常に分かりやすい。これは5つにゾーン分けし、移動平均線から乖離したときのオーバーシュート度合いを5段階で判断できる。

実際のトレード方法については本書(注:『最強のFX 1分足スキャルピング』)に微に入り細に入り記載したのでここでは割愛するが、BやCでエンベロープに到達していて、オーバーシュートしていることが視覚的に分かる。

ここで逆張りロングすれば、数pips抜けることは容易に分かるであろう。数時間後のDも同じだ。エンベロープに到達していて、オーバーシュートしたことを教えてくれる。オーバーシュートすると、一時的に戻るポイントになる。何より、視覚的に速攻で判断できるのが良い。

スキャルピングのように数pipsを取る場合、いちいち考えている時間は無い。目で見て理解するのが一番シンプルで疲れないものだ。そして、これはインジケータの宿命でもあるが、機能するときとしないときがある。同じインジケータで日々の相場を見ていると、視覚的に分かるようにしているから相場の変化がとてもよく分かる。しかし、インジケータはあくまでも参考で、最終的なエントリー判断はその日の相場に合わせて行う。

反転する価格帯はどう見つければいいのか

次に、後者の反転するポイントについて。どんなトレンドが出ようと、必ず反転するポイントがある。そこは、節目である場合が多い。その節目にぶつかったとき、反転しやすくなる。

ただし、必ず反転するわけではないので、すべての節目で逆張りしてはダメだ。大きな節目で反転せずにブレイクすると、値が飛んで一瞬で大損するので注意が必要だ。とはいえ、トレードするポイントになるので節目を見つけておくことは逆張りでは大前提となる。

たとえば、上図1分足のDのポイントが、どのような節目に当たっていたのか、1時間足で見てみよう。

急落場面,スキャルピング
ドル円1時間足

矢印の箇所が、1分足のDと同じポイントになる。水平ラインにぶつかって反発したことが分かるが、それより前の丸の2箇所で節目になっていたのだ。このような節目は、「ネックライン」という。逆張りでは、このようなネックラインをあらかじめ見つけておくと、反発するポイントをピンポイントで予測できるようになる。

節目はいわば壁と同じ役目。壁が薄ければ突破するが、厚ければ一回では破れない。時間をかけ、助走をつけて突破してくるものだ。この助走の仕方がトレンドの種類と言える。これを見極めると、驚くほど勝率は上がる。前者のオーバーシュートと組み合わせると、期待値の高いトレードを繰り返し行うことが可能になる。

トレードのやり方は、無数にあるものだ。そして、正解が無い世界。トレードで勝ち続けるには、このような期待値が高いときだけに絞ってトレードすることだ。


以上、要人発言や経済指標発表などによらない、ノーイベント時の相場で勝つ方法を解説していただきました。

記事中にもあるように『最強のFX 1分足スキャルピング』にはより詳細なトレード手法の解説や、経済指標の発表に伴うトレンドの取り方をはじめとする「勝ちパターン10選」などが記載されています。FXで億トレを目指す方は、是非手に取ってみてください。

(提供:日本実業出版社)

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