「Aクラス」を狙える勉強法を心がけよ!

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(画像=The 21 online)

超難関の京都大学法学部に現役で合格し、クイズ番組で大活躍しているお笑い芸人といえば、ロザンの宇治原史規さん。その勉強法は凡人にはマネできないように思えるが、高校時代からの友人であり、『身の丈にあった勉強法』著者でもある相方の菅広文さんによれば、誰にでも応用できる勉強のコツが詰まっているという。二人に話を聞いた。《取材・構成=杉山直隆、写真撮影=長谷川博一》

「勉強している風」で満足していないか?

高校時代から宇治原さんを間近で見ていた菅さんは、当時から勉強に関しては宇治原さんには敵わないと思っていたという。

 とにかく異常な受験の鬼でしたから。京大を受験する前は、毎日何時間勉強していたんだっけ?

宇治原 毎日11時間していました。11時間なら、毎日続けられるじゃないですか。あまり自分を追い込んではいけないので、楽にできる範囲内に抑えていました。

 ね? ちょっとおかしいでしょ(笑)。毎日11時間なら楽に勉強できる、なんて言うのは、宇治原くらいですよ。

宇治原 まぁ、事実ですからね。こう言うと、また好感度が下がるな(笑)。

ただし、宇治原さんの勉強法については参考になったという。

 勉強のやり方について、「なぜこういうふうにやっているの?」と聞くと「こういう理由でやっている」と必ず説明できる。そして、それが、理にかなっているんですよね。逆に言うと、理由を説明できないことは、一切やらない。

宇治原 意味のないことをするのがめっちゃ嫌いなんです。たとえば、ノートや教科書を、いろんな色のマーカーを引くなんて、まずしません。色分けするとかえって見にくくなるし、「この場合はどの色だっけ?」と考えるのが時間のムダです。

 要するに、「勉強している風のこと」を一切しないんです。マーカーを引くと、勉強した気になって満足するけど、それが点数に結びつくかというと、そうじゃないから、しない。

宇治原 勉強の意味を一つひとつ考えずに取り組んだら、正しい努力はできません。勉強というと、がむしゃらにやる人がいますけど、そうやって、やったつもりになるのが一番危険です。もし、今何か勉強しているのなら、今の勉強法に意味があるのか、立ち止まって考えたほうがいいと思います。

外国人と話すなら英語より先に日本文化

では、今の勉強法を見直すためには、何をすれば良いのか。まずは目的をはっきりさせることが大切だと二人は言う。

宇治原 受験勉強の場合は、「合格」というわかりやすい目的がありますが、ぼんやりと「合格」を意識するだけでは、まだ足りないと思っていました。

そこで、京大の合格最低点を調べたうえで、少し上回る点数をゴールに設定。過去問をチェックして、どんな勉強をすれば合格点に届くかを考えました。ここまでしないと、「この勉強はなんのためにしているか」がわからず、集中できませんから。

 これはまったく同感です。今でも、「目的を考える」ことは強く意識しています。今、関西で、観光旅行に来た外国人の方を英語で道案内する番組をやっているんですけど、僕は英語が得意ではありません。だから、英語を勉強することも必要なんですけど、実際は、英語よりも日本文化や日本史の勉強に時間を割いています。

なぜかといえば、外国人の方は皆、日本の文化を知りたがるからです。僕が英語を使う目的は、相手が知りたいテーマで話すことですから、日本文化を学ぶ必要があると思ったのです。

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知識を自分のものにする「エアー授業」とは!?

目的をはっきりさせたら、どんな勉強法で学べば効果的かを考えていく。宇治原さんが重視していたのは、インプットよりもアウトプットだ。

 僕は、何かテレビでエピソードを話さなければいけない時、事前に後輩に話すんですよ。すると、そのエピソードについて頭の中が整理できているのかがわかり、自分の身になっていくんです。宇治原の勉強法も、そういう「アウトプット」を重視しているよね?

宇治原 そうですね。受験勉強のときは、よく自宅で「エアー授業」をしていました。自分が先生になったつもりで、架空の生徒を相手に、一人で授業をするんです。「縄文時代には争いごとはなかったんやけど、弥生時代にお米を作るようになると、その米を力ずくで奪おうとするやつが出てきたので、米を守るために、力が強いやつを雇いました。これが、えーっと、何やったかな?」という感じです。

 友達がいなかったから、一人でやっていたんです。

宇治原 ほっといてくれ(笑)。でも、「エアー授業」は、すごく意味がある勉強法。自分が何を理解していて、何を理解していないかがはっきりとわかるんです。インプットをしているだけでは、気づけません。

こうして、エアー授業を続けていると、「覚える」から「わかる」に変わってきます。覚えたことは忘れてしまうけど、わかったものは忘れません。だから、使える知識になるんですね。

アウトプットを重視した勉強法は、40代以上の人こそ、やるべきだと宇治原さんは言う。

宇治原 僕は今、41歳なのですが、40代になってから明らかに記憶力が低下しました。新しいことが覚えられないし、昔覚えたことが出てきません。

 宇治原さんでも、そうなんですか。

宇治原 この宇治原ですらも、そうなんです(笑)。忘れないようにするには、「わかる」状態に持っていくしかない。そう考えると、受験生よりも大人のほうが、インプットよりアウトプットに割く比重を増やしたほうがいいと思いますね。

1日1分でもOK、自分を追いつめるな!

着実に勉強を重ねていくには、スケジュールの立て方も重要だろう。ロザンの二人が口を揃えるのは、「一日の勉強量は、絶対にできるものにする」ことだ。

宇治原 受験勉強のときは、試験日から逆算してスケジュールを立てたのですが、強く意識していたのは、「1日の勉強量を、絶対にできる量にしか設定しない」ことです。

なぜかというと、できなかった時に、自分を追い込んでしまうから。追い込んでしまうと、続かなくなるんですよね。

勉強で重要なのは、毎日継続すること。1日でも空けてしまうと、記憶が抜けてしまい、余分に勉強し直す必要が出てきます。だから、1分でもいいから、毎日やったほうが良いですね。

 継続するためには、自己嫌悪に陥らないようにすることが大切だと、僕も思います。

僕の場合は、本を執筆するときの話ですが、自分を嫌いにならないようなスケジュールの組み方をします。たとえば、3カ月後までに6万字書く必要があるとしたら、早めに取りかかり、1日のノルマを簡単にできる1,000字程度に設定するのです。すると、1日に2,000字書けたときは、「1日分、貯金できたな」と思えて、気持ちが良い。「また貯金をしよう」と思えて頑張れるんです。

宇治原 あと、継続するためには、「疲れるまで勉強しないこと」も重要です。今日は調子が良いからといって、勉強しすぎてしまうと、翌日に疲れを残してしまい、能率が下がります。

オールCランクの選手を目指していないか

ここまで効率良く勉強するための方法について聞いてきたが、「その前に、考えたほうが良いことがある」と二人。それは、「その勉強をすることで本当に『勝てる』のか」ということだ。

 たとえば、「会社からTOEICを受験するように言われたから勉強する」というように、他者から言われて勉強している人も多いですが、それではその人の強みにはならないと思うんです。たとえそこそこの点数が取れても、留学経験者などもっと英語が得意な人には敵わない可能性が高いですよね。英語に限らず他も同じで、それでは負け続けると思うんです。

野球ゲームでたとえると、打力も走力も守備力もオールCランクみたいな選手。こういう人は、どれか一つAランクの選手に負け続けると思うのですよね。

宇治原 勉強したのに、出番が来ない。ずっと補欠のまま。

 で、たぶん、補欠同士で飲みに行って、他の人をうらやむんですよ(笑)。

そんなムダな努力をするなら、「僕は、何を勉強したらAランクになれるのか」と考えたほうがいい。他の勉強をすることで、会社から言われたTOEICを勉強する時間がないなら、「僕はTOEICよりこちらを勉強します」と堂々と言うべきです。それでこそ、Aランクで勝つための勉強だと思います。

菅さんの新刊が発売中!

身の丈にあった勉強法
(画像=The 21 online)

『身の丈にあった勉強法』
菅広文著
幻冬舎

「正しい勉強法」を知らないと損をする!相方で「超・高性能勉強ロボ」の宇治原を観察し続けて確信した、究極の学習術。

菅 広文(すが・ひろふみ)ロザン/お笑い芸人
1976年、大阪府生まれ。大阪府立大学経済学部中退。ベストセラー『京大芸人』をはじめとする著書多数。近著に、『身の丈にあった勉強法』(幻冬舎)。
宇治原史規(うじはら・ふみのり)ロザン/お笑い芸人
1976年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。その頭脳と知識を活かし、さまざまなクイズ番組で活躍する。
(『The 21 online』2018年2月号より)

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