不動産投資における資金準備

9月に入り、日経平均株価も15,800円台を超えた水準で推移してきております。デフレーションから抜け出してきた気配が感じられるものの、年金や健康保険などの社会保険に不安を感じていたり、本業とは別に安定した収入を確保したいと考えている方も多いのではないでしょうか。今から不動産投資を始める、またはこれから始めようする方が多くなってきました。ただ不動産投資の場合、都心の中古ワンルームマンションを買おうとすると1,000万円程度の資金が必要となってきます。この資金を自分で用意するのは大変な労力が必要です。

一方で、自分で用意しなくてもローンを組むという方法もあります。投資物件の相談をしに不動産会社を訪れると提携先の金融機関にまで話が及びます。自分で金融機関を探さなくても、不動産会社が投資物件と資金調達手段を用意してくれるのです。では、全額現金で購入する場合とローンを組む場合とどちらが良いのでしょうか?今回はこの点について見ていきます。

現金一括購入は安心?

「ローンは怖い」「毎月返済を気にしなければならなのが嫌だ」と考えられる方もいるのではないでしょうか。十分な資金があれば自己資金一括で投資物件を購入するというのも1つの手段です。全額自己資金で購入してしまえば、ローンリスクから解放されます。そのため、保有物件が空室になってしまったとしても慌てることはありません。収入がなくなったとしても、ローン返済がない分、毎月の支出も修繕積立金や管理費など小額の費用に抑えられるためです。

また、自己資金で投資物件を購入するメリットは他にもあります。それは、担保価値のある物件を獲得できるということです。ローンを組む場合には、そのローンの目的となる投資物件に必ず抵当権が付きます。ローンの返済が完了するまでこの抵当権は抹消されないので、他に資金需要が発生した場合に担保とすることはできません。しかし自己資金で購入してしまえば、担保設定をしないので、その投資物件の担保価値はそのまま活きるわけです。