ビジネスマンの多くが仕事に追われる毎日を送っていることだろう。休日は少しでも疲れを癒すために寝だめすることが習慣になっている人もいるのではないだろうか。しかし心のどこかで「このままではいけない」「仕事以外のことに力を注ぎたい」と考えている人も決して少なくないだろう。

今回は習慣化コンサルティング株式会社代表取締役で、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナーとして活躍する古川武士さんにお話を伺うことができた。古川さんは「続ける習慣」が最も重要と考え、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。 個人向けのコンサルティングや習慣化講座、企業への支援を行い、習慣化に関する著書も数多く出版している。忙しいビジネスマンが、自分の目標を達成するためにどのようにすれば効率的に時間を使えるようになるのか、そのためには何が必要なのかを語っていただいた。(全5回、取材・文 秋乃麻桔)

古川武士
古川武士(ふるかわ たけし)さん
習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役。米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約3万人のビジネスパーソンの育成と1000人以上の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を基に、個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。著書に『「早起き」の技術』(大和書房)、『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『高密度仕事術』(かんき出版)など。

ビジネスマンはなぜ、「時間がない」が口癖になるのか

習慣化で時間を作る#1
(画像=Pixel-Shot/shutterstock.com,ZUU online)

——―多くのビジネスマンは「やりたいことがあるけれど時間がない」と考えていると思います。やるべきこととやらなくていいことは、どのように見分ければいいのでしょうか。

自分自身の3年後の未来を見据えた時に重要なことは何なのか、そのことを意識してやるべきこととやらなくていいことを分けていく必要があります。人それぞれ自分にとって人生を豊かにしていく価値があること、時間をとっていったほうがいい行動、効率化しなければいけない時間というのがあるのではないかなと思います。

自分の人生をより良くしていくということで言えば、例えば運動をすることなのかもしれませんし、日記やブログを書くことかもしれません。それを実践するために時間を意識して作っていく必要があります。自分にとって好きなこと、自分がやりたいこと、先にそのことを定義しなければ、やるべきこととやらなくていいことを分けることはできないと思います。

私が面白いと思っている『時間術大全』(ダイヤモンド社)という本で指摘されていることなのですが、多くの人は2つのことに時間を占有されているといいます。一つは忙しさ中毒といって、忙しくしていると落ち着く人が多いということです。暇であるよりもバタバタしているほうがいいし、もっと言えば暇だと不安になるのでスケジュールをびっしり埋めたくなるということです。もう一つは、ただでさえ時間がない中にインターネットやスマホ、テレビを見る時間が入り込んでくるということです。この2つのことが結局生活を占有しているのです。

人間は忙しくなればなるほどストレスが溜まります。ストレスが溜まった時に何がやりたいかというとSNSやYouTubeなどのメディアで埋め合わせていきたくなります。このようなことを繰り返していると、何か新しいことをやろうと思っても時間がないということになりますよね。

何のために時間を使うのか、優先順位を決めることが重要

——確かに忙しいといいながら、インターネットやスマホに時間を取られている人は多いですね。