転職と副業をかけ合わせ、生涯年収を最大化する生き方や考え方を伝えた書籍『転職と副業のかけ算』が3万部を超えるヒット本になっている。著者は本業で年収1000万円、副業で年収4000万円を稼ぐサラリーマン、motoさん(32歳)。そう聞くとこの世界に一握りしかいない、超エリートなのではないだろうか……と思われるかもしれないが、motoさんは決してそうではない、という。

地元のホームセンターでレジ打ちからキャリアをスタート。年収は240万だった。その間、採用の仕事を任されることになり、個人で就活ブログを起ち上げたところ、話題になり買収オファーが届く。時を同じくして、転職オファーも舞い込んだ。そうして人材会社にリクルート、楽天と転職を重ね、今のmotoさんができている。

10年で年収を25倍にしたmotoさんは、資産が拡大したことで、生活やお金の使い方などに変化はあったのだろうか?また、稼げるようになって得たものとは?お金に対する考え方を中心に、motoさんの人生観を聞いた。(取材・くすいともこ/写真・森口新太郎)

moto(もと)さん
moto(もと)さん
本業年収1000万円、副業年収4000万円を稼ぐサラリーマン。1987年長野県生まれ。地元の短大を卒業後、ホームセンターに入社。リクルートや楽天など5度の転職を経て、現在は都内の広告ベンチャーで営業部長を務める傍ら、ブログ「転職アンテナ」などを運営。2019年には日本最大級のASP「バリューコマース」から年間MVPとして表彰された。各種SNSを通じて、転職や副業、キャリアや営業戦略に関する知見を発信。転職や副業を考える多くのサラリーマンの悩みに答えている。著書『転職と副業のかけ算』(扶桑社)は3万部を超えるヒットに。

「転職×副業」ホットワードの掛け合わせが売れる要因に

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(画像=森口新太郎、ZUU online編集部)

──8月に刊行された『転職と副業のかけ算』は、発売後1週間で即重版がかかったと伺いました。

地方の短大を出てホームセンターで働いていた普通のサラリーマンの話が、本当に売れるのか疑問に思っていました。担当編集の秋山さんには「これ本当にニーズありますか?」「僕の幼少期の話に、興味ある人なんていますか?」と執筆中に何度も聞いていました(笑)。

──motoさんにとっては「普通のこと」が、結果としてはたくさんの人の心に響くことになりました。あらためて、どういった部分がヒットにつながったのだと思いますか?

年収240万の非エリートからキャリアをスタートしても、転職や副業などの手段を駆使することで、年収を大きく伸ばせるという点が、時代のトレンドと相まってヒットしたのだと思います。とくに、20代前半〜30代手前くらいの層に響いているように思います。キャリアの悩みを抱える人が多い世代ですし、転職や副業は彼らにとっても身近なワードになっていると思います。

また、こうしたワードが定着した要因には、終身雇用の終焉や通年採用の普及など、これまでと働く環境が大きく変わろうとしていることや、働き方の多様化なども挙げられると思います。

重版効果で副業の売上がさらに増加

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(写真=森口新太郎撮影)

──書籍がヒットしたことで収入はさらに増えたのではないでしょうか。