フェイスブックの2019年7~9月期決算は増収増益となった。純利益は前年同期比19%増の60億9000万ドル。1株利益は2.12ドルと、市場予想の1.91ドルを上回った。一方、売上高は29%増の177億ドルとこちらも市場予想の174億ドルを上回っている。画像共有サイト「インスタグラム」等の広告収入の伸びが寄与したほか、設備投資額が想定を下回ったことも純利益を押し上げる要因となった。また、月間アクティブユーザー数(MAU)は8%増の24億5000万人と、市場予想と一致した。

とはいえ、ウォール街では「フェイスブックへの逆風は消えていない」(アナリスト)と慎重な見方も根強い。後段で詳述するように、個人情報を巡る不信感に加え、リブラ構想の先行き不透明感、さらには反トラスト法(独占禁止法)に基づく調査への警戒もあって手放しで喜べないのが実情のようだ。特に反トラスト法を巡る問題についてはエリザベス・ウォーレン上院議員の「フェイスブック解体」を主張する口撃が繰り返されており、市場関係者も気が気ではない。

今回はフェイスブックの最新動向をリポートしたい。

「世界ブランド価値ランキング」から転落

フェイスブック,株価
(画像= InkDrop / shutterstock, ZUU online)

予想を上回る好決算を受けて、フェイスブックの11月6日時点の年初来の上昇率は41.2%となった。昨年は英データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカを巡るデータ流出スキャンダルで急落する場面も見られたが、今年7~9月期はMAUの増加に加えて広告収入も堅調に推移するなど一時期に比べ下値不安は後退しているようにも見受けられる。

しかし、ウォール街では依然として慎重な意見が目立つ。懸念材料の一つが、個人情報を巡る不信感を背景としたブランド価値の低下だ。米広告大手オムニコム・グループ傘下のインターブランドが10月に発表した「世界ブランド価値ランキング」によると、フェイスブックはTOP10から転落した。フェイスブックは前年の9位から14位にランクを下げ、ブランド価値は12%減の推定399億ドルとなった。データ流出事件などで評判が悪化したほか、同社を含む大手IT企業の反トラスト法調査もブランド価値の低下につながったと見られている。

SNSの多様化で支配力低下へ?