グローブライド <7990> をご存知だろうか。世界トップクラスの釣り具メーカーであるが、長年の釣りファンにとっては旧社名の「ダイワ精工(Daiwa)」のほうが馴染みがあるかもしれない。そのグローブライドの業績は、2021年3月期決算で売上高が初の1000億円乗せ、営業利益は前期比で約2倍、純利益は同4.3倍を記録、7月12日には株価が一時5000円台に乗せて、年初来の高値を更新する場面も観測されている。

背景には新型コロナ禍で「密が避けられるレジャー」としての釣り人気のほか、釣りの楽しさに魅了された女子高生の姿を描いた漫画『放課後ていぼう日誌』の影響や、釣りガールの存在などが指摘されている。後段で述べる通り、今年3月には日本マリン事業協会(JMIA)が2020年の新型コロナ禍におけるマリン市場の動向等について記者会見を開き、「空前の釣りブーム」が到来しているとの見解を示した。グローブライドは文字通り「新型コロナ禍の勝ち組」と言っても差し支えないだろう。

今回はグローブライドの話題をお届けしよう。

グローブライド、世界トップクラスの釣り具メーカー

グローブライド,株価
(画像= cba / pixta, ZUU online)

釣り具メーカーとしてのグローブライドの起源は、1955年に主に輸出用のリールの製造を開始した松井製作所までさかのぼる。1958年には大和精工を設立、1962年には自社ブランドの「DAIWA」を冠したリールの生産・販売を開始、1969年には商号をダイワ精工に変更し、1970年に東京証券取引所第2部に上場、1976年には東京証券取引所第1部に指定変えしている。

釣りブランドの「DAIWA」は世界的に知名度が高く、現在のスピニングリールの原型となるリールのアウトスプール機構を世界に先駆けて考案した企業としても知られている。リールやロッドなどといった主力商品のほか、ルアーや糸、クーラーボックス、レインギアなど釣りに関連する用品を総合的に扱う世界トップクラスの釣り具メーカーだ。