「大学ファンド」のポートフォリオ完成に10年を見込む オルタナティブ投資が鍵
PIXTA、ZUU online

日本の大学研究の国際競争力低下が鮮明になっている。論文の注目度の高さを示す「論文の被引用数トップ10%(Top10%補正論文数)」(集計:科学技術・学術政策研究所)を見ると、1996年〜1998年は世界第4位だったが、2016年〜2018年では11位にまで後退している。順位ではスペインやオランダに抜かれ、論文数は英国やドイツの半分にも満たない。

日本の大学の国際競争力を再び高める起爆剤として期待されているのが、2022年より運用を開始した大学ファンドだ。その資産規模は10兆円にのぼり、GPIFに続く“新しいクジラ”として市場関係者でも注目されている。

その大学ファンドの実質的な運用責任を担うのが科学技術振興機構 運用業務担当理事の喜田昌和氏だ。大学ファンドはどのような資産に投資し、どのように運用していく予定なのだろうか。喜田氏がZUU onlineの単独取材に答えた。

喜田 昌和
喜田 昌和(きた まさかず)
科学技術振興機構運用業務担当理事。平成4年3月、京都大学経済学部経済学科卒。平成4年4月農林中央金庫入庫。平成25年7月、企画管理部副部長。平成28年6月、審査部部長。平成29年7月、オルタナティブ投資部長。平成31年4月、常務執行役員。令和3年6月1日より現職。大学ファンドの実質的な運用責任を担う。