「子供が何歳になったときに家を買うのがベストなのだろうか」「子供が生まれる前に家を買っても大丈夫なのだろうか」などと迷っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、子供が生まれる前から中学校・高校入学前までを5つのタイミングに分けて、それぞれのタイミングで家を購入した場合のメリット・デメリットを解説します。

子供が生まれる前

家を買うタイミングは子供が何歳のときが最適?それぞれのメリット・デメリットを解説
(画像=polkadot/stock.adobe.com)

子供が生まれる前に家を買う人はどの程度いらっしゃるのでしょうか。
三菱UFJ銀行が、20代~50代の400名を対象に行ったアンケート調査によると、「住宅購入を考えた一番のきっかけを教えてください」の問いに対して「結婚」と回答した人の割合は 32.3 %でした。3割以上の人は、子供の有無に関わらず結婚を機に家の購入を検討していることになります。

メリット

子供が生まれる前のタイミングで家を購入するメリットは、若いうちに住宅ローンを組めることです。2022年の人口動態統計によると、平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.4歳でした。平均初婚年齢に近い年齢のご夫婦が返済期間35年の住宅ローンを組めば、60代半ばまでに住宅ローンを完済できます。また、年齢が若いと長期ローンを組みやすいので月々の返済額を抑えやすいことも魅力です。

デメリット

子供が生まれる前のタイミングで家を購入するデメリットは、ライフプラン(人生設計)が不確実なことです。子供が生まれるのか、生まれるなら何人なのか、共働きになるのかなど、将来のことが分からないため、間取りや予算を適切に判断することが困難です。

そのため、子供が生まれる前のタイミングで家を購入する場合、後から柔軟に変更できる間取りや負担が重すぎない予算を組むことをおすすめします。

子供が誕生した直後

先ほど紹介した三菱UFJ銀行のアンケート調査によると、「住宅購入を考えた一番のきっかけを教えてください」の問いに対し、「子供の誕生・成長・独立」と答えた人の割合は34%でした。

特に第一子の誕生をきっかけに家を購入する人は多いのではないでしょうか。

メリット

子供が誕生した直後に家を購入するメリットとして、子供が生まれる前と同様に若いうちに住宅ローンを組めるため、完済時の年齢が比較的若いこと、返済期間を長く設定しやすいことが挙げられます。

人口動態統計によると、第一子を出産したときの妻の平均年齢は30歳前後です。仮に、35年で住宅ローンを組んだ場合、夫が同級生の場合は65歳、5歳年上の場合は70歳で住宅ローンを完済できます。

デメリット

子供が誕生した直後のタイミングで家を購入するデメリットは、子供が第一子の場合は最終的にどれくらいの間取りがベストかを判断しにくいことです。例えば、ご両親と第一子の3人暮らしの予定だったのに、子供が3人生まれて5人暮らしになったというようなケースが考えられます。

保育園・幼稚園に入園した後

子供が保育園や幼稚園に入園した後のタイミングで家を購入したい人も多いでしょう。

保育園や幼稚園に入園した後に家を購入する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

子供が保育園・幼稚園に入園した後のタイミングで家を買うメリットは、子供が近所に友達をつくりやすいことです。卒園後、学区内の公立や近隣の私立に通うなら、小学校から中学校の間は同じコミュニティで過ごすため、友達をつくりやすい環境といえます。

また、子供が保育園・幼稚園に通っているタイミングであれば、比較的、親御さんの年齢が若いため、長期ローンを組みやすいというメリットもあります。

デメリット

子供が保育園・幼稚園に入園した後のタイミングで家を買うデメリットは、「子供が誕生した直後」のときと同様、家族が増える可能性があるため、どんな間取りがベストかを判断しにくいことです。

また、子供がまだ幼いため、壁に落書きをしたり床に傷をつけたりといった可能性もあります。

小学校入学前

子供が小学校に入学する前のタイミングで家を買いたいという人も多いでしょう。

小学校入学前に家を購入する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

子供にとって小学校や中学校でできた友達と別れることはかなりの心理的負担になります。マイホーム購入によって遠方に引っ越した場合、転校を機に、いじめに遭ってしまうケースもあります。「小学校入学前」までのタイミングで家を買えば、このようなストレスを子供にかけなくて済むというメリットがあります。

また、人気のある学区内に家を買えば、理想的な環境で子供を教育できるというメリットもあります。

デメリット

子供が小学校入学前のタイミングで家を買うデメリットは、子供が幼い頃にマイホームを購入した場合と比べて、住宅ローンの完済時の年齢が上がりやすいことです。

中学校・高校に入学する前

少数派かもしれませんが、子供が中学校・高校入学前のタイミングで家を購入するご家族もいらっしゃいます。この場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

子供が私立の中学校や遠方の高校に通う場合、学校の近くのエリアに家を買うことで、通学の負担を軽減できます。ただし、合格前に家を買うと不合格だった場合はその場所に住む意味がなくなるため、受験段階で物件を探して合格が決まってから契約を交わすなど、タイミングに注意する必要があります。

デメリット

子供が中学校・高校入学前のタイミングで家を買うデメリットとして、子供が幼い頃と比べると親の年齢が10歳程度高くなっているため、ローンの返済期間が短くなること、完済年齢が上がりやすいことが挙げられます。

家を買うタイミングを決める際、子供の年齢以外に考慮すべき点

家を買うタイミングは子供の年齢だけでは決められません。他の要素も考慮して、総合的に判断する必要があります。特に考慮すべき要素について説明します。

年収と頭金

家を購入するのに必要な年収や頭金があるかという点も家を買うタイミングを考える上で重要です。

では、具体的にどれぐらいの年収があると家を購入できるのでしょうか。参考になるのは すでに家を買った方々の年収倍率(必要な住宅資金の額を世帯年数で割った数値)です。平均値に近い年収倍率に設定すると、ローンを無理なく返済しやすいと考えられます。

住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によると、物件の種類ごとの年収倍率(全国)は以下のとおりです。

物件種類年収倍率
土地付注文住宅7.5倍
マンション7.2倍
建売住宅7.0倍
注文住宅6.8倍
中古マンション5.8倍
中古戸建5.7倍

家を買うタイミングを考える基準として「十分な頭金が準備できるか」という点も重要です。

頭金の必要額は、借入額や月々の返済額などによって異なりますが、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2021年度)」によると、平均的な頭金は約210~790万円でした。

転勤の可能性

家を購入する中心世代である20〜40代は働き盛りであり、支店や営業所がある会社にお勤めのビジネスパーソンは転勤の可能性があります。転勤を考えるとマイホームを購入するのは難しいと考える人もいるかもしれませんが、「転勤中は賃貸物件にする」「単身赴任をする」「売却する」などの対応策もあります。

まとめ

家を買うベストなタイミングは、家庭ごとに異なります。ここでご紹介したステージごとのメリット・デメリットを比べて、「我が家では家を買うタイミングをいつにするとよいか」を家族で話し合ってみてください。

そろそろマイホームを購入したいけれど住宅ローンの支払いが心配だという場合、賃貸併用住宅という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

賃貸併用住宅とは、マイホームと賃貸住宅がミックスされた住宅のことです。毎月の家賃収入を住宅ローンの返済に充てられるため、住宅ローンの負担が大幅に軽減されます。また、マイホーム購入と同時に資産形成を始められるというメリットもあります。

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(提供:賢いくらし研究所