最近は、独身の人が資産形成などの目的で投資用マンションを購入するケースも増えていますが、なかには独身で一軒家を購入する人もいらっしゃいます。

この記事では、独身で一軒家を購入する人の割合、独身で一軒家を購入した場合のメリットやデメリットなどについて解説します。

独身で一軒家を購入する割合は?

独身で一軒家を購入する割合は?購入した場合のメリット・デメリットも比較
(画像=maroke/stock.adobe.com)

独身の人が住宅ローンを組んで家を購入するのは珍しいことではありません。「2021年度 フラット35利用者調査」によると、新築マンションを購入した約4人に1人(25.8%) 、中古マンションを購入した約5人に1人(21.3%)が独身(家族数1人)でした。

独身で一軒家(戸建て住宅)を購入する人もいます。同調査によると、家族数1人で戸建住宅を購入した人の割合は以下のとおりです。

  • 注文住宅 :2.8%
  • 土地付き注文住宅:3.4%
  • 建売住宅:3.9%
  • 中古戸建:8.2%

上記のデータを見ると、独身で一軒家を購入することが決してレアケースでないことが分かります。中古戸建は約11人に1人の割合で独身の人が購入しています。

独身のうちに一軒家を購入するメリット

独身のうちに一軒家を購入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットについて説明します。

住宅ローンの完済を早められる

独身のうちに一軒家を購入すると早めに住宅ローンを完済できるというメリットがあります。

国土交通省の「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」によると、一軒家を購入する平均年齢は、新築の注文住宅では40.9歳、分譲戸建住宅では38.4歳です。また、住宅ローンの平均的な返済期間は、注文住宅が約33〜34年、分譲戸建住宅が34年です。

この調査結果をもとに考えると、例えば40歳で一軒家を購入し、35年の住宅ローンを組むと完済年齢は75歳になります。ローン返済の後半は60〜70代に差し掛かるため、収入が減ったり病気になったりして返済が難しくなる可能性も考えられます。

仮に、独身のうちに30歳で一軒家を購入して住宅ローンの返済を開始すれば、35年の住宅ローンを組んでも65歳までに完済できます。

住居費が抑えられる可能性がある

独身の若いうちに一軒家を購入することで、住宅ローンの返済期間を長めに設定しやすくなります。返済期間を長くすることで月々の支払額が少なくなり、家賃と比べて割安になる可能性もあるでしょう。

ただし、地価の高い好立地の土地を購入して一軒家を建てると、月々のローン返済額が今まで支払っていた家賃を大きく上回る可能性もあるため注意しましょう。

自由にアレンジできる

「独身のうちに早めに住宅を確保する」ことが目的であれば、マンションを購入するという選択肢もあります。しかし、家を自由にアレンジしたいのであれば、一軒家を選ぶ方が自由度は高いでしょう。

マンションの共有部や外観は、他の住人との共用スペースなので、DIYやリフォームで自由 にカスタマイズすることはできません。これに対して、一軒家は家主が「こうしたい」と思えば、自由自在にアレンジして理想の住まいを実現することが可能です。

信用力をアピールできる

婚活中の独身の人が一軒家を所有していることで、「信用力のある堅実な人」というイメージをアピールできます。ただし、独身の人が一軒家に住んでいることで「この人は結婚する気がないのではないか」と感じる人もいるようです。結婚して住む家は夫婦二人で話し合って決めていくのが基本だという考え方もあるからです。

婚活において一軒家を持っていることはメリットとデメリットの両面があることを認識しておきましょう。

独身のうちに一軒家を購入するデメリット

独身のうちに一軒家を購入した場合のデメリットもあります。具体的な内容を確認していきましょう。

パートナーが見つからないリスクがある

将来結婚することを前提として独身のうちに一軒家を購入した場合、結婚相手が見つからないというリスクがあります。独身の人が一人で一軒家に住み続けると、使用しないスペースや部屋を持て余してしまうかもしれません。

将来の結婚相手と一緒に決められない

先ほども触れたように、新居は夫婦二人で話し合って決めるのが基本だという考え方もあります。独身のうちに一軒家を購入した場合、将来結婚したいと思った相手から「自分の好みの家ではない」と言われてしまうリスクがあります。その結果、独身のうちに購入した家を手放して、新しい家を購入しなくてはならない可能性もあります。

転勤の可能性がある

働き盛りの独身のビジネスパーソンのなかには、地方や海外などへの転勤の可能性がある会社に勤めている人も多いでしょう。転勤した場合、せっかく購入した一軒家に住めなくなる可能性があります。ただし、転勤が一時的なものであれば、その間は賃貸物件に転用して家賃収入を得てもよいでしょう。また処分して売却益を得るという対処策もあります。

町内会・自治会に参加しなければならない

一軒家に住むと、町内会や自治会などに参加しなくてはならないことが多いです。回覧板や広報誌の配布、地域の清掃やイベント、定期的に回ってくる係など、独身の人がこなすのは大変なケースもあります。

独身で一軒家を購入しても問題ないケース

ここまでの内容を踏まえて、独身で一軒家を購入しても問題ないと考えられるケースを紹介します。

ペットと暮らすために一軒家に住みたい

生涯独身の可能性が高いと考えていて、「愛犬や愛猫など、ペットと住むために一軒家を購入したい」という人もいらっしゃるでしょう。このような人は、独身で一軒家を購入しても問題ないと考えられます。集合住宅よりも一軒家の方が、ペットも飼い主もストレスを感じず快適に過ごしやすいからです。

親と同居するために一軒家を購入したい

「高齢になってきた親と同居するために一軒家を購入したい」という人もいらっしゃるでしょう。ご高齢の人であれば、マンションよりも一軒家に住みたいという人も多いでしょう。親子が同居することでお互いの生活コストを節約することもできます。

ただし、結婚願望がある人は、親と同居していることが婚活のネックになる可能性があるという点に注意しましょう。生涯独身でいることを決めている場合は問題ありませんが、将来結婚したいと考えているなら、一軒家を購入して親と同居することについて慎重に考えた方がよいでしょう。

老後のために早めに一軒家を確保したい

なるべく早い段階でローン残債のない一軒家を持ちたい人は、独身のうちに家を購入することをおすすめします。結婚が確定してから一軒家を購入、ローンを組んでいると完済年齢が上がってしまう可能性もあるからです。

まとめ

独身で一軒家を購入する人の割合、独身で一軒家を購入した場合のメリットやデメリットなどについて解説しました。

独身のうちに一軒家を購入することには「住宅ローンを早いうちに完済できる」「住居費を節約できる」などのメリットがある一方、「パートナーが見つからないリスクがある」「将来の結婚相手と一緒に家を決められない」などのデメリットもあります。メリットとデメリットを理解した上で慎重に判断しましょう。

独身のうちに一軒家を購入したいけれど住宅ローンの支払いが心配だという場合、賃貸併用住宅という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

賃貸併用住宅とは、マイホームと賃貸住宅がミックスされた住宅のことです。賃貸住宅からの家賃収入を住宅ローンの返済に充てられるため、毎月の住宅ローンの負担が大幅に軽減されます。また、マイホーム購入と同時に資産形成を始められるというメリットもあります。

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(提供:賢いくらし研究所