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(画像=PharmaX株式会社)
辻 裕介(つじ ゆうすけ)
PharmaX株式会社代表取締役・医師
順天堂大学医学部卒業。ヘルスケアスタートアップでインターンとして事業開発を経験。その後MD-PhDプログラムに採択され、順天堂医院にて臨床と研究に従事。2018年12月にPharmaX株式会社(旧・株式会社YOJO Technologies)を創業。薬局DXを推進していくことで患者さんに最も満足していただけるオンライン薬局モデル確立に向けて邁進する。
PharmaX株式会社
PharmaXは、テクノロジーを活用し、患者・生活者がぬくもりを感じられる「かかりつけ医療ブランド」を創出するスタートアップです。エンジニアと薬剤師を中心に自ら薬局を運営・プロダクト開発を行うことで、患者・生活者主体としたオンライン中心の医療体験の向上や医療者の多様な働き方を創出しています。さらに自社薬局の運営で得られた知見をもとに、新規/既存薬局事業者がオンライン薬局を立ち上げるためのソフトウェア・オペレーションのパッケージ「PharmaX OS」の提供も行っています。これからの時代だからこその人とテクノロジーの最適なコラボレーションを模索し続けてます。

1.これまでの事業の変遷について教えてください。

大学で医学部へと入学し、医者としてのキャリアをどう歩んでいくかという発想しかなかったのですが、大学医学生の一年生の時に、医療ビジネスコンテストに参加し、そこからこの「医療×ビジネス」や「医療×IT」の可能性を感じたのが起業の一番のスタートラインかなと思っています。とはいえ、当時は明確な事業アイデアがあったわけではないので、「MD-PhDコース」という初期研修医と大学院での研究を両立できるコースへと進みました。その際に配属された総合診療科の研修で、「エビデンスを大事にしつつも目の前の患者さんの悩みに寄りそって解決する」という経験をしたのですが、それが自分自身の医療者としての生き甲斐であり充実感を感じる大きな原体験となりました。総合診療科での経験と学生時代のいろんなビジネス関連のトライをしてたことが自分の中で重なり、もっとこのITを活用して医療者と患者さんの距離感を近づけていきたいという思いが、私の起業の出発点となっています。

そういった思いの中で設立したPharmaXは二つ事業をやっています。一つが「YOJO事業」で、心身の不調を抱えていらっしゃる女性の方に対して、いつでもどこでも心身の悩みを医療者に相談でき、その時々の体調に合わせて最適な医療にアクセスできるような体験を提供しています。その一方で、現状自社の薬局や医療機関だけではより多くの方に価値を届けていくのが難しい面もあるため、「YOJO事業」で培ったノウハウを他の薬局事業者様に提供していく取り組みもスタートしており、「薬局DX事業」として展開しています。

このtoC事業とtoB事業の二軸を展開していくことで、「かかりつけ医療体験」を実現していきたいというのが弊社の今の取り組みです。

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2.一番感銘を受けた書籍とその理由は?

私が最も影響を受けた書籍は「ザ・ピーク―マズロー心理学でモチベーションの高い会社を作る方法」です。

私が元々Zapposという靴のECを扱っているアメリカの企業が大好きで、特に彼らのカスタマーサクセスに対する徹底ぶりにとても感銘を受けていたのですが、Zapposの社長がザ・ピークを参考に組織文化を作ったということを知り、興味津々でこの本を手に取りました。

その本では「全てのステークホルダーがエンゲージメントを感じ、共有するビジョンへ一緒に邁進していく組織が成功する」ということが語られており、私たちの実際の組織運営においてもとても大切にしてます。

3.読書はどのように仕事に生かせたでしょうか。

上記のような組織をつくりあげていくために、組織におけるオープンさや率直さを大切にしています。特に率直さに関しては、「こうした方があなたは良くなるよ」といった、なかなか直接本人にフィードバックするには心理的にハードルが高いことであっても、一人一人より成長ができたり、より意義を感じるためにこの部分にもお互いが向き合っていくことは大切にしています。

また、1on1や360℃フィードバックなどといった機会では「患者満足度世界一を目指せてますか?」といったようにフィードバックする機会も設けていることで、日々ベクトルが顧客に向くような設計にしています。

4.経営において重要としている考え方を教えてください。

「従業員のメンバー、患者さん、株主の方々といった目の前の一人一人に本気で向き合い続けるスタンス」を常に大切し、彼らに対してどんな価値提供ができるのか?を常に問い続けています。

特にチームに関しては、一人一人が自分の人生に意義を感じてることができているのが本当に強い組織だと思っているので、まず私自身が自分の役割に意義を感じ、周りのメンバーに伝播させていくことでより強い組織にしていきたいと考えています。

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5.最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。

PharmaXの未来構想は、すべての患者さんが自分だけの医療者を持てる世界を創り出すことです。そのためには、オンラインを活用した診療や、漢方薬に限らず多様な相談ができる環境を提供し続けることが必要です。さらに、検査や診療を通じて、患者さん一人ひとりと医療者が深い関係を築き、かかりつけ医の体験を提供できるよう、PharmaXは進化し続けることを約束します。

我々のミッションを達成するためには、従業員全員がビジョンを共有し、一丸となって取り組んでいただくことが不可欠です。そのため、PharmaXは従業員が自分の仕事に意義を感じ、高いモチベーションで働ける環境を維持し続けることが私たちの責務です。

氏名
辻 裕介(つじ ゆうすけ)
会社名
PharmaX株式会社
役職
代表取締役・医師