10万円で投資するなら?おすすめの初心者が増やす方法や注意点を紹介

投資初心者のなかには、以下のようなことで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

  • 10万円ではじめて投資したいがなにを買えばよいかわからない
  • 投資を始めるのにはまとまった資金が必要だから10万円では足りないのでは?

しかし実際には、10万円もあればさまざまな資産への投資が可能です。過度なリスクをとらずに着実に投資を進めていくことが、初心者にとって有効な選択といえるでしょう。本記事では、10万円から投資するときの初心者におすすめの投資方法について紹介します。

あわせて、はじめて投資するときの注意点も解説しているので、これから少額で投資にチャレンジしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

10万円で投資するのにおすすめの投資先8選

10万円から始められて初心者におすすめの主な投資先は、次の8つです。

それぞれの特徴や投資するメリット、注意点について順番に紹介します。自分にあった投資先選びの参考にしてください。

投資信託

投資信託は、2024年から始まった新NISAを活用できる主要な投資先の一つです。ネット証券を活用すれば100円からの少額投資が可能で、リスク分散も効くため初心者でもチャレンジしやすい投資先といえます。

・投資信託の特徴

投資信託は、不特定多数の投資家から集めた資金を運用会社などの投資の専門家が株式や債券などへ投資・運用してもらえる商品です。銘柄ごとに投資先や投資資産のルールが定められているため、投資家はファンドの投資先をもとに投資銘柄を選びます。株や債券などの投資資産や日本・米国・新興国といった投資する地域・国などを軸に自分に合った銘柄を購入しましょう。

1本買うだけで実質的にファンドの投資先となる多数の資産に投資できるため、投資家自身が具体的な投資先を選ばずとも分散投資しやすいのが特徴です。

・投資信託のメリット

投資信託の主なメリットは、次の3つです。

  • 新NISAが使える
  • さまざまな銘柄に投資してリスク分散が可能
  • 100円程度の少額から投資できる

投資信託は、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の双方で購入できます。特につみたて投資枠で購入できる銘柄のほとんどは投資信託です。新NISAの投資枠を最大限活用したい場合は、投資信託へ投資しましょう。上述したように投資信託は、1本投資するだけで実質的に数十~数千銘柄へ分散投資が可能です。

リスクが分散されるため、市場変動時などの損失リスクの抑制効果が期待できます。またSBI証券や楽天証券、auカブコム証券などのネット証券では100円から購入可能です。10万円を元手に投資するときでもさまざまな銘柄を購入できるでしょう。

・投資信託のデメリット

投資信託の主なデメリットは、以下の3つです。

  • 運用に手数料がかかる
  • 売買価格がわからないまま取引する
  • 損失リスクが高い商品も

投資信託は、保有している間、信託報酬などの手数料が運用資産から徴収されます。直接現金を支払わない代わりに、ファンドから徴収されることでリターンの減少要因となるのが特徴です。また投資信託は「ブラインド方式」という仕組みを採用しており、売買に適用される基準価額は発注後に決まります。

そのため自分の注文がいくらで取引されるのか、発注時点ではわからないので注意しましょう。投資信託のリスクは、銘柄によってさまざまです。なかには、損失リスクの高い商品もあります。ファンドがどのような銘柄に投資しているかについて十分にチェックしたうえで、自分のリスク許容度に合った銘柄を選びましょう。

投資信託におすすめの証券会社

投資信託を売買する場合は、SBI証券がおすすめです。SBI証券は、2024年3月7日時点で2,575銘柄もの多数の投資信託を取引できます。新NISAつみたて投資枠の対応銘柄も222銘柄と豊富です。積立投資が柔軟にできることも特徴で、1本あたり月100円から投資することができます。さらに積立頻度も毎日・毎週・毎月など柔軟に選択が可能です。

クレジットカード決済で積立投資をするクレカ積立がお得なことも魅力の一つといえます。例えば三井住友カードが発行するクレジットカードで投資信託のクレカ積立を行うと、最大で積立額の5%のVポイントが付与されます。

クレジットカード(代表例)ポイント還元率
三井住友カード 0.5%
三井住友カード ゴールド 1.0%
三井住友カード プラチナ 2.0%
三井住友プラチナプリファード 5.0%
出所:SBI証券

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日本株

株式投資は、株の値上がり益や配当収入、株主優待などを得ることが期待できます。日本株であれば、日常生活で接点のあるなじみの企業も多く投資しやすいのが特徴です。なお新NISAの成長投資枠は、日本株へも投資できます。

・日本株の特徴

株式とは、企業が出資金を募る目的で発行する証券のことです。例えば日本株であれば、そのうち日本企業が発行した証券を指します。株式を一定数以上保有していると、投資家は株式総会などで経営に参加ができるほか、配当の受益権が発生します。

単に「株」といった場合は、証券取引所で売買できる「上場株」とそうではない「未上場株」に分かれますが、個人投資家が柔軟に売買できて投資しやすいのは上場株です。

・日本株のメリット

日本株の主なメリットは、次の3つです。

  • 値上がり益のほか配当・株主優待が期待できる
  • なじみのある日本企業に投資できる
  • 単元未満株制度で少額投資が可能

上場株は、証券会社を通じて証券取引所で柔軟に売買できます。うまく株価が上昇したタイミングで売買すれば値上がり益が得られます。また企業業績に応じて配分される配当金や株主優待を受け取れる場合があることも特徴です。日本株は、日本企業が発行した株式です。トヨタや三菱UFJ銀行など、日本に住んでいれば事業内容をよく知っている企業の株式にも投資できます。

本来株式は、100株を1単元として投資する仕組みですが、いくつかのネット証券では1株や少額から株を売買できる単元未満株サービスを行っています。同サービスなら、10万円あれば多くの銘柄が売買可能です。

・日本株のデメリット

日本株の主なデメリットは、次の3つです。

  • 株主優待は1単元(100株)以上持たないともらえない場合が多い
  • 損失リスクが高い企業も
  • 投資先が倒産すると無価値化する恐れもある

株主優待は、本来株式投資のメリットの一つですが、付与条件が1単元(100株)以上となっている銘柄がしばしばあります。100株購入するためには、株価の100倍の資金が必要なので、10万円で投資できる株は限られてしまうでしょう。日本株は、東京証券取引所だけでも3,929(2024年3月7日時点)社が上場しています。

なかには「規模が小さい」「事業のリスクが高い」などの理由で株価変動が大きいリスクの高い銘柄もあります。株価変動が大きければ含み損が拡大するリスクも高いため、注意しましょう。また投資先の企業が倒産した場合、最悪のケースでは株式が無価値化する恐れがあります。日本株に投資する場合は、こうしたリスクの高さを理解しておきましょう。

・日本株におすすめの証券会社

日本株投資を検討している場合は、マネックス証券がおすすめです。日本株は、新NISAのつみたて投資枠で投資できますが、マネックス証券は新NISAでの取引手数料がすべて無料です。証券会社によっては日本株の売買に手数料がかかりませんが、マネックス証券であればコストをかけずに売買できます。

単元未満株サービス「ワン株」も買付手数料無料なので、10万円からの少額日本株投資もチャンレジしやすい証券会社です。

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米国株

米国株も株式の一種で、企業が発行する株式に投資する点は日本株と変わりません。違いは、文字通り米国企業が発行した株式という点です。

・米国株の特徴

米国の企業が発行する株式です。日本から投資する場合、ニューヨーク証券取引所などに上場している株式を売買するケースが多く、AppleやMicrosoft、スターバックス、Amazonなど名だたるグローバル企業へ投資ができます。基本的に株式は、米ドル建てで発行されていますが証券会社が為替変換することで日本円から購入できる円貨決済に対応しているネット証券会社もあります。

・米国株のメリット

米国株の主なメリットは、次の3つです。

  • 1株から売買できるため少額投資に適している
  • 長期で成長が進む市場に投資可能
  • 分配金が年4回受取れる

米国株は、1株単位で売買できるため、10万円の元手でも多くの銘柄が投資先の候補となります。米国市場は、平成時代の30年間で株価が12倍に成長するなど日本と比べて長期で高成長が期待できる市場です。また米国株は、分配金が4回受け取れる銘柄が多い傾向のため、米ドルでの配当を重視する投資先としても適しています。なお新NISAの成長投資枠であれば米国株への投資も可能です。

・米国株のデメリット

米国株の主なデメリットは、次の3つです。

  • 企業情報が英語なので銘柄分析が難しい
  • 為替変動リスクがある
  • 為替手数料がかかる証券会社も

米国を本拠地とする企業が多いため、企業の事業説明や決算開示資料などは、ほとんどが英語です。英語を読めなければ正確に銘柄分析をするのは難しいでしょう。また米ドルに交換して株を売買するため、為替リスクが発生します。例えば購入時の為替レートよりも円高になった場合は、米ドルベースでの株価は上昇していても円ベースでは為替差損が発生するケースもあるのです。

円から米ドルに交換する際は、多くの企業で為替手数料がかかります。例えばマネックス証券は、米国株の買付時に売買手数料はかかりませんが、売却時に米ドル→円に戻すと1米ドルあたり25銭の手数料がかかります。またauカブコム証券は、円→米ドルと米ドル→円それぞれに交換の都度20銭かかる仕組みです。

・米国株におすすめの証券会社

米国株投資を考えている場合は、楽天証券がおすすめです。楽天証券は、多くの証券会社でかかる為替手数料が売買どちらも無料になります。新NISAであれば売買手数料もかからないため、効率よく米国株投資ができます。2024年3月7日時点で米国ETF・ADRと合わせて5,081銘柄を取り扱っているため、柔軟に投資先を選べることも魅力です。

海外株式では、米国のほかに中国やアセアン株式も取り扱っています。そのため「投資に慣れてきたら別の国への投資もチャレンジしたい」と考えている方にも、楽天証券がおすすめです。

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ETF

ETFは、証券取引所が営業している時間帯にリアルタイムで売買できる投資信託です。株を売買するように証券会社を介して発注すれば取引ができます。

・ETFの特徴

ETFは、Exchange Traded Fundsの略で和訳すると「上場投資信託」と呼び、証券取引所に上場した投資信託のことをいいます。日本の場合は、東京証券取引所に上場していますが海外の証券取引所に上場した海外ETFもあり証券会社によっては取引可能です。上場しているため、証券取引所が営業している時間帯はリアルタイムで売買ができます。

株のように指値(価格を指定)で売買することも可能です。価格は、1口あたりで表現されていますが、最低購入単位は銘柄によって異なります。1口で売買できる銘柄であれば、購入手数料を考慮しない場合、そのときの1口の金額が最低投資価格です。

・ETFのメリット

ETFの主なメリットは、以下の3つです。

  • 投資信託なのにリアルタイムで取引できる
  • 世界中のさまざまな資産に分散投資ができる
  • 新NISAの成長投資枠がつかえる

ETFは、株と投資信託の特徴を合わせたような商品です。投資信託は、多くの商品が1営業日に1度しか基準価額が変わらず、さらにブラインド方式を採用しているため、発注した後日にならなければ具体的な取引価格がわかりません。ETFであれば実際に取引される価格を見ながら発注でき、指値注文も可能です。また投資信託と同様に世界中のさまざまな資産に分散投資もできます。

ETFは、新NISAの成長投資枠で投資が可能です。最大1,200万円(成長投資枠の限度額)までは非課税で取引できるため、効率よく資産運用ができます。

・ETFのデメリット

ETFの主なデメリットは、次の3つです。

  • 株や投資信託より最低投資金額が高い場合も
  • 投資期間中はコストがかかる
  • リスクが高い銘柄もある

ETFの最低投資口数は、銘柄によって異なりますが、1口から投資できる銘柄でそのときの価格が最低投資金額となります。そのため銘柄および市場環境によって最低投資金額は異なり、おおむね数千円~数万円の投資金額が必要です。10万円あれば購入可能ですが、投資信託がネット証券によっては100円程度で購入できることをふまえると、それよりは最低投資金額が大きいといえます。

また投資期間中は、信託報酬などのコストがファンド資産から間接的に徴収されます。ETFの保有期間中のコストは「経費率」という数値で表現されているため、投資前に確認しておきましょう。ETFのなかには、株式市場の数倍の値動きになるように設定された商品など、ハイリスクな商品もあります。銘柄選びを慎重に行い、自分にあった投資先を厳選してください。

・ETFにおすすめの証券会社

新NISAを活用してETFへ投資したい場合は、auカブコム証券がおすすめです。auカブコム証券では、新NISAでの日本株やETFの売買手数料が無料となります。さらに「フリーETF」の銘柄群は、課税口座の取引でも手数料無料です。

auカブコム証券は、スマートフォンアプリの機能が充実しています。ETFを含むさまざまな資産の情報収集から発注まで、スマートフォン上で完結させることができ外出先からでも手軽にETF投資ができます。

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ロボアドバイザー

ロボアドバイザーを活用は、少額から世界中の資産に分散投資が可能です。自動でリバランスもしてくれるため、一度発注したあとは売却までなにもしない「ほったらかし投資」を実践しやすい投資先の一つといえます。

・ロボアドバイザーの特徴

ロボアドバイザーは、証券会社などが提供しているAIを活用して投資家の資産運用をサポートしてくれるサービスです。大別すると「アドバイス型」「投資一任型」の2つがあります。アドバイス型は、投資診断してくれるだけなので、投資先の決定は自分で行わなければなりません。

一方、投資一任型はロボアドバイザーが世界中の資産へ自動で投資してくれるため、手間なく資産運用をするうえでの有効な選択肢の一つとなるでしょう。

・ロボアドバイザーのメリット

投資一任型のロボアドバイザーの主なメリットは、以下の3つです。

  • 少額で世界中の資産に分散投資できる
  • 自動でリバランスしてくれるため手間いらず
  • 新NISAを使える会社もある

投資一任型のロボアドバイザーサービスは、多数の投資家から集めた資金を、AIなどを活用して世界中のさまざまな資産へ分散投資しています。10万円程度の少額でも、リスクを分散しながら資産運用が可能です。また投資開始後は、システムが自動でリバランスしてもらえます。自分で市場環境に応じて売買する必要がないため、手間がかからず「ほったらかし投資」が可能です。

2024年3月時点でウェルスナビなど一部のロボアドバイザーは、新NISAに対応しており、上手に活用すれば投資信託や株の売買と同様に投資収益が課税されずに投資ができます。

・ロボアドバイザーのデメリット

投資一任型のロボアドバイザーの主なデメリットは、以下の3つです。

  • 自分で投資先を選べない
  • ロボアドバイザーで新NISAを利用すると他社では新NISAを使えない
  • 運用コストがかかる

ロボアドバイザーは、システムで預かり資産を世界中の資産に分散するサービスです。そのため自分で投資信託や株などを選んで投資することができません。また新NISAは、すべての金融機関のなかで一人1口座しか開設できないため、ロボアドバイザーで新NISAを利用すると他社での投資信託や株などの売買に新NISAは使えなくなります。

さらにロボアドバイザーは、運用コストがかかります。例えばウェルスナビでは、預かり資産から間接的に手数料が徴収される仕組みです。投資資金と別に現金を徴収されることはありませんが、手数料はパフォーマンスの低下要因となりかねません。

・おすすめのロボアドバイザー

投資一任型のロボアドバイザーをはじめて利用する場合は、ウェルスナビがおすすめです。ウェルスナビは、1万円という少額から約50ヵ国、1万2,000銘柄への分散投資ができます。いくつかの質問に答えるだけで、自分に合ったリスク水準の運用が実行できる点も魅力といえるでしょう。2016年の運用開始以来、着実な運用実績を残しているのも特徴です。

また「おまかせNISA」を活用すれば、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の双方を活用して投資ができます。

FX

FXは、ハイリスク・ハイリターンな投資方法の一つで証拠金を預けると、その金額以上の規模での為替売買が可能です。短期間で大きな収益を上げるチャンスがある半面、元本以上の損失を被るリスクがある点には注意しましょう。

・FXの特徴

FXは、Foreign Exchangeの略で和訳すると「外国為替証拠金取引」となります。証拠金をFX運営業者に預けると、証拠金よりも大きな金額で為替売買ができる投資です。例えば米ドル対円の買いの取引をすれば、購入時の為替レートよりも円安になったときに収益が発生します。証拠金に対するポジション量を「レバレッジ」といい、レバレッジが高いほどハイリスク・ハイリターンとなるのが特徴です。

例えば証拠金10万円に対してレバレッジ1倍と25倍で米ドル対円を売買したときの損益のイメージは、以下のようになります(手数料やスワップ収入などを加味しない)

為替レートレバレッジ1倍レバレッジ25倍
1米ドル=100円→1米ドル=101円 1,000円の収益 2万5,000円の収益
1米ドル=100円→1米ドル=99円 1,000円の損失 2万5,000円の損失

・FXのメリット

FXで10万円に投資する主なメリットは、以下の3つです。

  • 短期間で大きな為替収益を獲得するチャンスもある
  • ポジションによってはスワップ金利が得られる
  • 上昇・下落両方の場面で収益を追求できる

FXは、レバレッジを高めれば少額でも大きなポジションを形成できます。そのため自分の想定通りに為替が動けば、短期間で大きな利益を獲得できるチャンスがある点は魅力的です。また高金利通貨を買い、低い金利の通貨を売ると「スワップ収入」という金利収入が手に入ります。たとえ為替が動かなくても時間とともに収益を増やせる点はメリットです。

またFXは、買い(ロング)売り(ショート)のポジションを柔軟にとることが可能です。例えば米ドル対円で考えた場合、円安方向・円高方向の双方の取引ができます。

・FXのデメリット

FXで10万円に投資する主なデメリットは、以下の3つです。

  • 元本以上の損失を被るリスクがあるハイリスクな投資先である
  • 相場を逐一チェックする必要がある
  • 投資のコストがわかりにくい

FXは、ハイリスクな投資手法で、時には元本にあたる証拠金が全損して、さらに追加の差し入れを求められるリスクもあります。また為替相場は、休日を除いてほぼ24時間動いており、損益も目まぐるしく変わるため、逐一相場をチェックしなければならない点はデメリットです。

FXでは、しばしば買い(Bid)と売り(Ask)のレートに差があり、この差を「スプレッド」と呼びます。仮に為替相場が動かない場合、両者の差は投資家の含み損となるため、スプレッドは投資家にとって利益を圧迫するコストとなります。

また金利の低い通貨を買い、高い通貨を売った場合は、スワップ金利分が日々損失として積み重なっていきます。スプレッドもスワップ金利も一定ではないため、投資コストが分かりにくいこともデメリットといえるでしょう。

・おすすめのFX業者

少額からFX取引を行ううえでおすすめな業者の一つが、SBI FXトレードです。この業者は、1通貨単位から取引ができるため、少額で投資がしやすく複数通貨への分散投資もしやすい傾向です。また通貨ペアは、34種類もあり世界の多様な通貨のなかから投資先するポジションを選べます。さらに取引手数料やロスカット手数料、出金手数料などがかからないことも魅力です。

クラウドファンディング/ソーシャルレンディング

クラウドファンディング/ソーシャルレンディングは、少額から不動産やローンなど本来個人投資家が投資しづらい資産へ間接的に投資できるファンドです。運用期間中や償還時に得られる分配金が主な収益源となります。

・クラウドファンディング/ソーシャルレンディングの特徴

クラウドファンディング/ソーシャルレンディングは、インターネットを通じて不特定多数の投資家から小口の資金を集めて特定の事業や企業へ投資するファンドです。寄付型・購入型など投資商品とはいえないファンドがある一方、投資型の商品なら分配金収入を中心とした収益獲得を追求できます。ファンドにもよりますが、1万~10万円程度の少額から投資できるものが多いことが特徴です。

・クラウドファンディング/ソーシャルレンディングのメリット

クラウドファンディング/ソーシャルレンディングの主なメリットは、次の3つです。

  • 少額で有価証券以外に実質的な投資ができる
  • 利回りが国債などと比べると高い
  • 元本紹介実績100%の事業者なら信頼できる

クラウドファンディング/ソーシャルレンディングは、1万円程度から投資できるファンドもあるため、少額投資に適している点がメリットです。ファンドの投資先は不動産や事業者向けローン、富裕層向けファンドへの投資などさまざまで有価証券ではない多様な先に投資できます。利回りは、ファンドによりさまざまですが、なかには年率5%を超えるファンドも少なくありません。

またいくつかの事業者は、これまで投資家に100%元本を返済していて損失を引き起こしていません。このように実績充分な事業者であれば、安心して投資できるでしょう。

・クラウドファンディング/ソーシャルレンディングのデメリット

クラウドファンディング/ソーシャルレンディングの主なデメリットは、以下の3つです。

  • 投資に失敗すれば元本が毀損する恐れも
  • 償還まで換金ができない
  • ファンドを購入できるタイミングが限られている

投資型のクラウドファンディング/ソーシャルレンディングは、特定の事業・企業などに出資や融資を行っています。もし投資先の事業運営が失敗に終わった場合、投資家の元本が毀損するリスクもゼロではありません。また多くのファンドは、運用期間が決まっていて期間中は換金ができない点もデメリットの一つです。

証券市場に上場している商品ではないため、ファンドの募集タイミングに限りがあります。投資資金があっても、募集ファンドがなければ投資はできません。

・おすすめのクラウドファンディング/ソーシャルレンディング

初心者におすすめのクラウドファンディング/ソーシャルレンディング業者の一つが、オルタナバンクです。オルタナバンクでは、国内外のさまざま事業に対する融資をファンドに組成しており、多くのファンドが最低投資金額1万円から購入できます。

そのため少額での投資がしやすい事業者といえるでしょう。2024年3月7日時点で183本のファンドを償還済みで、すべてのファンドで100%元本償還の実績があります。1ヵ月程度の短期運用のファンド~数年におよぶものまで多様な運用期間のファンドがあるため、適度な年数のファンドを柔軟に選べることも特徴です。

個人向け国債

個人向け国債は、発行体が日本国となるため、安全性の高い投資先の一つです。利回りは低いものの、日本の財政が極度に悪化して元利金支払いが滞らない限り、償還日まで持ち続ければ額面で返済されます。

・個人向け国債の特徴

個人向け国債は、個人を主な顧客と想定して発行されている国債です。国債は、世界各国で発行されていますが、日本で単に個人向け国債というと日本国が発行する国債を指します。変動金利10年と固定金利5年・3年があり、そのときの国債の金利水準をもとに利率が決定する仕組みです。また、すべての国債で最低金利が0.05%に設定されています。

・個人向け国債のメリット

個人向け国債の主なメリットは、次の3つ点です。

  • 日本が発行しているため元本毀損リスクが低い
  • 1万円の少額から投資できる
  • 預金より高い金利を追求できる場合も

日本国が発行しているため、企業が発行する株や債券よりも低リスクです。保有期間中は、価格が変動する可能性はありますが、償還まで持ち続ければ、デフォルトしない限りは額面で返済されます。また各年限とも1万円の少額から投資が可能です。10万円あれば、ほかの投資先と組み合わせてポートフォリオを形成できます。

2024年3月(第156回)の発行銘柄の金利は、固定5年で0.33%です。市場環境にもよりますが、預金より高い金利で募集する可能性もあります。なお2024年3月7日時点の三菱UFJ銀行の5年定期預金は、スーパー定期の300万円未満で0.07%です。

・個人向け国債のデメリット

個人向け国債のデメリットは、次の2つです。

  • 株や投資信託と比べると収益が出にくい
  • 途中換金するとコストがかかる

国債はリスクが低い半面、リターンも低いことがデメリットです。基本的に安全性重視の投資に適した商品といえるでしょう。また個人向け国債は、途中で換金するとコストがかかります。具体的には、3回目の利払い以降の換金ケースで、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が割り引かれて換金されます。そのため基本的には、償還まで持ち切るのに適した商品といえるでしょう。

10万円での投資に役立つ制度

10万円から投資を始めるうえでは、次の2つの制度を有効活用しましょう。

いずれの制度も非課税や所得控除などで、効率よく資産運用ができます。

iDeCo

iDeCoは、年金に上乗せする形で老後資産形成のために設けられた制度です。iDeCoは、自分で拠出額を決め、金融機関が設定するラインナップから投資先を選んで運用します。毎月の拠出額は、企業年金がない会社員で月額2万3,000円が上限です。10万円を元手にする場合は、数ヵ月かけることができます。

運用期間中は、月額171円(税込)などの手数料がかかる点はデメリットですが、拠出額は全額所得控除となるため、節税効果が期待できる点はメリットです。一方、投資資金は原則60歳まで引き出せないため、注意しましょう。

新NISA

新NISAは年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、総額1,800万円(成長投資枠は上限1,200万円)までの有価証券投資で得た収益が非課税となる制度です。金融庁が選定した投資信託へ投資できる「つみたて投資枠」と、投資信託や株・ETFなどに投資できる「成長投資枠」の2つの制度を利用できます。今回紹介した資産のなかでは、以下の資産で新NISAが活用できます。

  • 投資信託
  • ETF
  • 日本株
  • 米国株
  • ロボアドバイザー(一部の会社のみ)

本来投資の収益にかかる20.315%(復興特別所得税を含む)の税金分が非課税となるため、効率よく資産を増やすことが期待できます。10万円からの投資であれば枠は充分にあるため、投資資金ができたら徐々に積み増していくこともおすすめです。

・つみたて投資枠を活用して少額で積立投資を始めることも有効

新NISAのうち、つみたて投資枠は投資信託(一部ETF)の長期積立投資に特化した制度です。今後少しでも投資資金が継続的に発生する見込みの方は、つみたて投資枠での積立投資を始めるのもよいでしょう。ネット証券であれば、月100円から積立投資が可能な証券会社もあります。

10万円で投資するときの投資先の選び方

10万円で投資するときの投資先の主な選び方は、以下の4つです。

少額投資ができるかどうか

少額から投資ができる資産を選ぶのが第一です。そもそも最低投資金額が10万円を超える商品には、10万円では投資ができません。また投資対象となる最低投資金額が小さければ、それだけ複数の銘柄を売買できるため、10万円からの投資先として適しています。もしくは、ロボアドバイザーのように商品のなかで分散投資される仕組みとなっているものを選ぶことも一案です。

どのくらいのリスクをとるか

許容するリスクの水準を明確にしたうえで、リスクの高さに見合った商品へ投資しましょう。10万円で投資できる資産は複数あり、国債のようにローリスク・ローリターンな投資先からFXのようにハイリスク・ハイリターンな投資先などさまざまです。投資商品のリスクの高さを分析したうえで、自分に合ったリスクの商品へ投資しましょう。

売買しやすいか

売買のしやすい商品を選好するという考え方もあります。投資資金および預貯金が少額しかない場合、想定外に換金の必要性が高まる可能性も出てくるかもしれません。上場株式やETFのようにスピーディに売却できる商品であれば、いざというときにすぐ換金することが可能です。

一方、クラウドファンディングや国債のようにすぐ換金しにくかったり、換金コストがかかったりする商品もあります。そのため投資する場合は、10万円がすぐに必要とならない余裕資金で始めることが大切です。

長期投資か短期投資か

長期投資もしくは短期投資など、おおよその目安を持ったうえで投資先を選別しましょう。投資先によっては長期投資に適した商品と、短期投資も可能な商品があります。例えば国債は長期投資に適していますが、株やFXは比較的短期でも利益を出せる可能性がある金融商品です。自分が考える投資期間に合った投資商品を選ぶようにしましょう。

10万円で投資するときの注意点

10万円の少額から投資する際は、主に以下の3つの注意点を押さえておきましょう。

怪しい投資話に注意

基本的に損失リスクのない投資はありません。高いリターンが見込める投資は、リスクも高いのが一般的です。短期間で大きな利益を稼ごうとすると、つい怪しい投資話に乗ってみたくなるかもしれません。しかし「高いリターンを確実に稼げる」といった商品は、詐欺かそれに近い商品の可能性があるため、甘い話にだまされてしまわないように注意しましょう。

ハイリターンを無理に狙わない

ハイリターンを無理に追求することは、おすすめできません。元手が少ない場合は「短期間で資金を増やしたい」と考えてしまいがちですが、ハイリスクな投資をして相場が思わぬ方向に動けば、大きな損失を被る可能性があります。初心者の場合は、基本的に中長期で着実に資産を増やすスタンスが望ましいでしょう。

どうしてもハイリスクな投資にチャレンジしたい場合は、元本の10万円が大幅に毀損しても問題がないかを慎重に確認してください。

生活資金は残しておく

生活資金を残したうえで、10万円を捻出できることをあらかじめ確認しましょう。10万円以外にまとまった預貯金がないにもかかわらず、10万円を投資に回すことはおすすめできません。想定外の支出増や、ちょっとしたケガ・病気による休業などに対応できるよう、10万円のほかに一定の資金は残しておくことが基本です。生活資金がない方は、焦らず投資を始める前に預貯金を増やしましょう。

10万円で投資するなら少額投資できる投資先を選ぶのが有効

少額投資できる資産は、たくさんあるため、10万円もあれば投資にチャレンジすることは可能です。さまざまな投資先の選択肢のなかから、自分にあった商品を選んで購入しましょう。1万円以下など、少額で投資できる商品を複数保有して分散投資することも選択肢の一つです。初心者の場合は、過度なリスクをとらずに中長期的に着実に増やしていくことが望ましいといえます。

どうしても短期でハイリターンを狙いたい場合は、資金に余裕があることをあらかじめ確認したうえでチャレンジしてください。

北川 真大

金融系ライター・個人投資家

明治大学法学部卒業後、証券会社に入社。入社後すぐに2級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得し、個人営業に従事。証券営業の経験をもとに金融系の記事執筆やKindle出版を開始し、現在はフリーライターとして活動中。日本株、投資信託、暗号資産、不動産を保有する個人投資家でもあり、日本株の投資歴は累計7年以上に及ぶ。

(提供:Crazy Money Plus+