投資初心者は何から始めたらいい?資産運用の始め方も解説

いざ投資を始めようと思っても株や投資信託、FX、暗号資産(仮想通貨)、不動産などさまざまな選択肢が出てくるため、何から始めたらいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。迷っている投資初心者は、月100円から始められて1銘柄買うだけで分散投資ができる投資信託の積み立てから始めるのが無難です。

本稿では、初心者が何から資産運用を始めたらいいのかと資産運用の始め方について解説します。

  1. 初心者の資産運用は何から始めるべき?
    1. 投資信託の積み立て
    2. 単元未満株への投資
    3. iDeCo
  2. 初心者が最も始めやすい資産運用は新NISAでの投資信託の積み立て
  3. 投資初心者向けの資産運用の始め方
    1. ステップ1. 証券会社を選んで口座を開設する
    2. ステップ2. 入金する
    3. ステップ3. 銘柄を選んで購入or積立設定する
  4. 資産運用が始めやすい証券会社
    1. SBI証券:自分に合うポイントが選びやすい
    2. 楽天証券:グループのサービス利用者ならメリットが大きい
  5. 初心者が資産運用の失敗を避けるためのコツ
    1. 少額から始める
    2. 10万円以上貯めてから始める
    3. 投資先を分散しておく
  6. 初心者は投資信託の積み立てから資産運用を始めてみよう

初心者の資産運用は何から始めるべき?

初心者の資産運用は、以下の3つから始めるべきです。

投資信託や単元未満株であれば新NISAで運用できるため、証券会社にNISA口座を開設して始めてみましょう。

新NISAにおすすめの証券会社はどこ?各社の特徴を踏まえつつ解説

投資信託の積み立て

SBI証券
画像引用:SBI証券

新NISAを利用すれば、最大月30万円の非課税枠で投資信託の積立投資が始められます。SBI証券をはじめとした大手ネット証券であれば100円からの投信積立も可能です。投資信託とは、不特定多数の投資家から集めた資金を運用会社(プロ)がさまざまな銘柄に投資して運用する商品のことを指します。

どの商品を選ぶかで信託報酬をはじめとした運用コスト(保有コスト)が変わるため、できる限りコストが低い投資信託を選びましょう。

\低コスト商品の取り扱いが豊富/

投資信託(銘柄)について詳しくはこちら
積立NISAおすすめ銘柄10選!【2023年最新版】初心者も安心の選び方と証券会社比較

単元未満株への投資

SBI証券
画像引用:SBI証券

単元未満株(1~99株の日本株)であれば少額から日本株に投資可能です。日本株は、原則100株単位(1単元)で取引しますが、大手ネット証券を中心に1株からの売買に対応しています。通常では50万~100万円、場合によっては数百万円以上必要な日本株も単元未満株であれば手ごろな金額で始められるでしょう。

【主な単元未満株の最低投資金額】

銘柄名<証券コード>最低投資金額
トヨタ自動車<7203> 3,675円
JT<2914> 3,950円
ソニーグループ<6758> 1万3,460円
※SBI証券では手数料無料のため、手数料は考慮しない
(2024年3月19日終値、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

\単元未満株の手数料無料/

単元未満株について詳しくはこちら
日本株が1株から買える証券会社はどこ?単元未満株(ミニ株)に投資する場合のおすすめを紹介

iDeCo

iDeCoは、新NISAと異なり口座管理料がかかる点はデメリットです。しかし掛金を年末調整や確定申告の際に記載することで全額所得控除となり所得税や住民税の負担を軽減できるメリットがあります。例えば掛金が月5,000円の場合、年間2,052円のコストで軽減できる税金は年間9,000円以上です。

受取時にも所得控除(退職所得控除または公的年金等控除)が使えるため、退職金がない会社員やある程度収入が安定している個人事業主は税制優遇によるメリットがデメリットを上回ります。

【iDeCoの概要】

掛金の限度額
(※)
個人事業主:月6万8,000円
会社員:月1万2,000円~2万3,000円
公務員:月1万2,000円
専業主婦/夫:月2万3,000円
取扱商品投資信託
元本確保商品(定期預金など)
税制優遇運用益の非課税
掛金全額の所得控除
受取時の所得控除
運用期間75歳まで
掛金の引き出し原則60歳から可能
加入時手数料2,829円
口座管理手数料月66円~
拠出時手数料105円/回
※企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入していない人は年1回の拠出も可能
参照:iDeCo公式サイト

\iDeCoの口座数業界No.1/

初心者が最も始めやすい資産運用は新NISAでの投資信託の積み立て

初心者が最も始めやすい資産運用は、新NISAでの投資信託の積み立てです。最低100円から始められ、新NISAのつみたて投資枠で購入できる銘柄であれば購入手数料もかかりません。口座管理手数料もなく、いつでも出金可能なため、iDeCoより気軽に始められます。

【新NISAとiDeCoの比較表】

新NISAiDeCo
非課税投資枠年間360万円年間14万4,000円~81万6,000円
非課税保有限度額1,800万円上限なし
最低投資金額100円
(投資信託)
月5,000円
(年間6万円)
運用期間無期限75歳まで
引き出し可能原則60歳から可能
取扱銘柄数1万銘柄以上(※)35本以下
加入時手数料無料2,829円
口座管理手数料無料月66円~
拠出時手数料無料105円/回
※SBI証券の場合。金融機関により異なる
参照:金融庁iDeCo公式サイト

iDeCoの税制優遇メリットを受けられない専業主婦や、勤務先の退職金が多くiDeCoの運用資産を受け取る際に課税される可能性が高い会社員や公務員は、いつでも出金できる新NISAを選んだほうがいいでしょう。

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投資初心者向けの資産運用の始め方

資産運用は、以下の3ステップで始められます。

ステップ1. 証券会社を選んで口座を開設する

まずは、証券会社を選んで口座開設しましょう。投資信託であれば銀行でも買えますが、株は買えません。また投資信託の取扱銘柄数も証券会社のほうが多いため、証券会社のほうがおすすめです。

【投資信託(つみたて投資枠)の取扱銘柄数の比較】

証券会社 銀行
SBI証券 224銘柄 三菱UFJ
銀行
24銘柄
楽天証券 222銘柄 三井住友
銀行
4銘柄
マネックス
証券
219銘柄 みずほ
銀行
14銘柄
auカブコム
証券
220銘柄 ゆうちょ
銀行
15銘柄
松井証券 224銘柄 りそな
銀行
13銘柄
(2024年3月22日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

証券口座の開設は、マイナンバーカードまたは運転免許証とマイナンバー通知カードがあればできます。証券会社は、手数料など以下4つのポイントから比較して選んでみましょう。

・手数料

【手数料の比較表(税込み)】

※1:新NISAなら単元未満株、日本株、米国株の手数料が無料または実質無料
※2:リアルタイム取引の場合は0.22%のスプレッド(事実上の手数料)が発生
(2024年3月19日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

・取扱商品

【取扱商品の比較表】

(2024年3月22日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
※1 2024年2月5日時点
※2 2022年12月末時点

・ポイントサービス

【ポイントサービスの比較表】

※1:クレカ積立で貯まるポイントはVポイントだが貯まるポイントは6種類から選択可
※2:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を100万円保有した場合で計算
(2024年3月22日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

・ポイント投資

【ポイント投資の比較表】

※Vポイントは積み立てを除く投資信託のみ対象
(2024年3月19日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

ステップ2. 入金する

株を購入する場合は、銘柄購入前の入金が必要です。例えばネット証券の場合、メガバンクやネット銀行からのネットバンキングを利用すれば、手続き後に即時入金できます。銀行窓口から振り込む場合を除いて、振込手数料を無料にしている証券会社が多い傾向です。例えばSBI証券なら住信SBIネット銀行、楽天証券なら楽天銀行と連携すると入金しなくても銀行口座にある資金を使って株が買えます。

なお投資信託の積み立てでは、積立設定後に入金すれば問題ありません。クレカ積立(クレジットカード決済でできる投信積立)の場合は、入金不要です。

ステップ3. 銘柄を選んで購入or積立設定する

あとは、株や投資信託を選んで購入または積立設定をしましょう。投資信託の積立設定をする場合は、決済方法も指定します。クレカ積立に対応している証券会社では、クレジットカード決済または現金のどちらかを決めます。クレジットカード決済を選ぶ場合は、事前に各証券会社でクレジットカードの登録を済ませておきましょう。

銘柄や買い方について詳しくはこちら
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資産運用が始めやすい証券会社

資産運用が始めやすい証券会社は、大手ネット証券のなかでも特に人気のあるSBI証券と楽天証券です。どちらも口座開設数が1,000万口座を突破しており、日本株や単元未満株が手数料無料で取引できます

SBI証券:自分に合うポイントが選びやすい

SBI証券
画像引用:SBI証券

SBI証券は、自分に合うポイントが選びやすい証券会社です。貯まるポイントは6種類から、ポイント投資は3種類(Tポイント、Vポイント、Pontaポイント)から選べます。TポイントまたはPontaポイントを選べば、投資信託だけでなく日本株、単元未満株に1ポイントから使えます。取扱銘柄数や商品ラインナップも豊富なので、複数のポイントを使っている人はSBI証券を選びましょう。

\貯まるポイントが6種類から選べる/

SBI証券について詳しくはこちら
SBI証券で口座開設するメリットを紹介

楽天証券:グループのサービス利用者ならメリットが大きい

楽天証券
画像引用:楽天証券

楽天証券は、楽天グループのサービス利用者ならメリットが大きい証券会社です。楽天カードでのクレカ積立に対応しており、貯まった楽天ポイントは投資信託、日本株、単元未満株、米国株の投資に使えます。

楽天銀行との連携(マネーブリッジ)で「普通預金金利が最大0.1%(300万円まで)に上がる」「条件達成で楽天市場のポイント還元率が最大1.0%上がる」など、楽天グループとの連携でさまざまな特典が受けられます。楽天会員やこれから楽天のサービスを使おうと考えている人は、楽天証券を選びましょう。

\楽天グループのサービス利用者におすすめ/

楽天証券について詳しくはこちら
楽天証券のメリットやデメリットは?つみたてNISAにおすすめな理由や口コミ・評判も

初心者が資産運用の失敗を避けるためのコツ

初心者が資産運用の失敗を避けるためのコツが3つあります。

少額から始める

投資は、少額から始めましょう。最初にトラウマを感じてしまうほどの損失が出ると嫌になって見向きもしなくなるかもしれません。意欲が落ちて投資をやめてしまうと、利益を得るチャンスも逃す可能性があります。最初から投資でうまくいく人ばかりではないので、投資したお金が半分になったとしても「もう一度やってみよう」と思えるくらいの金額で始めるのが無難です。

10万円以上貯めてから始める

少なくとも10万円以上貯めてから投資を始めましょう。冠婚葬祭やスマホの故障など、急にお金が必要になった場合に株や投資信託を売って賄う状況では、資産運用がうまくいきません。損をしているタイミングで売らなくても済むように、最低でも10万円以上の現金は残したうえで投資を始めましょう。

投資先を分散しておく

最初は、できる限り投資先を分散しましょう。集中投資のほうが儲かることは事実ですが、株価が上がる銘柄をピンポイントで当てるのは難しいです。株に投資する場合でも、少なくとも3~5銘柄くらいに分散しましょう。例えば投資信託であれば、1銘柄買うだけで多数の日本株や外国株などに分散投資ができます。

初心者は投資信託の積み立てから資産運用を始めてみよう

投資初心者は、投資信託の積み立てから資産運用を始めてみましょう。ネット証券であれば100円から投資できるところも多いため、誰でも始めやすく分散投資もしやすい傾向です。投資信託の積み立てをするなら、取扱銘柄数が豊富でポイントサービスも充実しているSBI証券を選びましょう。三井住友カードがあれば、クレカ積立でVポイントも貯められます。

\ポイントが6種類から選べる/

北川 真大

金融系ライター・個人投資家

明治大学法学部卒業後、証券会社に入社。入社後すぐに2級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得し、個人営業に従事。証券営業の経験をもとに金融系の記事執筆やKindle出版を開始し、現在はフリーライターとして活動中。日本株、投資信託、暗号資産、不動産を保有する個人投資家でもあり、日本株の投資歴は累計7年以上に及ぶ。

(提供:Crazy Money Plus+