全国調理食品加工業厚生年金基金
(クレジットなし)

2月23日、全国調理食品加工業厚生年金基金は2月20日開催の代議員会において「解散の方向性」が決議されたことを発表した。

同基金は、2013年6月の厚生年金制度の見直し法案の成立を受け、厚生年金基金としての存続を含めた対応を検討していたが、現在の制度維持は困難であることから「解散の方向性」を決議した。

解散の方向性を決議したことに伴い、運用環境の変化に伴う資産の減少を回避のために保有する資産を全て現金化することを決定。また、すでに昨年11月に最低責任準備金の一部145億円を国へ返還していたが、国に対する債務を軽減するために15億円を追加で返還することを決議した。

同基金は、過去5年で加入員数が300名減少したのに対し、受給者は1,100名増加、掛金収入は2,200万円増加する一方で、年金給付金は3億4200万円と大幅に増加していた。

同基金の解散に伴う費用の金額と業績に与える影響については現時点で不確定要素が多く、合理的な見積金額の算定ができないとしている。また、今後は企業年金連合会等と加入員、受給者等の年金記録の整理を行い、解散へ向けての準備を行っていく。

2012年2月に表面化したAIJ投資顧問の詐欺事件を機に施行された「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」により、厚生年金基金の存続には厳しい基準が課せられ、一定の基準が満たせない基金は5年以内に解散することが定められており、すでに多くの厚生年金基金が、解散または解散の方向性を決定せざるを得ない状況となっている。

厚生年金基金は、いわゆる年金の「3階」部分(1階が国民年金、2階が厚生年金)に相当する。基金が払う年金は「国の厚生年金の一部を代わりに支払う額」と「基金独自の年金」の合計額となる。

通常、厚生年金基金が解散した場合には、基金は「国の厚生年金の一部を代わりに支払う額」に相当する財産を国に返還する。その後、残った財産がある場合には、現役社員やOBなどの関係者に「分配金」として支払い、清算をすることになる。

(ZUU online)

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