M&Aによるネットワーク拡大が最大の成長ファクター

物流業界が国を超えたネットワークを急激に拡大させるためには、自前でいちからネットワークを拡大するよりも、不足エリアで競合相手を買収することで短期間で一気にネットワークを完備してしまう戦略に舵を切る企業が殆どとなっている。

それほど物流業界は世界レベルでクイックプラグインを必要とするスピード感のあるものとなっていることがわかる。フェデックスの買収が承認されれば、次にターゲットはさらに広域のアジア圏へと拡大していくとみられる。


日本郵便もトールの買収で海外事業の拡大に着手

一方、こうした物流大手の動きを見ると思い出されるのが2月に発表された日本郵便によるオーストラリア物流大手トールホールディングスの買収である。今秋に上場を予定している郵政株の価値を上げるのが狙いとみられる。

買収価格は64億8600万豪ドル(約5979億円)で、円安のタイミングに時価より50%も高い価格で本当に値打ちのある買い物かという指摘もあるものの、トールは、アジアパシフィック地域で高いプレゼンスを持ちながらも日本郵便とのビジネス上の重複部分がほとんどなく、グローバルなフォワーディング(他の物流会社を含めた一貫した物流)も確立されており、多国籍企業経営にも長けている。