評価の高まる「クラウド企業」

今年1月、カリフォルニア州ロスアルトスを拠点とするクラウド企業「Box」が、ニューヨーク証券取引所に上場した。実は同社は2014年にも上場を試みていたのだが、当時同社が投資時期にあったことが事業モデルの収益性への懸念を呼び、「長い準備期間」を強いられていたものだ。

また、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は、米半導体大手インテルとの提携を拡大し、世界の通信事業者向けにクラウドコンピューティングを提供すると発表した。中国はかねてよりクラウド技術を重視する姿勢を示しており、同国企業がIBMやヒューレット・パッカード(HP)などの米国の大手ハイテク企業との連携を深めていることも見逃せない。


国内のクラウドセキュリティ関連企業

海外でクラウド技術が注目を浴びる中、国内企業の動きも見逃すわけにはいかない。特に注目したいのが、クラウドコンピューティングの増加に伴い、ニーズが高まるとされるセキュリティ関連企業の動向だ。

オープンソースソフトウェアと並んでクラウドコンピューティングに軸足を置くサイオステクノロジー <3744> は、クラウド環境下でITシステムの障害を未然に防ぐソフトの開発を進めており、IT管理コストを節減したい各企業からの注目を集めている。

デジタルアーツ <2326> は、クラウド型ウェブフィルタリングサービスやメールセキュリティソフトなどを販売しており、今後増加すると考えられるサイバー攻撃や、個人情報の漏えいなどに対応している。

ソフトウェアテストを手がけるSHIFT <3697>は、4月上旬、サイバーセキュリティ領域において国内で独自の研究開発を展開しているFFRI <3692> と業務提携契約を締結し、セキュリティテスト分野での協業関係を深めていくことに合意した。同社はソフトウェアの「品質」という観点から、情報セキュリティ分野への本格的な進出を進めていくとのことだ。

これからのビジネスを大きく変えていく可能性を秘めたクラウド技術を支えるセキュリティ。それだけに、着実かつ健全な発展が強く望まれる。

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