6月16日、トヨタ自動車の株式総会で、事実上「元本保証」となる譲渡制限付きの個人投資家向け新型種類株の発行が承認された。トヨタが発行するこの「AA型種類株式」とは一体どういったものなのか。

まずは発行価格だが、普通株式の2割増しとなる。議決権は普通株式と変わらず、配当に関しては、発行価格に対して初年度が年率0.5%となり、その後毎年0.5%ずつ上昇し5年度目以降は2.5%となる。

さらに5年経てば普通株式と1:1での転換できる権利と発行価格での取得をトヨタに請求できる権利がついている。つまり、5年後にトヨタの株価が発行価格を超えていれば、普通株式に転換して売却することで値上がり益を得ることができる。

逆に発行価格よりも株価が低くてもトヨタに発行金額での取得を請求することで元本が事実上保証されるという仕組みだ。ただし、この新型株には「5年間は売却できない」という制約が付けられている。そのため、すぐに換金する必要が出てきそうな資金を投じるのは避けた方がよい。

トヨタが種類株式を発行する理由としては、個人投資家の持ち分が少ない現状を改善し、より多くの個人投資家にトヨタ株を保有してもらう狙いがあるとされている。

「AA型種類株式」は、株式の主要リスクの多くをカバーするものだ。「AA型種類株式」では5年間保有しさえすれば事実上の元本保証がなされるので、5年後に価格が下落するリスクは考えなくてよくなる。

またトヨタが5年以内に倒産する可能性も極めて低いと思われるため、「AA型種類株式」は「成長する可能性を秘めた預金のようなもの」と考えればわかりやすいだろう。5年たてば事実上の元本保証がなされるとともに、トヨタの株価が大幅に上昇した場合、高い利回りを得ることも期待できるからだ。

まとめると、トヨタがむこう5年で倒産しない限り「事実上の元本保証」がなされるのがこの株の最大のメリットだと言えるだろう。

この「AA型種類株式」は来月24日に野村證券のみから発行する予定だ。

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