「お勧め情報収集術~金融機関発行のレポートの読み方1~」 では、レポートの中でも個別銘柄を分析している「アナリストレポート」を読むメリットについて述べました。
今回は、実際のアナリストレポートにはどのようなことが書かれているのかをまとめ、具体例を交えて、利用方法の一つをご説明します(ここで挙げる具体例は、全て特定の金融機関の口座を開設すれば無料で見ることが可能です)。


【アナリストレポートの構成】

まずアナリストレポートに書かれている内容ですが、主要項目を挙げると以下のようになります。

◯共通項目

・会社概要:その会社の事業内容・規模・形態など。要するに、 「何をしている会社なのか」「今どのような状況か」という基本情報 です。四季報の記事をより詳しく説明し、さらに最新情報を付加したものと考えると分かりやすいかもしれません。

・業績動向:売上、利益などの推移や見通し。ほとんどの場合、 決算発表の解説 となります。

・リスクファクター:今後の株価に(悪)影響を与えることが予想される事柄。

◯独自項目

・トピックス:株価に影響を与えると思われる最新ニュースの解説。

・投資判断:今後の株価の展望とその理由。よく使用される表現は、良い順に「買い/強気/中立/弱気/売り」。この項目を見るには、注意して欲しい点がいくつかあります。まず、そのアナリストレポートの発行日と、目標とする投資期間を確認すること(特に記載がなければ、次の四半期の業績発表まで)。また、 プロの意見だからと言って正しい判断である保証は無いので、鵜呑みだけはしないでください

・事業環境:その会社が属する業界全体の展望、競合他社との収益比較など。個人投資家には調べることが困難であるため、 もしこの項目があれば、目を通すことをお勧めします

どのアナリストレポート作成元でも共通して記載している【共通項目】、作成元によって内容が異なる【独自項目】に分けて掲載しています(どの会社がどの項目を載せているかについては、次回以降の記事にてお伝えします)。

分量の多いアナリストレポートでは20ページを超えるものもあるので、 必ずしも全てを読む必要はありません 。ご自分の投資理念に合わせて必要な部分だけ読めば良いと思います。
尚今回は、 多くの投資家がチェックしている、業績動向について詳しく解説しておきます