techkids
(写真=HPより)


母親へのアンケートでも「習わせたい」にランクイン

今、子供にプログラミングを習わせたい親が急増している。

ケイコとマナブ.netの調査が母親を対象に行った調査でも、子供に始めさせたい習い事のランキングで、今年初めてプログラミングがランクイン(小学校高学年)。

GoogleやAmazon、AppleなどIT企業が大きく成長している欧米では、プログラマーは稼げる仕事として認知されつつある。たとえばあるランキングでは、Ruby on Railsのプログラマーは平均年収が1300万円といわれることも影響しているのかもしれない。

終身雇用制が崩壊し、「いい大学」に入れば「いい会社」に入ることができ、将来安泰という時代は終わった今、親が子供に身につけさせたいのは、学校での試験で高い点を取る力ではなく、数字に強い論理的思考や課題解決能力、ないものを作るという創造性であり、要は「グローバルで通用する人材」になって欲しい——ということだ。

またアベノミクスの成長戦略の素案にも、義務教育段階からのプログラミング教育などが取り入れられていることも、プログラミング教室増加の背景にある。

子供向けのプログラミング教室のなかからいくつか紹介しよう。


「Tech Kids」 サイバーエージェントが展開、長期休みにはキャンプも実施

techkids
(写真=HPより)

サイバーエージェント <4751> が運営する小学生対象のプログラミングスクール。継続的に学習するスクール形式のTech Kids Schoolとワークショップ形式のTech Kids Campがある。

Tech Kids Schoolには、Scratchゲーム開発コース、iPhoneアプリ開発コース、Webアプリ開発コース、2Dゲーム開発コースの4つのコースが設けられており、2〜3人に1人の講師がつく。

ちなみに「Scratch」(スクラッチ)とは学習用に開発されたプログラミングツールだ。毎週または隔週から好きなサイクルを選択できる。特徴は、「自らのアイデアを実現する力を身につけること」を目標にして、「論理的に考え、実行、そしてトライ&エラーを繰り返しながらそれを実現」していくやり方だ。カリキュラムには自分の作品をプレゼンテーションすることが含まれていることも面白い。

Tech Kids Campのほうは、夏休みなどを利用して短期間で体験的にオリジナルアプリやゲーム開発を学ぶ形式のもの。難易度により3〜7日のコースがあり、全国8カ所で開催されている。


「TENTO」 PythonやJavaも学習 埼玉や横浜にも展開

tento
(写真=HPより)

小学1年生からはスクラッチ、4年生以上はPython(パイソン)やJava(ジャバ)などを学ぶ本格的なスクール。教室も新宿や自由が丘、府中、横浜、川口など都内に限らず展開している。原則的に毎月4回(自由が丘は月2回)、1回あたり90分から105分の授業。


「QREMO」 3Dプリンターなどを活用、モノづくりに注力

qremo
(写真=HPより)

就労支援事業所や学習塾などを営んでいるLITALICOが運営。プログラミングやロボット、3Dプリンターを活用したデジタルファブリケーション、デザインなど、最先端のモノづくりにも力を入れており、元グーグルの村上憲郎氏、チームラボの猪子寿之氏らも推薦コメントを寄せている。

初級ではスクラッチやGameSaladといったソフトを使い、シューティングゲームやオリジナルのスクロールゲームを作る。中・上級ではHTML5やunityなどを使って、本格的なゲーム開発を行う。 教室は渋谷と川崎。

いずれの教室も体験することができるので、まず一度訪れてみるといいかもしれない。


プログラム学習本も増えている

プログラミングを自力で学習するとなると大人でもなかなか難しいものだったが、紹介した教室でも採用されているスクラッチというプログラミングツールが世に出たことで状況が変わった。

スクラッチは米MITが開発した学習用のプログラミングツールで無償で提供されている。これを使えばプログラム言語の文法を知らなくても、プログラミングのロジックを習得することができる。

このScratchを中心に、自宅でも学習が可能な良書も増えてきているので、こちらも代表的なものを紹介したい。


『小学生からはじめるわくわくプログラミング』(日経BP社、阿部 和広)

book01

国内のScratchプログラミング第一人者でもある阿部 和広氏の、Scratchを素材としたプログラミング教育の本。サンプルプログラムが中心の実践的な内容で、小学3年生程度なら独力でプログラミングができるようになる。

サンプルが国語や算数などの学校の教科に沿っていたり、解説も小学生でも十分理解できるものであることが特徴。分かりやすい内容だが、大人でも楽しめるレベルのものだ。


『5才からはじめる すくすくプログラミング』(日経BP社、橋爪 香織ほか)

book02

さらに年齢層が下の5歳〜小学校低学年向けのもの。Scratchをさらに分かりやすくしたScratch JrというiPadアプリを素材としている。

アプリを作るという実践的な内容は前出のものと同様だが、すべてひらがな表記であったり、物語形式で話しが進められたりと、より低年齢層が集中しやすい工夫がなされているのが特徴。独力で学ぶというより、親子で一緒に楽しみながら自然と身に着けていくという使いほうが良いだろう。


「RaspberryPi」を使った本など他にも人気本多数

他には、手軽なPCボードである「Raspberry Pi (ラズベリーパイ)」を使ってScratchやMinecraft(プログラミングが可能な箱庭ゲーム)を動かしながら学習ができる『Raspberry Piではじめる どきどきプログラミング』(日経BP社、阿部和広ほか)や、自作のゲーム作りに特化した『ゲームで遊ぶな、ゲームを作ろう!スクラッチ2.0アイデアブック—ゼロから学ぶスクラッチプログラミング』(カットシステム、石原 正雄)などが人気を集めている。 (ZUU online 編集部)

【関連記事】
先輩ビジネスマンが伝授、海外出張の「これだけは抑えておけ」の必需品4選
今、FXでの高金利通貨投資が面白い!ハイブリッドな投資戦略はコレだ
不動産投資の成否を分ける「減価償却費」2つのポイントとは?
証券業界に革命?「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」に注目が集まる理由
「ミドルリスク・ミドルリターン」?株や預金などとの比較から考える不動産投資