中野信子: こうした、意識の問題はよく議論されています。「人間の身体と心は別物です」との誤解や逃げる議論がわりとあるのですが、実は末梢のフィードバックが脳の意識をモジュレート(調節)してしまうことは非常によくあるんですね。
例えば、笑った口の形をつくるだけでおもしろく感じてしまいます。ほかにも、ちょっと力強いポーズをするだけでやる気が出るということも、実験的にも確かめられています。そういった中で二つを切り離して考えることは非常に難しいんです。

中野信子 (写真=ZUU online編集部)

中野信子: 実は自分の身体と他の人の身体も別々であると認知していますが、それですら脳が働いてるから起きることです。現実には、混線しているようになり、「あれ林さん、どうして私の手をいじってるんですか?」となっちゃうこともあるんです。この混線は別に、実際につながっているわけではないのですが、身体が「ここまで」と認知している領域があるんです。その領域がこわれると自分の身体が自分の身体と思えなくなったり、逆に他の身体が自分のもののように思えたりすることが起きるわけです。
二人羽織みたいに、他の人の腕が自分の腕のように感じることがあるんですね。
そういう自分のものでは本来ないものが、あたかも自分のものであるように(脳内に)マップされることも、結構簡単にできてしまうんです。そういうことは実は、脳がちゃんと計算しているからできることです。ロボットにおいては、上手くモジュレートすると、すごくユング的な、「集合的無意識」のようなものがある世界ができてしまったりします。

堀江貴文: そういうところに意志が生まれてくる可能性もあるのではないかと思っています。自分の意識って、自分が自分であるかって、最初はそうじゃないわけじゃないですよね。そのうえに、自分回路ができて、ずっと自分が自分であると毎日、思い込んでいるから自分を自分だと認識することになるわけです。