分散投資
(この記事は「マイアドバイザー」に掲載されたものです。提供: My-Adviser.jp グラフ= HPより )

投資でリスク回避の効果的な方法の一つとして分散投資が挙げられます。その中でも株式と債券は相性の良い組み合わせと言えるでしょう。 そこで株式と長期国債に投資した場合のリスク低減効果について考えてみます。

2004年末に株式と債券に投資をし、2013年末までにその時価の値動きがどのように動いたのかシュミレーションを行ってみました。

手法は次の通りです。元本として100万円。株式は日経平均をそのまま保有、債券は10年物国債を購入し1年後に時価で売却。株式とのリスク分散効果を高めるためのこのような運用を仮定しています。国債の売却価格は本来では、残存期間9年の国債の時価を使うべきでしょうが、データ収集の関係から残存期間10年をそのまま使っています。

手数料、税金等は一切考慮していません。細かく言えば現実の取引と完全に同一というわけにはいきませんが、これでもリスク分散効果を見ることができると思います。

グラフは①全額株式に投資した場合、②全額国債に投資した場合、③株式に30%そして国債に70%投資した場合、④は③の割合で毎年1年経過したときにリバランスを行った場合、を表しています。上記投資の収益計算とグラフは筆者が作成しています。


運用を効果的にするリバランスとは?

株式と国債の収益率は当然違いますので、1年経過すると両者のバランスが当初の30:70から変動します。割合が高くなった方を売り低くなった方を買うという方法で30:70に調整するという手法です。これによって、相対的に高くなった資産を売り安くなった資産を買う、という効果が出ます。

グラフでは、2004年末から2013年末までの株式100%の収益率が41.8%と一番高いですが、変動(リスク)も随分と大きいことがわかるかと思います。国債100%では変動は少ないですが収益率は18.77%と低くなっています。

一方、株式30、国債70の分散投資ですと、株式100に比べて変動はかなり緩和され、収益率はリバランス無で25.68%、リバランス有で35.82%となっています。特にリバランスを行った運用が非常に効果的でした。

ただしこの時期は郵政解散やアベノミクスによる株価の急騰、リーマンショックによる株価の暴落など、株価の変動の大きな時期に重なったことも有りますので、常にこのような結果になるとは限りません。

では、なぜ株式と債券の組み合わせの相性が良いのでしょうか。