「お薦めの投資法を教えてください」とプロに聞いても質問者や回答者によって答えはさまざまである。そこで、30~40代男性をモデルに投資資金やライフステージを設定し、そのパターンごとにお薦めの投資法をプロ4氏にアンケートで尋ねてみた。
回答者は、個人向けに投資講座などを開くアルゴナビスの清水洋介社長、ファイナンシャル・プランナー(FP)の伊藤亮太氏、SBI証券シニアマーケットアナリストで「相場の福の神」の愛称で知られる藤本誠之氏、生活経済情報研究所ビューズの木村佳子社長となっている。4氏に質問したのは次の4パターンで、今回の記事ではこのうち①、②の回答をご紹介する。
①100万円を1年で増やすなら
②30代前半、独身、サラリーマン、投資資金:100万円
③30代半ば〜40代半ば、既婚、サラリーマン、子ども(18歳未満)2人、投資資金:300万円
④30代後半〜40代前半、独身、一流企業勤め、投資資金:500万円
最初はライフステージに関係なく「①100万円を1年で増やすならどのような投資をお薦めしますか?」という質問を4氏にぶつけてみた。
「増やす」感覚を得られるのは
「銀行預金は金利がゼロに等しく、投資信託では株主優待はありません。もちろん元本割れリスクがありますが、『増やす』と言う感覚が得られるのは株式投資が一番いいと思います」と回答したのは清水氏。配当利回りや株主優待などがあることも利点で、NISA(少額投資非課税制度)で買えば配当や値上がり益も非課税となる。「業績が好調ということであれば1年間であれば利益が出る可能性が高い」という。
FP伊藤氏は、しっかり働く(収入を得る)ということを前提とした上で、日米の個別株式もしくは投信を購入することを薦める。「日本株の中にはまだ割安なものもあるし、業種によっては過去最高といったものもあるので今後伸びる余地はある。また、米国は『利上げ=正常化』のため、利上げがある前に購入しておくとメリットがあるかも」とのこと。もちろん、投資だけではなく、しっかり稼ぐことも忘れずに、と強調する。
木村氏は100万円のうち投資に回すのは20万円で、80万円は貯金した方がよいとの考えだ。20万円の投資先としては、「指数連動型ETFで日経平均株価が大きく値下がりした翌日の日だけ、指数連動型のETFを買う。翌日も大幅に下がったら、また翌日、買い増しをする。それを大幅に上がった日に売る。この繰り返しを機械的にする」という。資産が100万円以上に増えても80:20の比率は変えないことがポイントであり、たとえ総資産が110万円になったとしても88万円は貯金、22万円は投資という方針を貫く方がよいそうだ。