営業の会社からITカンパニーへ

2014年にはついに上場を果たし、今ではグループ連結の売上高は1兆円を超えている。この規模になってなお成長を続けられている背景にあるのが、「ITカンパニー化」だろう。リクルートテクノロジーズがグループ内主要事業会社の事業を、IT、ネットマーケティングのチカラを使って推進する役割を果たしている。

もともと営業力や、紙媒体の強さで知られていたリクルートだけに、ネット時代に対応できるのかどうかは注目されていた。実際、2000年代後半には主要ビジネス誌の記事でネット時代に同社が勝ち残れるのか検証した記事も掲載されていた。

その意味では、同社は見事にIT、ネット時代に対応して新たな会社に生まれ変わったといえる。同社のITサービスの中で最近注目されたものだけでも「受験サプリ」、店舗業務支援アプリ「Airレジ」などいくつもある。

またビッグデータが注目されている現在、リクルートテクノロジーズを中心にグループではさまざまなライフイベントに関する有用な情報を、効果的に消費者に届ける仕組みづくりにも注力している。たとえば『ゼクシィ』の読者に数年後に出産・育児情報を送るといったことも、ビッグデータの活用で可能になる。

これらの例からも分かるITカンパニー化は、若者から大きく支持されている要因といえるのではないだろうか。


「自ら機会を創りだし、機会によって自らを変えよ」の精神

こうした変化を遂げている一方で、変わらない点もあるようだ。

『リクルートという奇跡』の著書で、江副氏の下で長く働いた藤原和博氏はリクルートの最大の強みを「リクルートマンシップ」といい、「自ら機会を創りだし、機会によって自らを変えよ」の精神が受け継がれていることと言い切る。これは1968年に江副浩正氏によって作られた社訓だが、リクルート事件を経て、1989年に公式な社訓ではなくなった。

今なお生きているこの精神があってこそ、同社はビジネスの領域を変化、拡大して成長を続けることで大きく変ぼうを遂げることができたのかもしれない。(ZUU online 編集部)

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