インターン
(写真=PIXTA)

ここ数年で増加の一途をたどるインターンシップ。就職白書2015でも、企業サイドは2013年度にインターンシップを実施した企業は43.5%と12年度の39.0%より4.5ポイント増加。学生サイドも同様に、インターンシップに参加した学生は23.9%と 2013年卒の17.4%よりも6.5ポイント増加と、どちらも増えている。


インターン経験学生のほうが内々定率は高いという調査

文部科学省などが定めた「インターンシップの導入と運用のための手引き」によると、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」。多くが1週間前後、長いところで1~2カ月、短いところでわずか1日というのもある。

就業体験を行って、仕事への価値観を養ったり、意識を高めたりするのが本来のインターンシップだが、学生側にとっては「就職に有利そうだから」というのも偽らざる本音だ。実際のところ、インターンシップに参加すると就職に有利なのだろうか。

就職情報サイトの大手がインターンシップの参加の有無で内定率に差があるのかを調査したところ、参加した学生の内々定率は、不参加だった学生の内々定率よりも8.5ポイント高いことが分かっている。参加した学生が優秀だったのか、それともインターンシップが有利に働いたのかは分からないが、学生にしてみれば「参加しておいたほうがいい」と考えるのは当然だろう。

このインターンシップについて、ライフネット生命保険の岩瀬大輔社長の発言が注目を集めている。「受け入れた学生に名刺のExcel入力を任せたら2週間ほどで辞めてしまった」という話に賛否両論が巻き起こったのだ。


2週間、名刺の入力作業をさせられたことが理由?

話題の中心人物である岩瀬氏は、東大在学中に司法試験に合格、ボストンコンサルティンググループ、リップルウッドと経歴を積んだ後、ライフネット生命の立ち上げに副社長として参画、現在は社長を務めている。

ことの次第はschooの取材に対して岩瀬氏がインターンシップの学生を受け入れた話に始まる。岩瀬氏は「ある学生がどうしてもインターンシップさせてほしいって言ってきたんですね。ドアの前で待ち伏せされるぐらいだったんで、しょうがないから『じゃあちょっとだけ手伝っていいよ』って言ったんですよ。それで『とりあえず僕が持ってる名刺を全部Excelに入力して』って言ったんですね。お客さんとか色々な知り合いの名刺です」と話している。

その学生が2週間経った頃、突然「辞めたい」と言い始めたという。そのことについて岩瀬氏は「その学生は『自分はマーケティングとかそういう仕事をしたかったのに、何でこんな永遠に名刺を入力しなきゃいけないんだ』って言って辞めていった。もったいないなって思ったんですよ」と振り返る。

自分の名刺は取引先や顧客の情報が詰まっているので、例えば地域別と業種別に分けたりすれば単純作業でも楽しめるはずだ、単純作業でも作業する側の進め方や着目点によってどんなふうにも変わるはず、というふうに話を締めくくっている。