激務なコンサルタントでありながら、不動産投資家として本業の年収の何倍もの金額を稼ぎ、“億超え”の資産を築く。連載『資産“億超え”の兼業投資家が教える「時間レバレッジ」のかけ方』では、石川貴康さんがいかにして時間を生み出し、資産を増やし続けているのかを実例を交えて紹介してもらう。

第11回のテーマは「やらないことを決める」である。石川さんは「やる必要のないこと」は徹底してやらないと決めているという。自分にとって真に重要なことに時間を使うために、まずは「やらなければならないこと」「やる必要のないこと」を取捨選択することから始めたい。

やる必要がないことはやらないを徹底する

(画像=PIXTA,ZUU online)

世界には情報とやるべきことがあふれている。仕事上の付き合い、友人との関係も大切だ。いくら効率化しようとも、時間を拘束されてしまえば、効率化も吹っ飛んでしまう。あふれる情報におぼれて、時間を浪費することが習慣化してしまう。

時間の効率化以前に、まず、何をやらなくて何をやるのか、選択が重要になる。特に「やらない」と決めることは重要だ。「やらない」とは、ECRSの回で説明した「E:Eliminate:やめる」である。やめてしまえば、ゼロになるのだから。

物事には、やらなければならないことと、やる必要のないことがある。まず、やる必要のないことは徹底的にやらないことだ。下記の表は私の例である。


   
   
   
対応方針理由具体例
絶対にやらない 時間を使う価値がない ・単なる同僚同士の飲み会
・流れで行く“だべる”集まり
・TVを見る
・ゴルフ
アウトソーシングする 自分でやる必要がない   ・不動産の管理
・金融投資
自分でやる 自分しかできない、自分がやらなければ無理   ・コンサルティング
・会計
・ビジネス交渉
・重要な飲み会

私は、目的のない飲み会には100%行かない。時間の無駄だからだ。私は個人主義者で、人と集まることに何の喜びもない。学校でも、会社の同僚でも、プロジェクトでも、地元のグループでも、そこに所属していることに対し、なんらかの感慨を抱くことはない。

自分が帰属する組織・団体や自分がそこに所属することを誇らしく思う人もいるが、私はまったくそう思わない。そのような“お札”が通用するのは、ごく限られた閉塞した空間だ。例えば、どこそこ高校とか大学の出身だとうれしそうに言う人がいるが、そんなのは日本国外に出てしまえば誰も気にしない。

私の仕事において、出身大学など聞く人もいない。仕事上、無意味だからだ。実力勝負の世界では、実力が評価基準だ。

友人関係や仕事関係で、なんとなく流れでカフェに行ったり、飲みに行ったりすることもあるだろうが、私は絶対に参加しない。そこではせいぜい噂話や愚痴、思い出話をする程度で、私には意味を感じない。

自分にとって意味がないという点ではTVもそうだ。私はTVを見ない。じつは、新聞も雑誌も読まない。情報が遅いし、書き手によってバイアスがかかっている。こうしたメディアに触れている時間は無駄だ。必要ならネットで探して、本で調べ、人に会いに行くというように、自分でトライして学んだほうが早いし、身になる知識が得られる。

それから、ゴルフ。ゴルフは絶対にやらない。人によっては商談上必要な人もいるだろう。そのような人は活用したらいい。しかし、私は人との親密度で仕事を取る必要がない専門職だ。技術と結果への評判で仕事を取るので、わざわざ時間を使って人と親密になる必要はない。

重要なことは、自分にとってやる必要がないことは、やらないと決めることだ。やる価値がないことに時間を浪費している場合ではない。私の例は極端化もしれないが、やらないと決めることは、人により価値観や重要なことが違うので、人によってやらないと選択する項目は異なるだろう。

「やらなければならないこと×自分でやる必要がないもの」はアウトソーシングする

やらなければならないこともある。そうした事柄でも、あえて自分でやらなくてもいいことは、自分の時間を使ってまでやらないことだ。これはアウトソーシングの回で書いたことなので、ここでは詳しく書かない。

私の場合は不動産の管理や金融投資が「やらなければならないことだが、自分の時間を使ってやってはいないこと(アウトソーシングすること)」だ。というのも、私は不動産管理業をしているのではなく、不動産投資をしているのだ。物件の掃除や入退去への労働の投入は委託で済ませる。私は意思決定だけを行う。