激務なコンサルタントでありながら、不動産投資家として本業の年収の何倍もの金額を稼ぎ、〝億超え〟の資産を築く。連載『資産〝億超え〟の兼業投資家が教える「時間レバレッジ」のかけ方』では、石川貴康さんがいかにして時間を生み出し、資産を増やし続けているのかを実例を交えて紹介してもらう。

第7回のテーマは「ECRS(イーシーアールエス)思想を習慣付ける」である。「Eliminate:やめる」「Combine:統合する」「Re-arrange:やり方を変える」「Simplify:単純化する」の頭文字をとった「ECRS」は、もともと製造現場の生産性アップのために用いられた考え方であるという。石川さんは実生活にどのように生かし、自分の時間を生み出しているのだろうか。

日本のものづくりを世界最高レベルにした「ECRC思想」

時間レバレッジ
(画像=Yuriy Maksymiv/shutterstock.com,ZUU online)

「ECRS」は時間を効率化する際のキャッチフレーズだ。もともとは、時間の短縮化や高密度化、高速化、高サイクル化を生み出すために作られた技術「IE(Industrial Engineering)」の中で使われる考え方である。

私の本業は、大企業をクライアントとするコンサルタントだ。初期の頃は、効率化を中心とした業務改善コンサルティングを行っていた。

製造業で行われる改善の指標は「時間」である。富の源泉は「時間」だ。価値を生まない無駄な時間をいかに減らすか、使った時間の効果をどれほど高められるか、スピードやサイクルをどこまで早くできるか、といったことが常に求められているのである。

IEとは作業を無駄なく組み立てるデザインの手法であり、その中で重要なキャッチフレーズとなるのが「ECRS」なのである。もともとはフォードの生産改善で使われ始めた手法で、後に日本に導入され、日本の製造工場の効率アップに貢献した。IEに改善技術を組み合わせた日本の製造工場は、世界最高レベルの効率を生み出してきたと言っても過言ではない。

日本企業の改善技術は今も世界中の企業に指導ができるレベルだ。この技術や知識は何も製造現場だけのものではない。どんな個人の日常的な時間マネジメントにも応用できるものなのだ。

1.時間を生み出す第一歩は「Eliminate:やめる」

まず、「Eliminate:やめる」である。製造業は時間を使うことで、モノが作られていく。時間を使うと人件費がかかってコストになる。時間を短縮しようと考えたとき、そもそも使うつもりだった時間そのものをなくしてしまえば、その時間を使わないという意味で、最高に効率化されるのだ。