本記事は、飯田 剛弘氏の著書『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

「デジタルカレンダー」で管理すると「忘れ」が減る
「今日は、やるべきことを終わらせて定時で帰るぞ!」と気合を入れて仕事をはじめます。
順調に仕事をこなして、さあ帰ろうとしたときに、「あ、しまった」。タスクの対応やメールの返信漏れに気づき、「どうしようかな。今日やるか、明日朝一番にするか」迷う。
あなたは、このような経験をしたことはありませんか?
このような問題が起こる原因は大きく2つあります。
ひとつ目は、タスクがいろいろなところで管理されているため、すべてのタスクをまとめて把握できないこと。
仕事量が増えてくると管理が難しくなります。特に、メール、カレンダー、手帳、To Doリストなど、さまざまなところでタスクを管理していると、見逃したり、対応漏れが発生します。
2つ目は、やるべきことを、いつはじめて、いつまでに終わらせるのか、時間の割り振りができてないこと。
これらのことを踏まえ、具体的に対策する必要があります。
基本的には、デジタルカレンダーを使って、時間軸でタスクを管理していきます。
タスクには必ず締め切りがあり、やりはじめるべきタイミングがあります。そのため、タスクや作業をバラバラに管理するのではなく、時間を軸に考えるとすべてがつながります。
また作業仕分けのときに、同じ業務や似ている作業をまとめて処理できるように予定を立てると、その都度、準備や段取りを行う手間が減り、時間のムダを省くことができます。
例えば、電話する時間帯を決めて、アポ取りや業務連絡や確認などを「電話をする仕事」として一気に処理したり、データ入力関連の作業をバラバラに行わずに、連続して処理するようにします。

やるべきことをカレンダーに紐づけることで、いつ何をすべきかが明らかになり、行動に移せるのです。
要するに、学校の授業と同じように時間割表に基づいて、シンプルに行動することができるようになるのです。すると目の前のことに集中できます。
授業のチャイムのように、デジタルカレンダーのリマインダー機能を使い、やるべきことを忘れず、時間に遅れないようにすることが重要です。

ベストは「3つの目」で見られるスケジュール帳
3つの目とは、鳥の目、虫の目、魚の目です。
「鳥の目」は全体を把握する目、「虫の目」は目の前のことを詳しく見れる目、「魚の目」は物事の流れを見る目です。この3つの目を瞬時に切り換えられるのが、デジタルカレンダーです。
鳥の目のように年間、月間あるいは週間の予定を見ると、特定のタスクや作業だけにとらわれず、仕事全体が見えるようになります。
仕事が集中している時期の把握、スケジュールや負荷の調整、ある予定の事前準備の有無の判断、空き時間を簡単に探せるなどのメリットがあります。
予定を外出、打合せ、自分のタスクなど種類ごとに、あるいは優先度ごとに色分け管理していれば、カレンダーをひと目見ただけで直感的に予定がわかるメリットもあります。

デジタルカレンダーであれば、クリック操作で簡単に鳥の目から虫の目に切り替え、タスクや予定の詳細を確認することができます。
例えば、ミーティングの予定の詳細を見れば、このミーティングで決めるべき項目のリストやアジェンダ、それに関連する資料や情報を確認することができます。
また魚の目で月間のスケジュールを見たり、過去と最近のスケジュールを見比べることで、仕事の流れや傾向の把握、空き時間や余裕具合を掴めます。すると仕事のスケジュールを臨機応変に変更することができるのです。
さらに、自分に合うスケジュールの組み立て方改善にもつながります。

一般社団法人中小企業AI活用協会代表理事
一般社団法人ライフウィズスポーツ協会理事
愛知県生まれ。南オレゴン州立大学卒業後、インサイトテクノロジー入社。インド企業とのソフトウェア共同開発プロジェクトに従事。その傍ら、プロジェクトマネジメント協会(PMI)の標準本を出版翻訳。
マーケティング担当になってからは、データベース監査市場でシェア1位獲得に貢献(ミック経済研究所)。外資系企業のFAROでは、日本、韓国、東南アジア、オセアニアのマーケティング責任者を務める。ビジネスファイターズ合同会社を設立。
現在は、マーケティングやAI活用のコンサルティングやアドバイザー、講演研修を行いながら、公的機関や民間企業や団体で、プロジェクトマネジメントやスケジュール管理の研修など、人材教育にも力を入れている。また、中小企業AI活用協会の代表理事として、AIの普及にも尽力し、中小機構やあいち産業振興機構などの公的機関で経営相談も行う。
著書に『PMBOK対応童話でわかるプロジェクトマネジメント』(秀和システム)など7冊ある。
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