電脳雑技集団の粉飾を突き止めたことで、東京中央銀行の危機を救った半沢直樹。この功績が認められ、出向先の東京セントラル証券から東京中央銀行の本店へと復帰し、ドラマ『半沢直樹』の舞台は再び銀行に戻った。頭取の中野渡(北大路欣也)から任された次の任務は、破綻寸前の帝国航空の再建だったが……。
現役のバンカー(銀行員)や業界関係者も楽しみにしているというTBS日曜劇場『半沢直樹』の新シリーズ。このドラマについて業界関係者にコメントをいただいた。なお、ドラマを観ていない読者には申し訳ないが、あらすじは割愛させていただく。(ZUU online-magazine編集長 三枝裕介)
黒崎検査官の「金融庁検査」はリアリティあるのか
安倍首相の辞意表明を受け、市場も揺れた8月28日。この日、取材したのは、大手通信社で過去に金融庁担当記者を務めた人物。
「『そんなわけないだろ~』という現実離れした話と、ところどころ共感できるリアリティのある話が入り混じっていますが、それがこのドラマを一層楽しくしているのだと思います。それにしても、新シリーズはキャラの濃い人たちばかりですね」
――それにしても金融庁検査って、本当にあんなに高圧的な態度なんですか?
「あれは本当です。もちろん、黒崎駿一(片岡愛之助)のような“オネエ言葉”を使う検査官の存在は聞いたことがありませんが、態度は概ねあんな感じだそうです。たとえば、金融庁の職員が黒崎を最前列にゾロゾロと銀行に乗り込んでくるシーン。名前を名乗る前から、誰が一番偉いのかが一目でわかるそうですよ。一般的に検査は2~3日続くので、銀行側は金融庁専用の会議室などを用意するのですが、銀行員がお茶を出しても一切、手を付けてくれないそうです。また、数日に渡って顔を合わせるので、廊下などですれ違いざまに銀行員が挨拶するのですが、これにも完全無視。顔見知りになって手心を加えたと思われるのが怖いんでしょうね」
――業務改善命令は銀行にとって、そんなに脅威なんでしょうか?
「もちろんです。金融庁検査で法令違反などが明らかになれば、金融機関の健全な経営を確保するために業務改善命令が発動されます。場合によっては、一部業務停止命令も出されることも考えられます。実際、これまでも多くの金融機関が一部業務停止命令を出されています」
――当然、株価も下がりますよね。