ブームに乗った投資家の中から「億り人」が誕生するなど、暗号資産は注目を集めている。しかし、暗号資産は歴史も浅く、現物がないことや価格の乱高下、資産流出などのトラブルなどが話題になりがちで、投資に踏み出せない人も少なくない。本記事では、そろそろ本気で投資を検討したい個人投資家向けに、暗号資産の仕組みや投資商品としての特徴を解説する。

目次

  1. 暗号資産(仮想通貨)とは
  2. 暗号資産はなぜ大きく価格が変動するのか
  3. 暗号資産を構成するブロックチェーンとは
  4. 暗号資産、個人投資家にとってのメリットとデメリット
  5. 暗号資産への投資の始め方。入手方法は?
  6. どうやってリターンを得るのか。暗号資産の運用方法
  7. 知っておきたい暗号資産にかかる税金の話
  8. 暗号資産のメリット、デメリットを理解した上で、自分にあった運用方法を

暗号資産(仮想通貨)とは

暗号資産とは何か? 投資を始める前に知っておきたいメリット・デメリットと運用方法を解説
(画像=yuzu/stock.adobe.com)

暗号資産(仮想通貨)とは、国家などによって発行された法定通貨ではなく、現物のない暗号化されたデジタル資産のことをいう。日本円や米ドルのように、国が通貨の価値を保証するのではなく、暗号資産は需要と供給のバランスで価値が決まる。記録の改ざんが難しい「ブロックチェーン」技術を導入して、分散管理していることに特色がある。

暗号資産で何ができるのか

暗号資産は法定通貨ではないものの、代金の支払いなどに使用できるなど財産的価値を持つ。金融機関を介さずにインターネット上の取引所や販売所で暗号資産を購入し、支払い決済や送金に使えるという特徴もある。また、保有している暗号資産は日本円や米国ドルなどの法定通貨に交換できる。

暗号資産は金融商品

日本で2020年5月1日に改正資金決済法および改正金融商品取引法が施行され、暗号資産は、金融商品に加わった。新しい法規制は、暗号資産交換業の規制と利用者保護の制度の強化を目的としている。

▽暗号資産にかかる日本の法整備内容

暗号資産_法整備
画像引用:金融庁 | 暗号資産(仮想通貨)に関連する制度整備について(PDF)

暗号資産と電子マネーは何が違うのか

デジタル通貨の一種で現金をデジタル化して支払いができるサービスである電子マネーは、暗号資産と混同されがちだ。しかし、法定通貨に基づく特質には大きな違いがある。

電子マネーは法定通貨の代替であることに対して、暗号資産は国が価値を保証しない暗号化された通貨だという点だ。その他に以下のような違いがある。

▽暗号資産と電子マネーの比較

比較内容暗号資産電子マネー
発行元マイニングによる発行企業や交通機関による発行
適用される法律資金決済法、改正資金決済法、改正金融商品取引法、金融商品販売法」資金決済法
中央集権無し
決済時の利用可能な場所利用可能な場所が限られる加盟店のみ
価格変動率大きい無し
換金の可否可能原則不可
ポイントの有無無し有り

暗号資産の種類はどれくらいあるのか

世界で流通している暗号資産は、1万種類を超えるといわれる。取扱所や販売所によって扱う暗号資産の種類は違うが、日本では、ビットコインやイーサリアムが多く取り扱われている。