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(写真=PIXTA)

不動産投資にも「新築」「中古RC一棟」「競売」などさまざまなスタイルがあります。例えば「ボロ物件投資」もその一つとして、実践する投資家が増えてきました。築年数が古く老朽化した家を安く購入し、格安リフォームによって貸家として再生する、初期投資を抑えた投資方法です。

ボロ物件投資という存在は、2007年の加藤ひろゆき氏の著作「ボロ物件でも高利回り 激安アパート経営」によって認知されました。他にも、築古大家のコージー氏や上條直子氏のボロ物件投資の事例コラムが注目されています。

今回は人気ブロガーの投資事例をもとに、ボロ住宅をどのように「金の卵」に変えているのか、格安リフォーム投資術を学びます。

アイデアと2割の労働力を投入

加藤ひろゆき氏が2015年4月に35万円で購入した、築57年の戸建(200万円相当)。リビングの床と壁紙の張り替えなど(18万円)と、破裂した水道管の補修(2万円弱)をそれぞれの専門業者に外注し、自分ではげ落ちた壁の修復と、壁に空いた穴をふさぐDIYリフォームを行いました。看板のみの宣伝で放置すること半年、家賃5万9,000円の入居者が決定しました。表面利回りは202%です。

以前は自分でほとんどのリフォームを行っていたものの、工期と品質を考慮すれば、早く修復して客付けした方が効率が良いと考えを改め、今は8割を外注し、2割を自分で施工するようになったそうです。外注はリフォーム会社1社にまとめて発注をせずに、複数の専門業者に見積を取って発注することで、大きな経費削減を実現しています。

どんなに古い物件でも、家賃に見合うと思えば借りる人がいます。どんなに古い家でも、最低限の修理費用と、「どんな人がいくらなら借りるか?」という試算ができれば、そこから逆算した指値で淡々と購入してリフォームするという、実はシンプルな投資なのかもしれません。

賃貸業者と相談するリフォーム計画

一方、家賃設定とリフォーム計画を、賃貸業者と積極的に相談する方法もあります。

上述のコージー氏は、「リフォームの秘訣は、思い込みでお金をかけるよりも、賃貸不動産の営業と、現地で、ターゲットとリフォーム内容を相談すること」だと言います。もしターゲットが生活保護を受けている高齢者夫婦ならば、砂壁のまま、畳のまま、建具ももちろんそのままで賃貸に出すといった、ターゲットを的確に捉えたリフォーム計画を重視しています。

2015年12月に300万円で購入した築43年の戸建(土地路線価ベースで460万円)は、新婚を対象としたため、砂壁が大きな課題となりました。すべての砂壁をパテ打ちした後にクロスを貼るなどの週末DIYリフォームを、4ヵ月行い、キッチンの窓作りや電気工事は外注しました。6月に新婚さんの入居決定、リフォーム費用を含めても利回り12%程度と報告しています。

また、外注コストを下げるために、「施工日は自由」「B級や余った資材の活用可」「不測の費用は別途請求可」などの条件を出して、大工さんと信頼関係を築きながらコストダウンを計るという工夫も見逃せません。