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安倍内閣の成長戦略の目玉の一つに医療改革があります。医療改革推進によって消費者にとっては具体的にどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?本稿では、投資面、経済面、健康面の視点からメリット・デメリットを検証して参ります。


安倍内閣、医療改革の概要

安倍内閣が成長戦略の一つとして掲げている医療改革では、以下の政策の推進を掲げています。

1. 一般用医薬品のインターネット購入の解禁
2. iPS細胞など、再生医療の推進
3. 保険医療と保険外の混合医療の推進より、受診できる保険外医療の範囲を拡大
4. 予防・保険管理分野でのIT活用

また、2014年6月に成立し、2015年4月に施行される「医療・介護推進法」では、以下の変更が行われます。

・ 年金収入が280万円以上ある世帯に対し、介護保険の利用者負担を現行の1割から2割に変更
・ 在宅医療と介護の連携による地域支援事業の拡充

更に安倍内閣では国民健康保険制度の財源改善のために、国民健康保険の運営を市町村から都道府県への移管することを検討しています。安倍内閣の医療改革の基本方針は、規制緩和により医療分野に新しい活力をいれることと、保険に関しては受益者負担へシフトして財源問題を解決することにあるといえます。


消費者のメリットはなに??

まず、先端医療、IT化の投資促進に関する施策は消費者にとってメリットをもたらすことが予想されます。特に、薬事法の改正が2013年11月行われました。そこでは、医薬品の承認期間の短縮のための認証の拡大、再生医療製品の条件・期限付き承認などが法律に含まれています。

これらは、新薬への投資促進とその承認期間短縮につながるものであり、抗がん剤等で欧米と比べて使える薬が少ない日本の現状を改善するものとして期待できます。また、新薬承認の期間が短縮することで、新薬開発にかかるコストを減らすことができ、結果として薬価が値下がることも期待できます。

また、医療におけるIT化の投資促進も、健康診断の予防データを電子化することにより、地域間でデータを共有する取り組みが推進され、予防と医療が結びつくことで、消費者が医療機関へ受診する期間が短くできる等のメリットが期待できます。