激務なコンサルタントでありながら、不動産投資家として本業の年収の何倍もの金額を稼ぎ、“億超え”の資産を築く。連載『資産“億超え”の兼業投資家が教える「時間レバレッジ」のかけ方』では、石川貴康さんがいかにして時間を生み出し、資産を増やし続けているのかを実例を交えて紹介してもらう。

最終回となる第18回のテーマは「段取りの最適化で時間を生み出す」である。石川さんは「外段取りの内段取り化」「内段取りの外段取り化」を活用し、段取りを最小化しているという。そのおかげで、段取りという非付加価値作業に使いがちな時間を、付加価値作業に投入できるのである。

段取りを最適化して効率アップを図る

Stock-Asso/ shutterstock.com, ZUU online
(画像=Stock-Asso/ shutterstock.com, ZUU online)

これまで本連載の中で、高い生産性を誇る製造業の知恵をいくつも紹介してきた。ここで、もう1つ説明しよう。第16回のコラムで、仕事のロットサイズと段取り時間の適正化を説明したのに続き、今回は「段取り」に関する効率化手法である。

段取りとは、本当にやりたい作業、付加価値作業に対する準備作業、後始末作業を指す。本作業開始前の「前段取り」、作業後の「後段取り」があるが、段取り自体は非付加価値作業なので、段取りを最小化して本作業時間を多くとりたいわけだ。

しかし、作業設計を詳細にしていないと、段取り時間と思われる非付加価値作業が本作業に紛れ込むことがある。そうした作業を連続で行うことで、時間がかかり、本来、付加価値作業に投入できた時間が、非付加価値作業に使われてしまうことになる。

例えば、素材に穴を空ける際、必要な位置合わせがあるとしよう。ドリルの先に正確な穴空け位置を設定するために、作業者が目視と手で位置を調整しているとする。

この位置合わせは穴を空けるという付加価値作業に対する準備作業で、非付加価値作業にあたる。こうした作業は、位置合わせのガイドができる道具を使って材料をはめ込むことで、いちいち作業者が目視と手で慎重に位置を合わせる手間を不要にしてしまう。

製造業から生かせる知恵:外段取りの内段取り化、内段取りの外段取り化

こうした、位置合わせという外段取りをなくして、材料セットの作業の一環で内段取り化して、これまでかかっていた時間をなくしてしまうことが、「外段取りの内段取り化」である。

逆に、「内段取りの外段取り化」で、作業スピードを上げたり、ムダな時間を削減したりすることもできる。例えば、あるモノを組み立てるときに、作業者が種々の適正な部品を適正な数だけ取りに行くことがある。

部品を特定し、数を数え、取り揃えて持ってくる作業を「配膳」と呼ぶが、作業者が自分の組立作業に必要な部品を配膳する間、組立作業が止まってしまう。

しかし、配膳を専属の配膳者に任せて、生産計画に合わせて作業現場に配膳させれば、作業者はひたすら組立作業に集中できる。

つまり、自分でやっていた段取り作業を作業の内部で内段取りとして行うのではなく、外部化して作業の外で段取りすることで、作業者は連続的に集中して付加価値作業を行えるようにするのだ。これが「内段取りの外段取り化」の効果である。

仕事や生活での外段取りの内段取り化実例

では、製造現場以外での外段取りの内段取り化、内段取りの外段取り化にはどのようなものがあるだろうか。