四季報はページ1秒で読む。10倍株を探す、誰でもできる・投資する 3つのステップ

2,000ページ相当と膨大な「会社四季報」を、1ページたった1秒で読破し、10倍株まで見つけられてしまうのが「はっしゃん式四季報速読術」の魅力だ。彼の四季報読書術を活用すれば、全ページを読み終えるのに約1時間。これなら忙しい方でも手を出しやすく、効率よく有望銘柄をピックアップできる。

大きく3つのステップを通じて、会社四季報を活用し投資判断を下す、成長株を厳選した長期投資術について、その具体的な方法をはっしゃん氏に聞く。

目次

  1. 四季報を活用し10倍株を探す「誰でもできる投資術」3つのステップ
  2. 派手さはないが、着実にパフォーマンスを積み上げる投資手法
  3. 23年夏号の会社四季報の傾向
はっしゃん(投資家、Vtuber)
お話を聞いた人:はっしゃん(投資家、Vtuber)
ITエンジニア兼投資家。割安成長株に長期投資するスタイルで資産3億円を達成。「初心者にも持続可能な株式市場の実現」という理念のもと、専門的な金融知識なしで利用できる株式入門サイト「株Biz」を監修・開発。理論株価や月次情報など独自の投資コンテンツを配信する。投資家Vtuberとしてマネー誌、投資メディア、SNSでも活動し、 ビジネス著書累計10万部、Twitterフォロワー数7.6万人、YouTubeチャンネル登録数1.9万人。

四季報を活用し10倍株を探す「誰でもできる投資術」3つのステップ

――着目する箇所は「右肩上がりのチャートだけ」というのが、はっしゃんさんの四季報読書術の特徴です。割安成長銘柄を見つけ出す、しかもたった1時間でできるという読書術の大まかな流れについて教えてください。

私の四季報を活用した投資術は、

ステップ1:付箋を貼る速読ステップ
ステップ2:業績を解読する
ステップ3:理論株価を確認する

という大きく3つのステップからなります。

私が投資対象とするのは、株価が業績と連動して右肩上がりする成長銘柄です。各企業の業績を読むにはそれなりに時間がかかるため、「はっしゃん式四季報速読法」では、まず株価チャートが右肩上がりの銘柄を探して選抜することをステップ1とし、業績はあとからチェックするため、ステップ 2としています。

ステップ1とステップ2に工程を分けるという割り切りで、株価チャートが右肩上がりではない銘柄を読み飛ばすことができるので、短時間で全銘柄を速読できるようになっているわけです。

そして、ステップ3として、企業の財務指標や業績予測から計算した理論株価と照らし合わせ、株価と理論株価の方向性や連動性を確認して、投資を判断します。

――なるほど、時間を取りづらいサラリーマン投資家でも実践できるイメージが湧きました。では、付箋を貼る銘柄にはどのような基準があるのか、ステップ1のポイントを教えてください。

四季報は見開きで計4銘柄のチャートが確認できるページ構成になっています。付箋貼りは慣れてくると「1ページ 1秒程度」で4銘柄分を判断できるようになります。

ステップ1の段階ではチャートのみに注目してひらすらチェックしていきます。最初は慣れるのに少し時間がかかるかもしれませんが、次の要領で四季報の最終ページまで読み進めていきましょう。

▽はっしゃん式四季報チャートのチェック法
・1:右肩上がりのチャート(形)
・2:陽線の白色が多いチャート(色)
・3:半年以内に最高値を付けているチャート(最高値の位置)

このように、付箋を貼る基準として、チャートの形、色、位置と、3つをすべて満たす銘柄に絞ります。慣れれば、チャートを形、色、位置を見るだけで読み進められますので、かなり効率よくチェックすることができるのです。具体的なやり方をもっと知りたい方は、私が公開しているYouTube動画を参考にしてください。

▽参考:【株式投資入門】四季報速読1時間で10バガーに付箋する方法

読み進めるポイントは、

ポイント1:会社名を気にしない
ポイント2:付箋を貼る数は50枚程度
ポイント3:見落としを気にしない

の3つです。

――ポイント2に関して、有望銘柄が50銘柄以上の見つかった場合にはどう対応していますか?

ポイント3については、(1)右肩上がりの上昇率で調整する、(2)陰線(黒のローソク足)が多い場合は見送る、(3)最高値の位置を「直近 3ヶ月以内」や「最新月のみ」と厳しくするなどの方法があります。

――(1)右肩上がりの上昇率で調整する具体的な方法について教えてください。

(1)の右肩上がりの上昇率を見るには、四季報に記載されているチャートの左側のローソク足の長さを確認します。上昇率の高い銘柄は、左半分のローソク足の長さが短くなる傾向にあります。直近株価が大きく上昇したことで、過去のローソク足の長さが小さく見えることに着目します。

――なるほど、ありがとうございます。右肩上がりで陽線が多く、直近半年で高値を更新しているチャートを瞬時に見極めて、ひたすら付箋を貼っていくのがステップ1ですが、続くステップ2のポイントについて教えてください。

付箋を貼った銘柄を対象に、ステップ2では、業績推移の部分に目を向けます。このとき、株価と業績が連動し右肩上がりに成長している企業を選別します。

業績の確認にはやや時間がかかります。目安として1つの銘柄に約1分かかるとして、付箋を貼った50銘柄をチェックするのにおおよそ50分が必要になります。

業績推移は四季報ページの各銘柄の左下部分の「業績欄」に記載されています。業績欄には売上、営業利益、経常利益(または税引前利益)、純利益、1株あたり利益、1株あたり配当金額の情報が記載されており、銘柄によって記載年数は異なりますが、過去実績値と四季報予測値の2〜3年分を確認することができます。

重要なのは、記載されている「売上」と「経常利益」または「税引前利益」の数値の変化を追うことです。とくに、売上と経常利益が継続的に増加しているかどうか、過去から連続しているかをチェックすることが中心となります。

――業績予想部分についてはどのように読んでいますか?

2期先の業績予測に関しては、それが未来の出来事を対象としているため、前提として非常に不確実であると捉えています。現代の変化の激しい状況下では、業績予測の前提となる条件が容易に変動することが想定されます。

加えて四季報の予測部分は、その情報が公開される約2ヵ月前のデータを基本に記述されています。この期間内に、国際的な出来事や経済の動向が大きく変わることは日常茶飯事であり、それが予測の信頼性をさらに低下させる要因となります。

そのため、四季報の業績予測は鵜呑みにせず、1つの情報源として取り入れ、より広範な分析の一部として位置付けて利用しています。

――はっしゃんさんのウェブサイトを見ると、付箋した銘柄を業種別や市場別、直近上場別に分類して集計することで、人気のトレンドやテーマを把握するためにも活用されていますね。

私が成長株候補として投資先を検討する際には、長期的に持続しそうなトレンドやテーマを意識しています。

右肩あがりのチャートは市場からの注目度の高さを示すため、前号と今号の四季報の傾向を比較したり、年単位で定点観測したりすることで、株式市場のトレンドや人気のテーマを把握することに役立てています。

観測軸は次の3つで、いまどのようなセクターが株式市場から評価されやすいのか、大型株が優位の相場か小型株や新興株が優位の相場かといったトレンドやテーマを掴む力が身につきます。

●観測軸1:業種別分類
・付箋を付けた企業の業種別に、人気トレンドや注目のテーマを把握する
・年4回の変動を追いかけることで、どの業種に資金がシフトしているのかといった市場トレンドの変化を捉える

●観測軸2:市場別分類
・付箋を付けた銘柄を整理し、時価総額や上場市場別の動向を把握する
・大型株(例:プライム市場)と小型・新興株の動向を比較・分析
・近年は小型・新興株の活況が限られている傾向

●観測軸3:直近上場別分類
・右肩上がりの銘柄にIPO(新規公開株)の数がどれくらいあるのか。上場直後は上昇傾向が強いが、1~2年で失速することが多いため投資時に注意する
・IPO市場の活気や注目業種を把握するトレンド分析を行う

派手さはないが、着実にパフォーマンスを積み上げる投資手法

――ステップ2では特に売上と経常利益が継続的に増加しているかどうかを確認することがポイントであることがわかりました。最後に、ステップ3のポイントをお願いします。