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村澤 典知(むらさわ のりとも)
パーソルホールディングス株式会社グループサステナビリティ本部 本部長 兼 グループコミュニケーション本部 本部長
トヨタ自動車、博報堂コンサルティング、A.T.カーニー等を経て、2018年にパーソルキャリアに入社。執行役員として経営戦略・マーケティング・はたらく未来図構想や、キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアムの立ち上げ等を推進。 その他、グループ中期経営計画策定、事業戦略など、多数のプロジェクトに携わり2023年4月より現職。 著作:「カスタマーセントリック思考」や「はたらく未来白書2023」など
パーソルホールディングス株式会社
1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、設計開発など人と組織にかかわる多様な事業を展開。「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、BPOや設計・開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開するほか、新領域における事業の探索・創造にも取り組み、アセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」や、スキマバイトアプリ「シェアフル」などのサービスも提供しています。はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。

グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を実感できる持続可能な社会を実現するために「サステナビリティ委員会」を設置されていますが、こちらの機能についてご教示ください。

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パーソルグループは、社会全体が持続可能な未来に向けて努力をしていく中で、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを積極的に進めています。その一環として、2020年3月から「サステナビリティ委員会」を設置し、グループ全社一丸となってこの課題に取り組んでいます。

この「サステナビリティ委員会」は、パーソルグループの最高経営責任者である代表取締役社長 CEOを議長とし、取締役や執行役員および議長が指名する社員と、外部の有識者で構成されています。こうした多様なメンバー構成により、多角的かつ深い視点での議論を可能にしています。

委員会では、パーソルグループのサステナビリティに関する重要な戦略・施策について深く議論し、具体的な取り組みの方向性を定めています。また、リスクや機会についてもモニタリングし、影響度を認識して必要な管理・改善策を策定しています。

委員会ではサステナビリティにおける情報交換も行っており、自分たちの事業とサステナビリティがどのように関わっていくかということを考えるきっかけになっています。

サステナビリティ戦略として8つのマテリアリティを設定されていますが、特に力を入れていらっしゃる取り組みについてご教示ください

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最も力を入れている取り組みとして「はたらく機会の創出」があります。単なるはたらく機会ではなく、その人の可能性を広げ、より良いはたらく機会を提供していきます。私たちは、これを提供することで、はたらく人たちの成長とともに、組織の成長も支援し、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。

また、この「はたらく機会の創出」を加速させる上で「多様なはたらき方の提供」、「学びの機会の提供」も重視しています。生き方やはたらき方の多様性が認められ、あらゆる個人が自分らしいはたらき方を選択できる社会を目指し、さまざまな就業形態や場所、リスキリングやアップスキリングの選択肢を提供しています。これにより、はたらく人たち自身のライフステージやスタイルに合わせたはたらき方を選び、キャリアの可能性を最大化するサポートをしています。

これらの取り組みの結果、現在、国内外合わせて約38万人にはたらく機会を提供しておりますが、その数を2030年までに約3倍の100万人に増やすことを目指しています。これは、私たちのESGの取り組みが、事業の強みと結びつき、具体的な成果となって現れる証にもなります。

パーソルグループが追求するESGの取り組みは、はたらく人たち一人ひとりの幸せを実現すること、そしてそれが広がることで社会全体の幸せにつながるという考えから生まれています。これまでの事業の強み・実績が、企業価値を高める原動力に繋がり、「はたらいて、笑おう。」を実現する社会に向かう新たな挑戦となっていきます。

“はたらくWell-being”を体現するということを方針として定めていらっしゃいますが、こちらについて具体的な施策をご教示ください。

パーソルグループは仕事やはたらき方の意思決定を自分で行うことで“はたらくWell-being”が高まると考えています。法人の企業様と個人様に多様な選択肢を用意し、ニーズにあったものを決定していただくサービスを提供しています。

また社外のみでなく、社員の“はたらくWell-being”を高める取り組みにも力を入れています。パーソルグループの分析によって、これを高めるためには5つの因子があると考えています。それは「自律・関係性・自己効力感・健康・ビジョンへの共感」です。特に自律性を重要視しており、人事施策によって意識を高める取り組みを実施しています。 具体的には以下のような取り組みを行っています。

・キャリアスカウト制度 キャリアオーナーシップを醸成し、エンゲージメントを向上させることを目的に、社員が経歴や異動意向を社内システムに登録するとグループ内の他部署から直接スカウトを受け、異動することができる

・キャリアチャレンジ制度 個社内だけでなく、国内外のグループ会社間での異動が可能です。国や地域、部署や職種の枠を超え、自分らしいキャリア形成に向けて異動チャレンジをすることができる公募型異動制度

・ジョブトライアル制度 本業をしながら最大月8時間×3か月、別のグループ会社や別部署の仕事を体験し、自律的な学びとキャリア選択のきっかけを得られる制度

・キャリアデザイン研修プログラム「Smyle」 キャリアデザインワークショップを通じて人生(キャリア)を振り返りながら、自身の「will」「can」「must」を言語化し、今後の展望をもって意欲的に仕事に取り組めるよう支援

また、当社では社員だけでなく“派遣スタッフ一人ひとりがはたらき方を選び、自分らしく生きること”の実現を目指しスタッフウェルビーイングを高める取り組みも重視しています。ワークライフバランスやキャリアアップといった派遣スタッフ個々の価値観や将来ビジョンを尊重しており、自分らしくはたらくために就業に関してさまざまな選択をできることが、Well-being向上につながると考えます。

これからも世の中の“はたらくWell-being”が実現できるよう、さまざまな制度や環境の整備を進めてまいります。

今後の上場企業の意義や投資家ユーザーへのメッセージ

パーソルグループは時代の変化や要請に合わせてさまざまなサービスを提供してきています。そして「はたらく」に関する社会課題の重要性は日々高まっていると感じています。

パーソルグループは“はたらくWell-being”創造カンパニーとして2030年までに人の可能性を広げて、100万人のより良いはたらくを実現する目標に向かい世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実現できるよう、性別・年齢・国籍・あらゆる制約を超えて、すべての「はたらく」が笑顔につながる組織・社会を創造していくことこそ、私たちパーソルグループの使命であると考えています。

氏名
村澤 典知(むらさわ のりとも)
会社名
パーソルホールディングス株式会社
役職
グループサステナビリティ本部 本部長 兼 グループコミュニケーション本部 本部長