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(画像=株式会社エコム)
高梨 智志(たかなし さとし)
株式会社エコム代表取締役
1970年10月2日生まれ
出身:三重県
出身校:明治大学
1994年4月株式会社島津製作所入社
2007年4月当社取締役就任
2009年10月当社代表取締役就任
株式会社エコム
工業用加熱設備の受注から設計・製作・販売まですべて一貫して担う設備メーカーです。
設備をオーダーメイドで受注生産する「産業システム事業」とメンテナンス・改造工事を行う「保守サービス事業」の2セグメントで事業活動を行っております。
弊社が受注生産している工業用加熱設備からは多くのCO₂が排出されていると言われています。(日本全体の約14%)
コア技術である加熱技術を用いて、CO₂など有害物質の排出が少ない加熱プロセスを提案し、カーボンニュートラル実現に寄与することを企業ミッションとしております。

1:これまでの事業変遷と自社事業の強みについて

当社は、38年前の創業時、工業用のガスバーナーのメンテナンス事業からスタートしました。このガスバーナーは、工場内の乾燥設備やアルミを溶解する設備、熱処理で鉄を固くする工程など、さまざまな熱を必要とする機械に使用されています。そして次第に発展していき、メンテナンス事業から機械設備の設計・製作へと事業を拡大していきました。現在では、この機械設備の設計・製作が売上規模のおよそ70%を占めています。

また、当社の事業の強みが何かと言いますと、それは"省エネルギー・省スペース・省時間"という3つのキーワードに基づいた、CO₂を出さない機械設備の提供です。昨今、対策が求められているカーボンニュートラルという環境課題に対して、私たちはガスや電気などを使って発生するCO₂を削減する機械設備を提供しています。そのため、多くのエネルギーを必要とするこの業界で、真に環境に配慮した取り組みを行うことが可能です。

株式会社エコム
(画像=株式会社エコム)

2:過去の成功実績やブレイクスルーについて

当社の大きな成功実績の一つとして、大手企業との共同開発があります。特に2015年頃からトヨタ系を始めとした大手企業との協力が増えてきました。この共同開発により、我々の技術や提案が直接産業界に活かされ、その価値が実証されることによって、企業としての信頼と評価を大きく上げることを実現しました。

また、全国の地方製造企業では珍しい名古屋証券取引所へのIPOも大きなブレイクスルーでした。私は2代目の社長だったので、組織構築面での事業継承に大変苦労していたのですが、会社をIPOさせることによって、ガバナンスやコンプライアンスも充実させつつ、更なる事業拡大を目指そうと決意し、実際にこれが当社にとっても成長への大きなステップとなると確信しています。

3:企業と地域社会との関わり方や理想の姿

私たち株式会社エコムは、製造業の街である浜松市を拠点として東海地域と深く結びついており、その地域社会に貢献する存在であることを常に念頭に置いています。地域の中核企業と連携し、共に成長を目指すと同時に、日本国内のCO₂排出量の約15%を占める業界に身を置いているからこそ、カーボンニュートラルに向けた取り組みに力を入れています。

4:地域で愛されるための秘訣や地域での取り組みについて

私たちが地域で愛されるための秘訣は、"地域貢献"と"お客様への深いコミュニケーション"に尽きます。まず、地域貢献についてですが、例えば製造業の中小企業がより業績を上げていくために、私たちは地元の中小企業や地域全体と連携を深め、お互いの強みを活かして事業拡大を図ることを心掛けています。また、新たな技術や仕組みを取り入れ、製造業の効率化や生産性向上につながるようにも取り組んでいます。

また、お客様への深いコミュニケーションについては、お客様がカーボンニュートラルなどの環境保護に興味を持つきっかけを提供し、自分たちでも取り組んでいくためのサポートを行っています。お客様からも、地球環境の改善に対する強い思いを共有することが、地域で信頼と愛されるための大切なポイントであると考えています。

5:次世代に引き継ぎたいものや伝統として守りたいこと

次世代に引き継ぎたいのはまず、当社の社名の由来にもなっている「環境保護への取り組み」をミッションとし、CO₂排出量の削減を追求する経営姿勢です。これを基に事業を推進してきた結果が、我々の現在の事業展開と、大手企業や顧客からの信頼であり、次世代へとしっかりと引き継いでいくことが求められています。

6:思い描いている未来構想と、それに向け取り組みたいこと、もしくは取り組もうとしていること

私たちが思い描いている未来構想は、「カーボンニュートラルを実現した社会」であり、「持続可能な成長を追求し続けていく企業」です。CO₂排出量の削減を追求し、地球環境の保護に寄与することで、私たちは地域社会や社会全体への貢献を遂げ、事業の持続性を保ちたいと思っています。

そのためには、まず新規事業領域の探求と開拓が重要です。既存の事業領域だけに固執せず、新たな技術の開発や新規市場への挑戦を絶えず続けることで、事業の拡大やバリューチェーンの強化を図っていきます。

また、私たちが事業を広げていく中で、従業員の存在も忘れてはなりません。地方企業で製造業である当社では、今後訪れる少子高齢化社会や労働人口減少へ向けて、対策を講じる必要があります。その一つがIPOでした。今後も、従業員の働く環境や社内文化の醸成に対しては、さまざまな取り組みを行っていきたいと考えています。

そして最後に、地域貢献や社会貢献の観点からも、投資や経済的貢献だけでなく、地域の教育や福祉など、より広範な分野に対する支援も行っていくことが、我々の思い描く未来を実現するうえで非常に重要だと考えています。今後も当社の取り組みに注目していただければと思います。

氏名
高梨 智志(たかなし さとし)
会社名
株式会社エコム
役職
代表取締役