(画像=株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント)
沖野 俊彦(おきの としひこ)
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント 取締役 管理本部長 CFO CHRO
総合商社系列メーカーにて経理財務、経営企画、M&A業務を経験し、REIT2社や私募ファンドなどを運用する上場不動産投資ファンド運営会社へ。ファンドのホールディングカンパニーの経営戦略やコーポレート、M&A業務を推進。その後、IT業界へ転身。経理財務、M&Aなど管理業務中心に業務遂行し、AIやRPAの導入を推進。2019年8月よりJAC RecruitmentのCFOに就任、2023年4月からは取締役 管理本部長 CFO CHROに就任。
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
JAC Recruitment は1975年に英国で設立、日本では株式会社ジェイ エイ シー リクルートメントとして1988年設立。スペシャリストや管理職人材の紹介に特化し、コンサルテーション型の人材紹介会社としては、国内最大クラスの東証プライム市場上場企業です。国際ビジネス経験をもつ人材紹介が強みで、日本国内では外資系企業や日系企業の海外事業などのグローバル領域の売上が全体の50%以上を占めています。
 
(画像=株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント)

ESGにおけるこれまでのお取り組み

私たちのミッションである「志をつなぐ」は、人材紹介事業を通じて人と企業をつなぐことで、企業の成長や個人の成長に貢献し続けることです。そして、その事業活動を通じて、サステナブルな社会の実現にも取り組んでいきたいと表明しています。

私たちは人材紹介というビジネスを通じて、ESGに貢献できないかということを考えており、具体的には、SDGsに貢献する取り組みを推進する人材を必要としている企業と、SDGsに貢献していきたいという人をつないでいく活動を進めています。

具体的には、社内でサステナビリティ人材の紹介を推進するプロジェクトを立ち上げ、現在は「地球の環境保全の問題」、「社会の平等の問題」、「人の健康の問題」という3つのテーマに絞って取り組んでいます。

例えば、「地球の環境保全の問題」としては、「脱炭素」というキーワードがありますね。今、地球温暖化が進行し、温室効果ガスの排出量が問題になっています。そこで、脱炭素を目指した製品を社内で作っていきたいという企業と、その製品を作れるような技術やノウハウを持っている人材をつなげる活動を行っています。

また、「社会の平等の問題」に関しては、例えば、ダイバーシティの問題について取り組んでいます。女性の活躍推進やWomen's Empowerment(女性が個人、社会集団どちらでも意思決定過程に参画し、自律的な力を得て発揮すること)を推進する人材の紹介などに注力しています。「人の健康の問題」に関しても同様に、ヘルスケアビジネスを推進している企業に、その分野でキャリアを積んできた適正人材を紹介しています。

ESGの取り組みや事業の強み、実績

 
(画像=株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント)

自社で行っている取り組みのひとつに、植林活動があります。これはインドネシアとマレーシアで行っており、オランウータンの森を再生させる活動や、火山の影響で木が育たなくなった地域を再生する活動などを行っています。昔、インドネシアでは、木を伐採しすぎた影響で、オランウータンが住む場所を追われてしまったという過去があり、オランウータンの森を再生させようという取り組みに共感した弊社の代表取締役会長兼社長の田崎ひろみが、「人材をひとり紹介したら1本植林をしよう」と考え、2008年からこの活動を始めました。このようなきっかけから始まった活動でしたが、今では累計で約14万本以上の植林を行うまでになりました。

活動を始めた当初は、ESGの取り組みというのは盛んではなかったのですが、そのような中でも、私たちは今のScope1,2の温室効果ガス排出量をすでに植林でカバーしていることが分かりました。環境を保全することによって、カーボンニュートラルな社会の実現を目指せるのであれば、これから更に植林の規模を大きくしていきたいと考えています。そして2030年には、Scope1,2,3全てを含めカーボンネットゼロを実現していきたいと考えています。

また、田崎は自然環境保護や野生動物にも非常に強い関心を持っており、自ら公益財団を立ち上げ、2022年にJAC環境動物保護財団という組織を作りました。これは田崎個人の資金で運営しており、動物保護を目的とした財団としては、日本で最大級と言っても過言ではない規模で活動をしています。弊社は同財団の設立趣旨に賛同し、同財団に弊社から社員を出向させたり、利益の一部を寄付したりと、JACの利益を社会に還元していきたいという強い思いから、同財団の活動の一部をサポートしています。

その他にも注力している取り組みはありますか?

ダイバーシティ&インクルージョンについても早い段階から取り組んでいます。特に最近ではLGBTQ+に対する理解を深め、差別をなくすように社内教育を徹底しています。社外へ向けた取り組みとしても、「東京レインボープライド」に参加させていただきました。自社だけでなく社会全体が、多様性を受け入れ、さまざまなプロフェッショナルが活躍できるよう私たちも尽力していきます。また、女性の活躍推進についても取り組んでおり、現在、弊社では約23%程度の女性管理職の比率を、2025年には40%にしたいと考えて社内でも取り組みの推進、啓発活動を進めています。

ガバナンスについては、取締役会の構成を見ていただければわかる通り、過半が社外からのメンバーで構成されています。これは多様性の確保と強固なガバナンス体制の構築を目指しているからです。今後も女性や外国人の役員を増やしていきたいと考えています。

ESGの取り組みで今後目指していきたいところはどのようにお考えですか?

私たちの目標は、1つひとつの活動が着実に成果を出していくことです。現在、SDGsに関連する成約数は、2020年頃の倍以上に増えています。これをさらに3倍、4倍と増やしていきたいと考えています。

社内の取り組みとしては、先程も申し上げた通り、女性の活躍の場をより増やしていくことに率先して取り組んでいきたいと考えています。そのためにも、女性社員に管理職やリーダーとして手を挙げてもらうための就業環境や風土作りをこれから特に注力して進めていきたいです。 また、植林についてもインドネシアやマレーシアを中心に活動を続ける予定です。役職者だけでなく社員にも同様に環境保全などの意識を持ってもらうため、年に1度メンバーを選抜し、植林活動に参加してもらっております。今後は今の植林地だけではなく他にも植林候補地を探し、規模を拡大していければと考えています。我々のビジネスが社会に貢献することと、我々が得た利益を社会に還元することが重要だと考えています。

上場企業の意義や投資家、ユーザーへのメッセージ

我々は事業で得た利益を配当・納税するだけではなく、様々なステークホルダーからの弊社への期待に人材紹介事業を通じて応えていくことが、企業として社会的責任を果たすうえで重要だと考えています。そのためには、弊社だけが利益を得るのではなく、ステークホルダー全体が利益を得て、私たちも一緒に成長していくような仕組み作りが必要です。短期的な目先の利益に注力するのではなく、長期的に会社とステークホルダーが信頼関係を構築し互いに成長していける。そのような事業や活動を今後とも続けていければと考えております。

氏名
沖野 俊彦(おきの としひこ)
会社名
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
役職
取締役 管理本部長 CFO CHRO