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(画像=ソフトバンク株式会社)
日下部 奈々 (くさかべ なな)
ソフトバンク株式会社で、新卒・中途採用、ソフトバンクグループ人材育成機関「ソフトバンクユニバーシティ」立ち上げ、「ソフトバンクアカデミア」をはじめとしたグループ次世代リーダーの発掘・育成、タレントマネジメントやダイバーシティ推進を担う。現在はESG推進室へ着任し、サステナビリティ戦略策定や対外コミュニケーション施策などを推進。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(プライム市場:9434)は、「情報革命で人々を幸せに」というソフトバンクグループの経営理念の下、ライフスタイルやワークスタイルに変革をもたらす、さまざまな通信サービスやソリューションを提供しています。スマートフォンを中心とした魅力的なサービスや5Gネットワークで通信事業を強化するとともに、AIやIoT、ビッグデータなどの活用や、グローバルに事業を展開するグループのテクノロジー企業群とのコラボレーションにより、革新的な新規事業を創出し、さらなる事業成長を目指しています。

ESGにおけるこれまでのお取り組み

当社は「情報革命で人々を幸せに」という経営理念を掲げています。これは、デジタルテクノロジーによって人々の幸せに貢献していくという考えに基づいていて、そのうちESGの取り組みにおいては、5G・IoT・AIなどのテクノロジーによって社会課題の解決に貢献できる分野・テーマとして6つの重要課題(以下「マテリアリティ」)を特定し、株主をはじめとするステークホルダーの皆様に対して、社会課題の解決に貢献することをお約束しています。このESG経営の推進によって、持続可能な社会の実現に貢献することが世界で最も必要とされる会社となることにつながるものと捉えています。

具体的に取り組むべきマテリアリティとして、事業を通じた社会課題解決と企業活動を通じた社会課題解決に取り組んでいます。テクノロジーの活用による社会課題解決に向けて、DXやICT(情報通信技術)による課題解決、そして通信事業者にとどまらない、新規事業の創出などのイノベーションを強みにしています。一方、企業活動自体を見直し、地球環境に負荷のない経営モデルに改善したり、レジリエントな通信ネットワークの構築に取り組んだり、ダイバーシティやインクルージョンを含めたガバナンス及び人事領域の改善・強化に努めていくことを掲げて取り組んでいます。

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(画像=ソフトバンク株式会社)

ESGの取り組みや事業の強み、実績

ESGの取り組みの成果としては、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)で、DJSI World Indexに選定され、日本の企業の中では全セクターを合わせて1位のスコアを獲得しました。DJSI World Indexの選定は世界の上位333社のみであり、我々の経営の持続可能性を評価頂けたと捉えています。

短期間でESG経営を推進できたことには主に2つの理由があると考えています。1つ目は、全社員に自分ごと化されるような仕組みを作ったことです。各子会社〜部門にESGの責任者・推進担当者を配置し、各KPIを担当者に割り振って、ESG潮流を各部署で有益な形に変換して取り組んできました。また、このKPIを評価や役員報酬に連動させるような仕組みも構築しました。このような取り組みから、ソフトバンクの社員意識調査において、「SDGsやESGが自身の業務に反映されている」と感じている社員の割合が2020年では30%だったのものが、2022年には73%まで飛躍しました。

2つ目は事業活動との連動です。テクノロジーを活用した社会課題解決と企業成長の両立を実現するために、デジタル社会の実現に不可欠な次世代の社会インフラを提供することを掲げて、社会に最も必要とされる企業になることを目指しています。具体的には、医療分野での取り組みとして、医療費の膨張や医師などのリソース不足の問題をテクノロジーの力で解決しようと取り組んでいる「HELPO」というサービスがあります。また、水問題に関しても、日本の水道管の老朽化が大きな社会課題になっており、小規模分散型の水処理システムを手がける「WOTA」と資本・業務提携して、「WOSH」や「WOTA BOX」を始めとする、水道のインフラ設備がない場所でも使える水循環システムの社会実装を進めています。さらに、スマートシティの分野では、竹芝エリア全体での実用化を進めており、日本の都市や街をより効率的で持続可能なモデルにしていくことを目指しています。

他にも、人的資本やガバナンスの領域での革新的な取り組みや、国際基準に合わせた開示、持続可能性の観点からのサステナビリティレポート作成などが挙げられます。特に注力しているもののひとつとして、気候変動への対応が挙げられます。脱炭素社会の実現に向けて、具体的な道筋を描くために社長自らがコミットし、事業に関わる全ての温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする「ネットゼロ」に、グループ全体で取り組んでいます。さらに、管理職の女性比率の向上にも取り組んでおり、ソフトバンクでは今後10年間で管理職の女性比率を3倍に増やすという目標を設定しています。これらの取り組みにより、企業の継続的な成長と社会への貢献の両立を目指しています。

現状だけではなくESGの取り組みでこれから目指すところ

ソフトバンク株式会社
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我々は、通信ビジネス自体をサステナブルにしていくことを目指しています。5Gなどの新しい通信技術の導入に伴って通信量が大幅に増えることで、基地局を含めた通信で使用する電力量が増えてきており、電力の使用量を抑えることが求められています。そこで我々は、2030年までに使用する電力の全てを実質再生可能エネルギーに切り替えることを目指し、そのうち半分以上は直接再生可能エネルギーを調達することを発表しています。

既に発電事業者と20年の長期間にわたる再生エネルギーの調達契約を締結し、安定的に再生可能エネルギーを調達するための取り組みを進めています。再生エネルギーの新規調達により脱炭素社会の実現に貢献することができます。また電気代の高騰が経営リスクになってきているため、その影響を受けにくい事業構造へ転換していきます。長期でコミットして調達することで、現在の電気代単価よりも、安価に調達することができます。今後もこのような取り組みを通じて、通信ビジネスをサステナブルにしていきます。

今後の上場企業の意義や投資家ユーザーへのメッセージ

ソフトバンクと聞いて思い浮べるイメージは様々あると思いますが、社長の宮川は社会に貢献し、長く愛される企業になることを常日頃考えています。これからも、社会課題解決にテクノロジーを活用し、企業活動を通じて環境や社会への貢献を続けていきます。

氏名
日下部 奈々 (くさかべ なな)
会社名
ソフトバンク株式会社