スマホ決済で観光地のキャシュレス化が加速

日本に来た外国人が直面するもう1つの課題は、決済のほとんどが現金のみでの対応という点だ。海外並みのキャッシュレス決済はまだ普及していない。そこで、店側の費用負担がかさむ従来の自社運用型のカード決済用端末に代わる、簡単・便利なスマホ決済に注目が集まっている。

従来型のクレジットカード読取端末は導入コストが高いが、スマホ決済は導入初期費用、振込手数料、月額費用が全て無料のケースが主流。決済手数料も従来のクレジットカードの5.7%程度と比較しても3.24%程度と低い。中でもマネーフォワードは決済手数料が1.99%〜3.19%と業界最低水準だ。

スマホ決済は売上後の入金が早いことも特徴だ。従来のクレジットカード決済は翌々月精算になるが、米国で圧倒的なシェアを誇る決済ベンチャーSquareは決済から最短で翌日に入金される。観光地などは個人経営や現金仕入れが一般的な中小の飲食業が多いため、キャッシュフローの短さとランニングコストの低さは導入に向けて大きなアドバンテージとなる。


百貨店のインバウンド重点売場で採用されたのは微信のサービス

“爆買い”に目をつけた中国スマホ決済大手の参入も始まった。利用者2億人という中国最大のSNSサービスWeChat(微信)が展開している決済サービス「WeChat Payment」。本人の銀行口座をアカウントに登録するだけで利用できる。店頭でスマホを読み取り端末にかざすことで支払が完了する。既に9月30日から大丸松坂屋百貨店が全国の大丸6店舗、松坂屋2店舗のインバウンド重点売場で導入している。

米電子決済大手のPayPalも日本市場での勢力拡大を期する。国内1200施設以上の旅館・ホテルが導入している宿泊予約システム「予約プロプラス」での決済サービスの導入が決まったほか、国内旅行大手のJTBとスマホ向け電子チケットサービスで業務提携する。

東京オリンピックに向け今後ますます開発と普及が進むであろうこうした「おもてなし」のソリューション。投資対象としても目が離せない。 (ZUU online 編集部)

【関連記事】
・激化するコーヒー競争の中で「コメダ珈琲」が快進撃する理由
・11月4日上場へ!日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の上場を徹底解剖
・日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
・日経新聞/日経MJから、四季報まで全てネットで閲覧可?その意外な方法とは
・証券業界に革命?「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」に注目が集まる理由