全国でコインランドリーが増えている。厚生労働省の調査によると、2013年度の全国のコインランドリー数は1万6693軒。2005年には1万3746軒だったから、10年弱で1.2倍になっている計算だ。どこの家庭にも洗濯機くらいはあるだろうが、なぜコインランドリーのニーズが高まっているのだろうか?

ライフスタイルとニーズの変化

どの家庭にもたいていある洗濯機。共働き世帯では最近、20万円前後のドラム式全自動洗濯乾燥機が人気という。洗濯機はあっても乾燥機がない場合、部屋干しをすると雑菌が増えてカビ臭くなってしまう恐れがあり、乾燥機付きは人気なのだ。

だが乾燥機まではないという世帯も少なくない。そこで梅雨の時期などはコインランドリーで数日分の洗濯物をまとめてコインランドリーで洗って乾燥させるという家庭もあるようだ。花粉症などアレルギーが理由で頻繁に寝具やカーペット、カーテンなどを洗いたいというニーズも高い。

こうしてコインランドリーの大型洗濯機で大きい洗濯物を気軽に洗濯することが一般的となっているのだ。毎週末、子供が学校から上履きを持って帰るため、靴洗濯乾燥機を設置するコインランドリーも増えつつある。

タワマンは常に洗濯物を外に干せる訳じゃない

このように、かつてあった単身者向けのコインランドリー利用とは目的が異なる、現在では時間節約と家事効率化を求める家庭の主婦を中心としたコインランドリー利用者が増えている。

住宅事情の変化もコインランドリーの需要を支える理由となっている。夜間に洗濯が禁止されているアパート・マンションや、タワーマンションのために常に外に洗濯物を干せないというケースも増えてきている。

不況と言われたここ十数年であっても、消費者のさまざまなニーズによって、コインランドリー店舗はペースを落とすことなく着々とその数を増やしているのである。