予想以上に高額になる費用とは

入居者が見つけやすいと、ワンルームマンションを購入したBさんは、入居者が退去したため、一般管理を委託している不動産会社からリフォーム費用等の見積もりが提示された。原状回復部分だけで数十万円。リフォーム業者によって価格に開きがあるようだが、入居者が入れ替わるたびに、これほど高額のクリーニング代やリフォーム代がかかることを想定していなかったため、当初の計画が崩れてしまい、後悔しているという。

入居者が見つからずローンだけが残る

Cさんは高い家賃収入が期待できると、3000万円のファミリー向けマンションをローンで購入した。家賃を月額20万円に設定し、最初は4人家族が入居したものの、2年後の更新時に新築マンションを購入するとの理由で退去。その後、見学者はいても夫婦の意見の相違や子どもの学校の問題など要件が合致せず、入居者が決まらない。

予定の家賃収入もなくなり、毎月15万円のローンに加え、マンション管理費や修繕積立金の支払いが残る結果が続いているという。マンションの売却を考えたが、当然のことながら売却価格は新築時の購入価格と比べて大幅に安くなってしまい、売るに売れずに困っている。

大学の都市回帰で学生目当てのアパート経営破たん

2000年ごろから始まった大学の都市回帰は、少子化に伴い今後さらに拍車がかかるものと思われる。特に都市部に本校舎がある大学では、郊外キャンパスを閉鎖し本校舎に統合する可能性が高い。移転は公表から数年で実施されるケースが多く、学生を目当てにしたアパート経営は今後要注意だ。

東京理科大学は埼玉県久喜市にある久喜キャンパス(経営学部及び大学院経営学研究科)について、2016年4月より神楽坂キャンパスに全面移転することを決定した。久喜キャンパスは1993年4月に開校し、大学は学生寮を持たなかったため、民間のアパートが数多く建築され、全国から集まる地方出身の学生たちの受け皿となっていた。今後、需要を無くした周辺のアパート経営は事実上の経営破たん状態になることが予想される。同様に、企業の生産ラインの縮小で、地方工場の閉鎖も増えそうだから、特定需要を見込んだアパート経営は注意が必要だろう。

人口は減少の一途。物件は増加の一途

「住宅・土地統計調査」(総務省)によると、現在、日本の総世帯数は5200世帯に対して住宅総数は6000万戸を超えている状況だ。人口が減少の一途をたどる中、2014年の調査では全国には820万戸の空き家が存在し、空室率は全国平均13.5%と、過去最高の記録を更新した。地方の空室率はさらに高くなると思われる。

営業マンのセールストークに耳を傾けていると、いとも簡単に不労所得を得られるような気になるかもしれないが、こうした現状を忘れてはいけない。 (ZUU online 編集部)

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