浪費癖
(写真=PIXTA)

小生は57歳の会社員です。妻は7歳年下の50歳で、昨年まで15年間ブティックでパート勤務をしていました。なぜ仕事を辞めたかというと、大学時代に就職が決まらなかった長男(24歳)の仕事が今春、1年遅れでようやく決まったからです。

妻は「もう子育て完了!」と宣言。それからは着飾って、女友達とランチやエステに出かけたり、旅行したり、タガが外れたようです。26歳の長女は4年前に家を出て独立しているため、妻にとっては息子の行く末だけが心配のタネだったのです。

とはいえ、22年前に購入した戸建てはまだ480万円のローンが残っています。小生、あと3年で定年退職です。65歳まで再雇用してもらえますが家計がラクになるとは思えません。私の手取り年収は600万円ほど。退職金はおそらく1000万円程度だと思います。現在の貯蓄は400万円と少なく、もしかすると子どもたちにお金がかからなくなった「今が貯め時」と考えています。

妻が綺麗なままで楽しそうなのはいいのですが、できれば働いてほしいというのが私の本音です。私だって何も好き好んで65歳まで働きたいわけではありません。私より7つも若いのに一足早く悠々自適を決め込んでいる妻にロジカルに対抗したいのです。説得できる数字的な根拠を教えてください。


理想と現実のギャップを妻は理解しているか?

主婦業、子育て、そしてパートまでやり遂げた奥様の気持ちを思うと「少し遊んでもよろしいのでは?」とは思いますが、ご主人は現実主義。将来が不安だから遊んでいる場合ではない!という状態でした。そこでご主人はFPである私に実際はどうなのかを知りたいということでご相談に来られました。

私の回答としては、「悠々自適は少々早いですかね……」と回答いたしました。その際にみせたご主人の「ほら!やっぱり!」という表情が印象的でした(笑)

その理由として……総務省の「家計調査 家計収支編(2013年)」によると、二人以上の世帯の1カ月の収入・支出を見てみると65歳以上の月々の収入は約22万円程度、一方支出は約28万円程度。月に6万円(年間で72万円)もの赤字です。(※ちなみに奥様の優雅なランチ・エステ・旅行などは入っておりません)

65歳から20年間は元気だと仮定します。ざっくり申し上げて、72万円×20年間=1440万円生活するだけの貯金が必要になります。

ただ、奥様もご主人も年に一度くらいは「旅行に行きたい」とお話しておりましたので、お二人で30万~50万円/回程度の旅行に行くと、年間で100万円超の赤字です。20年で2000万円、15年で1500万円です。これに介護の問題で施設や介護サービスなどの利用も頭の片隅にいれておくべきでしょう。

また、別途、死後の整理資金(葬儀費用など300万円程度)は考えておいたほうがよいと思います。つまり子供たちに迷惑をかけないために最低でも500万~1000万円程度の資金は必要だと思われます。65歳時で2000万~2500万円が無いと、それなりの暮らしはできなさそうです。