生産活動(韓国・台湾・タイ:10月、その他の国:9月)

アジア新興国・地域の生産指数の伸び率(前年同月比)は、足元で国内需要や輸出の緩やかな回復が進む韓国・マレーシア・フィリピン・インドでは持ち直しの動きが見られる。一方、台湾・タイ・インドネシアのように回復が遅れる国・地域もある(図表1)。

アジア新興経済レビュー1

フィリピンは同+3.7%と主力の電気機械の好調や輸送用機器のプラス転化によって2ヵ月連続のプラスとなった。マレーシアは同+5.6%と、リンギ安の恩恵を受ける電気・電子製品や電気機械を中心に上昇した。またインドは同+3.6%と、インフレ圧力の後退や利下げなどによって資本財や耐久消費財を中心に上昇した。

このほか韓国は前年同月比+1.5%と輸出不振で前月から生産が鈍化したものの、電子部品・デバイスや情報通信機器などを中心に上昇し、3ヵ月連続のプラスを記録した。

一方、台湾は同▲6.2%となり、アジア向け輸出の不振で主力の電子部品や機械設備のマイナス幅が拡大し、6ヵ月連続のマイナスを記録した。

タイは同▲4.2%となり、来年の物品税導入を前に需要が増えている自動車は回復傾向が見られるが、全体では2ヵ月連続のマイナスとなった。またインドネシアは同+0.7%と、食料品や飲料、電気機械、組立金属製品などを中心に大幅に低下し、2年ぶりの低水準を記録した。


貿易(韓国・台湾・タイ・インドネシア・インド:10月、その他の国:9月)

輸出(通関ベース)の伸び率(前年同月比)は、台湾・インドを除く国・地域で3ヵ月・6ヵ月平均を下回るなど、マイナス幅が拡大する傾向が見られる(図表2)。資源価格下落によるマイナスの影響は次第に弱まりつつあるものの、中国をはじめ世界経済の足取りは鈍く、輸出に下押し圧力が掛かっている。

アジア新興経済レビュー2

フィリピンは主要輸出先の日本向け輸出が急激に落ち込み、4ヵ月ぶりの二桁マイナスとなった。韓国は、スマートフォンを除いて幅広い品目が落ち込むなか、特に海洋プラント向けの船舶の受注減が下押し要因となった。またタイは、前年同月の輸出額がEUのGSP(一般特恵関税制度)の適用除外前に増加していたことも下押し要因となった。

輸入の伸び率(前年同月比)は、加工貿易の縮小によって大幅マイナスが続いているが、インドネシアを除く国・地域は前月から上昇するなど、輸出同様に価格下落による下押し圧力は弱まりつつあるほか、足元の政府の景気刺激策を受けて底打ちの動きが見られる(図表3)。

アジア新興経済レビュー3

フィリピンは同+7.0%と、製造業や建設業を中心に資本財や原材料の需要が旺盛で7ヵ国・地域中で唯一のプラスとなっている。