働きがい、ランキング
(写真=PIXTA)

米国の求人検索サイト「Glassdoor」は、2015年12月8日(現地時間)、毎年恒例の「従業員が選ぶ、最も働きがいのある会社ランキング」を発表しました。今回はGoogleがランクダウン、代わって1位になったのは初登場で、不動産投資家から高い注目を集め、世界中の旅行好きから支持を受けているあの企業でした。

「最も働きがいのある会社ランキング」

まず始めに、「Glassdoor」とは、米Glassdoor社が2007年に開設した企業レビューサイトです。社員や元社員の評価で構成されているため信頼性と透明性が高いと評価され、米国での影響力が強いとされています。サイトのデータベースには約800万社の情報があり、売上や社員数などの会社概要から社員による各項目の評価、社内の写真、職種別の平均的な年俸まで掲載されています。会社側からは「ブランディングを含めたリクルーティングの場」として、従業員側からは「リアルな会社情報を得ることができる場」として、広く支持されています。

この「最も働きがいのある会社ランキング(Best Places to Work)」は、雇用者にとって最も働きがいのある会社を判断するために「Glassdoor」が毎年発表するもので、2015年12月で8回目を迎えました。さまざまな企業の従業員が、会社トップのリーダーシップや報酬、ワークライフバランス、全体的な満足度などの各要素について評価したデータをもとに大企業部門と中小企業部門に分けてランク付けがなされ、各上位50社を表彰するというものです。

初登場のAirbnbが第1位

それでは、ランキングを見てみましょう。大企業部門の上位10社は以下の通りです。

1位 :Airbnb(エアビーアンドビー)
2位 :Bain & Company(ベイン・アンド・カンパニー)
3位 :Guidewire(ガイドワイア)
4位 :HubSpot(ハブスポット)
5位 :Facebook(フェイスブック)
6位 :LinkedIn(リンクトイン)
7位 :Boston Consulting Group(ボストン・コンサルティング・グループ)
8位 :Google(グーグル)
9位 :Nestlé Purina PetCare(ネスレピュリナペットケア)
10位:Zillow(ジロー)

GoogleやFacebookを抑えて1位にランクインしたのは、なんとAirbnbでした。Airbnbは今回が初登場で堂々の1位獲得です。総合評価は5点満点中4.6点でした。項目別にみると、「文化・価値(Culture & Values)」が4.6点、「給与・報酬(Comp & Benefits)」が4.3点、「キャリアの機会(Career Opportunities)」が4.3点など、軒並み高得点でした。また、「友達に推薦するか(Recommend to a friend)」という項目では96%が「推薦する」と答えており、Airbnbの従業員・元従業員がその就業環境を高く評価していることがわかります。

一方、前回首位だったGoogleは、8位にランクダウンしています。総合評価は5点満点中4.3点。項目別では、「文化・価値(Culture & Values)」、「キャリアの機会(Career Opportunities)」がいずれも4.4点など高得点です。しかし一方で、「友達に推薦するか(Recommend to a friend)」という項目では「推薦する」との回答が91%、「ビジネスの見通し(Positive Business Outlook)」が78%で、成長性に関しての少し低い評価が見られました。

そのほか、5位にFacebook、6位にLinkedInがランクイン。11位以下では、19位にAdobe(アドビ)、25位にApple(アップル)、26位にTwitter(ツイッター)などが入っています。

Airbnbってどんな会社?

今回初登場のAirbnbは2008年8月の創業で、米サンフランシスコに本社を置き、社名と同じ「Airbnb」という名前のプラットフォームを提供しています。このAirbnbを介して世界中の人々が、自宅やその他の所有物件の空き部屋を貸し借りしています。2016年2月現在、世界190ヶ国、3万4,000以上の都市で利用されており、通算ゲスト数は6,000万人以上。世界中のさまざまなタイプ・価格帯の宿泊施設を検索・予約することができる仲介サービスとして、広く認知されるようになりました。

Airbnbでは宿泊施設を貸す側は「ホスト」と呼ばれ、Airbnbに空き部屋の情報を登録します。ホストが登録している施設はお城から屋外テントのような建物、南国風のコテージに灯台まで、本当にバラエティ豊かです。もちろん普通の住居もあります。

借りる側は「ゲスト」と呼ばれます。Airbnbから宿泊したい施設を検索して、予約の申込をします。必要に応じてホストと交渉し、条件が合って契約が成立すれば宿泊できるというわけです。

日本でも外国人観光客の増加などを受けて、Airbnbの利用が着実に増えています。Airbnbはこれまで日本国内では提供されていなかった新しいビジネスの形態なので、政府や監督官庁などで法的な問題が議論されています。また今後は2020年開催の東京オリンピックに向けて、日本を訪れる観光客のより一層の増加が見込まれており、首都圏での宿泊施設の不足から政府も規制緩和に乗り出すなど、その利用を後押しする動きも出てきています。

まとめ

「190カ国を超える地元の家で、暮らすように旅をしよう」、「Airbnbのホストがつくる、世界中に家がある世界をちょっと拝見」といったキャッチフレーズのAirbnb。初登場第一位で働きがいのある会社に選ばれたことが、急成長していることを証明していると言えるでしょう。(提供: Houstock Online

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