不正利用を確実に発見するには毎月の利用明細のチェックを

不正利用が明らかになるのは、カード会員自らが利用明細を見て気づくか、カード会社の不正利用検知システムが不審な利用を検出するかのどちらかによる。後者の場合、カードが利用停止になるか、利用内容の確認のためにカード会員のところに連絡がある。

ただ、不正利用検知システムは、不正利用を完全に検出できるわけではないので、基本的にはカード会員が毎月の利用明細をしっかりチェックすべきだ。

具体的には、利用した店舗名と金額が実際の利用と一致しているかをチェックするわけだが、店舗名にかんしては異なる名称(親会社やテナントの入っている商業施設名など)で記載されていたり、ネットコンテンツの購入などでは運営会社が海外にあり「海外利用」と記載されていたりすることもあるので、身に覚えのない店舗名があるだけで「不正利用か!」と早とちりせず、クレジット利用控えと照らし合わせて整合性を確かめたい。

また、家族カードの利用分を不正利用と勘違いするケースも多いので、これにも注意したい。そのようにチェックしていった上で、それでも使った覚えのない明細があれば、カードの裏面に記載されているカード会社のサポートセンターへ早めに連絡しよう。

不正利用から61日以上経過すると補償されないことも

不正利用が明らかになった場合、基本的には不正利用の届出から60日までさかのぼった期間中の不正利用分に関しては補償され、クレジットカード契約者に支払いの義務はない。紛失・盗難されたカードによる不正利用では、紛失・盗難の届出日の60日前からの補償となる。なお、紛失・盗難の届出はカード会社だけでなく警察への届出も必要となる。

カード会社にもよるが、不正利用から61日以上が経ってしまうと、補償されないことも考えられるので、利用明細はこまめにチェックするようにしたい。

不正利用の事実が確認されると、その時点で不正利用されたクレジットカードは利用停止となりカード番号も無効化される。そして、新しい番号でカードが再発行されるので、公共料金や家賃などの毎月の支払いに使っていたカードに関しては、新しいカードが届き次第、クレジット決済情報を更新しなければならない。

カード会員側に重大な過失があると補償されない

会員側に重大な過失がある場合、クレジットカードの不正利用分は補償されない。重大な過失とは、カードの署名欄に署名をしていなかった、暗証番号を書いたメモをカードと一緒にしていた、生年月日や住所番地など第三者から容易に推測される暗証番号を設定していた、自分以外の人間に暗証番号を教えたことがある……といったことだ。そのようなケースでは不正利用があっても補償されない可能性が高い。

また、家族による不正利用や、不正使用により購入され自宅に届いた商品を受領した場合、あるいは、車載器にETCカードを挿入したまま車を離れたときに車上荒らしにあい、盗まれたETCカードが不正利用されたケースなども補償対象とならないことがあるので注意したい。