企業とお金との関係性について学んでほしい
ーそうですよね。続いての質問に移らせていただきます。2022年度から、学習指導要領が改訂されて高校で金融教育が必修化されました。今後、金融に対してどういう知識が求められるのかを、理由とあわせてお聞かせください。
川北教授
まずは、お金への意識を強く持ち、お金の動きを理解することが大事です。世の中、お金がないと回りません。しかし、 現代は現金に接する機会が少なくなり、お金に対する感覚が薄れてきています。
特に若い人は現金払いをせずに、クレジットカードやQRコードで決済する人が少なくありません。そのため、お金について考えたり、意識したりしなくなってしまうのです。自分の身の周りのこととお金の関係性について、常に考えるようにしてほしいと思います。
そのベースづくりの一端として、中学校、高校で金融教育が必修化されたのだと思います。ただし、高校で教わった内容をきちんと理解したからといって、それで十分というわけではありません。学校で教わった内容が、お金に関する考え方への大きなヒントにつながればいいと思います。
たとえば、企業とお金との在り方についてです。企業とお金との関係性について学ぶことは非常に大きな課題だと思います。どういう風にしてお金が回って経営が成り立っているのかを、高校教育で十分に教えることは難しいです。
興味があるのであれば、大学に入ってからさらに学んでほしいと思います。たとえ興味がなくても社会人になれば、いずれ企業の一員としてお金に関する知識が必要になるでしょう。その際に、身につけておいた知識が役に立つと思います。
金融教育は、社会人になったとき必ず役に立つ
ーありがとうございます。最後の質問をさせていただきます。金融教育を大学で学びたい学生さんたちに、メッセージを お願いします。
川北教授
金融教育というか金融は、非常に面白い学問領域だと思います。お金の仕組みについて学ぶことで、自分たちが社会人になったときに、必ず何らかの形で役立ちます。お金は、社会活動や企業活動、政府活動などを支えているわけです。
お金について学ぶことで、社会活動や経済活動の舞台裏でどういう風に支えているのかを知ることができます。そういう意味では、学生のときはもちろん、社会人になってから勉強するのもいいと思います。
ー素敵なメッセージをありがとうございました。