脱毛エステサロン「エターナルラビリンス」を運営していたグロワール・ブリエ東京が4月5日に破産手続きを開始したと発表された。破産により施術を受けられず返金もされない会員は全国で約9万人にのぼるという。
全国に約100店舗展開 会員数は約9万人
株式会社グロワール・ブリエ東京は、脱毛エステサロン「エターナルラビリンス」を全国に約100店舗展開していた。また、2012年からはまつげエクステサロン「MAQUIA(マキア)」の経営も開始していた。会員数は約9万人にのぼる。ゴージャスな雰囲気の店内で、比較的低価格で高級感を感じながら全身脱毛を行えるとして定評があったサロンだ。2014年9月期には、売上高約28億円をあげていた。
しかし、広告宣伝費や固定費の増大により、近年経営状態が悪化した。2016年には契約の途中で解約を希望した会員への返金拒否や虚偽誇大広告などが発覚、消費者庁から9か月間の一部業務停止命令を受けている。これにより解約が急増し、さらに財務や資金繰りが急速に悪化、事業を継続することは困難となった。
2016年9月には、広告事業やシステム開発を手掛ける株式会社RVH <6786> から借入を行い、店舗などの資産に担保権が設定されたRVHは、2015年12月に、美容脱毛サロン大手の「ミュゼプラチナム」を買収している。借入と同時にスポンサー支援に関する基本合意書を締結し、RVHとミュゼ社が従業員を引き受けた。
2017年3月24日には、株式会社グロワール・ブリエ東京とミュゼ社との間で事業譲渡契約を締結したことで、事業失態がなくなる。それにより事業継続が不可能となったこと、多額の債務があるとして、2017年3月28日、破産を申告した。
高額な料金は返金されず
エターナルラビリンスの契約では、十数万円から数十万という高額な料金を月ごとに分割して支払うようになっている。今回の破産により、今後はエターナルラビリンスで脱毛サービスを受けることは不可能となる。解約を希望しても、すでに支払い済みの施術料金の返金は極めて難しい。
支援をしてきたRVH傘下のミュゼ社の運営するサロンで脱毛サービスを受けることはできるが、追加料金を支払う必要がある。具体的には、クレジットカードや現金で代金全額を支払い済みの場合は、残回数分について1回当たり定価の38%を支払うこととなる。また、ミュゼ社へあらかじめ申し込みする必要もある。
エステティック業の倒産は増加傾向
東京商工リサーチによれば、エステティック業の倒産は2014年30件、2015年43件、2016年51件とここ数年、増え続けている。2017年にも2月に「たかの友梨ビューティ―クリニック」を運営する不二ビューティがRVHに54億円で買収された。
美容業界の経営は、高額プランを組むのではなく1回分の料金を支払う制度が増えたこと、人件費の高騰、高額な美容機器を購入する資材費による経営への圧迫などで難しくなっている。業界内での競争も激しくなってきており、小規模サロンの経営悪化による大手の買収が進むことも予想される。「たかの友梨ビューティ―クリニック」やミュゼ社を買収したRVHはその一例だ。(ZUU online 編集部)
【関連記事】
・10年後も食える人・食えない人の決定的な違い
・老後破産に陥りやすい人の特徴とは 予防対策を考える
・油断大敵!高年収世帯でも陥るかもしれない老後破綻の現実
・「目先の年収だけ」を基準にすると転職に失敗する理由とは?
・投資でよくある失敗事例。なぜ相場で負けてしまうのか?