3月3日、総合商社大手の伊藤忠商事 <8001> の株価が一時3370円まで買われ、上場来の高値を更新した。昨年3月17日の安値1911円から約1年で76%の上昇である。著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハサウェイが2月27日に公開した「株主への手紙(年次書簡)」の保有額上位15銘柄に伊藤忠商事が記載されていたことが買い手掛かりとなった。ちなみに、同15銘柄に日本企業がランクインするのは伊藤忠商事が初めてである。
今回は伊藤忠商事の話題をお届けしよう。
伊藤忠商事、バークシャーの上位15銘柄にランクイン
ウォーレン・バフェット氏が会長兼CEO(最高経営責任者)を務める投資持株会社バークシャー・ハサウェイが、日本の総合商社に投資していたことが初めて明らかになったのは昨年8月31日のことだった。具体的には伊藤忠商事、三井物産 <8031> 、住友商事 <8053> 、三菱商事 <8058> 、丸紅 <8002> の大手5社で、それぞれの発行済み株数を5%超保有したことを開示した。特筆すべきはバークシャー・ハサウェイが今後各社を最大で9.9%まで買い増す可能性についても言及したことだ。同日の総合商社株は丸紅の9.5%高を筆頭に、住友商事9.1%高、三菱商事7.7%高、三井物産7.3%高、伊藤忠4.2%高と全面高を記録している。「投資の神様」「オマハの賢人」とも呼ばれるバフェット氏は世界中の投資家や市場関係者から尊敬される存在であり、バークシャー・ハサウェイの日本商社への投資は、外国人投資家の日本株投資を見直すきっかけになったとも言われている。