「日本のエネルギーをすべて再生エネルギーに変える」を目指すグッドフェローズ。組織の拡大に伴い見えてきた問題点も、鬼速PDCAなら乗り切れると感じた社長が導入を決めた。今回受講された社長の長尾氏と副社長の佐伯氏に、講義の感想や自身と社内の大きな変化について伺った。
導入のきっかけ
組織の拡大で見えてきた「解決案ファースト」な状態を抜け出し、組織にPDCAを根付かせたい
株式会社グッドフェローズ
代表取締役 長尾 泰広氏
鬼速PDCAを導入した背景を教えてください。
長尾社長まず弊社には、「ロジカル×PDCA」というバリューが元から企業理念に入っているんです。会社の行動指針にしているほどですから、創業当時からこれまでの主力メンバーには、それだけPDCA力がありました。そのような背景もあり、会社が小さい頃は自分たちの力だけで成長できていたんです。
ただ、組織が大きくなってくると、組織としてのPDCA力がないと、全く機能しないと感じ始めました。特に、目の前にある一見良さそうなアイデアや解決案に飛びつくことが常態化していました。何か問題にぶち当たったときに、「こういうのはどう?」と思いつきで意思決定していたり、特定の人、たとえば私と佐伯だけで対処していたりしていたんです。鬼速PDCAでいうところの「解決案ファースト」の状態になってしまっていたんですね。
そんな時に参加した勉強会を通して、幹部メンバー全員で課題を「見える化」できていない、「見える化」できる環境がないことに気づきました。弊社に鬼速PDCAが必要だと感じたのです。そこでまず自分が学んで、鬼速PDCAのスキルを実践できれば、個人としても社長としても数段レベルアップでき、会社を良い方向へ導くことができると思いました。それが導入を決めた理由です。
また、自分が得た気付きを他者に共有すれば、会社全体への鬼速PDCA導入について話しやすくなると思い、副社長の佐伯にも受講してもらいました。彼は直接事業を担当しているので、社内メンバーに浸透しやすくなると期待していたんです。
最終的には、PDCAを回して、しっかりとした手順で事業を進めていくことを全社的なカルチャーまで落とし込みたいと考えていました。
導入後の変化
リミッターを外して見えた大きな5年後のイメージ
因数分解で実現が見えてくる
実際に鬼速PDCAを受講してみていかがでしたか?“リミッター外し”が特に印象に残っていると伺っておりますが、その点も含めて教えてください。
長尾社長実際の講義では、事業を中心に深掘りしていきました。5年後にこれぐらいの規模になっていたいから、そのために今やることは何か、という形で大きい目標から小さい目標へ、経営についてのPDCAをどんどん因数分解していったのです。
そして特に印象に残っているのは、リミッターを外した時に思い描いた「こうなりたい」というKGI (ゴール)に対して、同じ規模でやっている会社をベンチマークにして、自社の顧客数や人材構成を因数分解することです。同規模で成功している他社を参考にすることで、自社がどうすればそこに到達できるかという筋道が見えてきたのです。
まさしくZUUさんがよく引用される、「400グラムのステーキは一気に食べられないけど、細切れにすると食べることができる」という例えのように、大きな目標は一見「達成が難しいのでは……」と最初に思ってしまいますが、細切れにしてみると「意外と簡単にできるのでは?」という気持ちに切り替わりました。
その講座を受けたあとで、私が達成したい数字を各責任者に伝えてみました。すると最初は「えっ、ちょっとそれは厳しいのでは?」という反応がほとんどでしたが、リミッター外しの考え方を伝えたところ、「いや、結構できるかも?」という風に意識が変わっていったのです。
そんな経験があったので、これを私や佐伯だけではなくて、全員が自然にできるようになることが、会社を大きく成長させる上でも、イノベーションを起こす上でも重要だと確信できましたね。
株式会社グッドフェローズ
代表取締役副社長 佐伯 淳二氏
佐伯副社長本当に因数分解は重要ですね。社長は私より早い時期に受講し、「すごく良かった」と聞かされていました。そして全社に向けても、研修で使用しているマインドマップのツールを使う場合に、因数分解して使うことを推奨したり、鬼速PDCAの本を勧めたりしていたので、なんとなく受講する下地はできていました。
自分が受講する直前に、マーケティング部の責任者が退職し、社長から電力事業を引き継いでいたのですが、その結果やることがものすごくマルチタスク化し、何がKPIなのかも判断しにくい慌ただしい状況でした。そのタイミングで受講を勧められたので、鬼速PDCAを導入して、この状況をなんとか乗り切りたいという気持ちが大きかったですね。
リミッター外しの考え方は、新しい事業を見つける方法としてすばらしいと思います。例えば事業を成長させていく時に、通常なら「その事業で重要なKPIをどう増やすのか?」とか、「市場がこの事業に関してどう伸びるのか?」というアプローチで今後の見通しを立てます。こちらは制限的なアプローチですが、もう一方のリミッター外しの場合、まず「100億でやる」というような数値をたてて、そこから何をすればいいのかを見つけられるので、非常に新鮮に感じましたね。またベンチマークの会社を因数分解することで、新しい事業アイデアのヒントも得られるので、斬新すぎていきなり頭を打たれたような感覚です。
最初はどうなるのか不安も多かったのですが、課題を一つひとつ分解していくことで、自分のやるべきことやマネジメントスタイルが明確に見えてきました。そういった考え方を持って実践できる社員を一人でも多く増やせれば、組織は強くなるのだと思いました。
鬼速PDCAの効果
工数棚卸しで自分の業務を見つめ直し、本当に必要なタスクだけに取り組むようになった
社長は工数棚卸を積極的に使っていただいているそうですが、どのあたりが気に入っていますか?
長尾社長“工数棚卸”は、自分の時間の使い方を最適化できるという意味ですごく役立つスキルです。私は2週間に1回、自分のタスクを見直すようにしています。
逆に自分の時間の使い方を見直さないで放っておくと、いつの間にか「なんだかすごく忙しい」という状態に陥ってしまいます。本来やるべきではない仕事がどんどん増えていくからです。受講前には、自分にとって最も大切な「経営」という仕事が疎かになっていると感じていました。
鬼速PDCAを導入した後、2週間に1回意識して時間をとり、今のタスクに対する工程数を把握するようにしました。そして経営者としてどれを優先していくべきかなど、頭を整理していきます。これは経営のスピードアップを図るという意味でも重要な作業ですし、一人のビジネスマン、一人の社長としてかなりレベルアップしているという実感を得られています。
今後の活用
会社に鬼速PDCAの考え方を根付かせ、組織成長を加速させる
社長や副社長が鬼速を受講されたことによる社内の変化や、それを受けての今後の展望を教えてください。
佐伯副社長私自身の変化としては、色々な事業を同時に進めていても混乱せず、それぞれの事業の重要KPIが何なのかを、明確に把握できるようになったことが大きいですね。現場でもKPIを共通認識として持たせることで、事業がスムーズに進められるようになりました。KPIの中身を分解すると、またそのKPIを達成するKPIが見えてくるのですが、それを週単位、月単位で回すことで、目標達成の精度がぐっと上がったのです。
今までは売上目標など、一つのKPIをずっと追っていくというスタイルだったので、週単位や月単位で、細かいKPIの目標が変わっていくのは、大きな変化でしたね。
長尾社長佐伯が述べたように、鬼速の実践を導入することで、今までより組織が速く、継続的に動けるようになったことを実感しています。私としても、意思決定の方法やプロセスが柔軟になり、状況に合わせて変えられるようになったことで、今一番インパクトのあることにフォーカスできるようになったと思います。
とても効果を感じているので、鬼速PDCAで得た内容はできるだけ社内にアウトプットするようにしています。その成果は徐々に表れてきていて、社内でも例えば目標が未達成のときには、KDI (Key Do Indicator/行動指標)が足りているのかという行動量をチェックするようになりました。
また、意思決定については「それってインパクト的にどうなの?」、「それって、解決策ファーストじゃないの?」みたいな話が、少しずつ飛び交うようになってきています。鬼速PDCAの考え方が、私や佐伯を通して、徐々に社内へ浸透しているような手応えを感じています。
これからも、鬼速PDCAの考え方をどんどん社内に根付かせて、高速でPDCAを回せるような組織体に変えていくことを目指します。ロジカル×PDCAというバリューを体現していきたいですね。